雨露

 恵比寿で大吾と食事に行った帰りに、雨が降ってきた。今は梅雨の時期なので当たり前なのだが、わざと傘を持って行かなかった。雨が降るということは予測していたのだ。梅雨なので、予測は容易にできる。
 それは、昼間から大吾とホテルに行きたいという下心で。
「雨、降りましたね……申し訳ありません、傘を忘れました」
 わざとらしく空を見上げれば、大吾が溜め息をつきながら腕時計を見ていた。現在の時刻は午後の三時。しかし予定は把握している。この後、急ぐ予定は無いのだ。
「忘れたのか? じゃあ濡れて帰るか……」
 大吾はそのような自身を咎めない。そして諦めたようにそう言っていた。
 何と優しいのだろうかと感動しながら、大吾の手を掴みながら提案をする。大吾は驚いた顔をしていた。
「……あの、大吾さん……雨宿り、しませんか?」
「雨宿り? あぁ……お前とカフェもいいな。じゃあ……」
 大吾の想定している雨宿りとは、カフェなどに入ることらしい。呑気にそう答える。何と可愛らしい発想だと思いながらも、首を横に振った。否定をする。
「……ホテルで、雨宿りしませんか?」
「ホテル……あぁ……えっ?」
 さすがに気付いたのか、大吾は顔を赤くしながた自身の顔を見た。そして恥ずかしそうに、頷いてくれれば近くの適当なホテルを探す。ここは都内であるので、ラブホテルでなくてもすぐに見つかる。入ったのだが、ビジネスホテルに近いものだ。しかし自身はもう我慢ができないでいた。大吾と雨宿りできることが嬉しく、下半身が反応しているのが分かる。なのでもう、ホテルであればどこでも良かった。
 フロントで空いている部屋を取れば、カードキーを受け取った後にすぐに向かう。二人で足早にエレベーターに乗った。
「……大吾さん」
 二人きりになった時点で我慢ができない。しかし耐えながら大吾の腰に手を添えれば、こちらを見てくるのが分かる。唇を結んでおり、同じく耐えているのが分かった。
 共に我慢をしていれば、エレベーターは思ったよりも早く止まった。あまり高くない階層の部屋を取っていたことに気付くが、今更戻れない。エレベーターから出てから、すぐに部屋に入った。外からは雨音が聞こえる。
 扉を施錠したことが分かれば、その場ですぐに二人は抱き合ってキスをする。求めているような、激しいキスだ。互いにベッドで行うことなど考えなかった。余裕が無いのだ。
「ん、んっ……ふ、っん……」
 大吾が息を漏らす間に、ジャケットを脱がせてから床に落とす。他の衣類もそうしていれば、すぐに大吾が全裸になる。自身としては麗しい体に、指を這わせた。
「っはぁ、はぁ、はぁ、峯……俺の、しゃぶってくれ」
「はい」
 大吾が求めることなど、即答することができない。全裸の大吾の一方で、自身は衣服を乱さないまま跪く。そして勃起している大吾の股間に唇を這わせた。雄と大吾特有の匂いが混じり、興奮は止まらない。
 舌を出してから竿を舐める。少し尿の香りがしたが、そのようなことはどうでも良い。それよりも、大吾の体を愛したいのだ。竿全体に唾液を纏わせるくらいに舐め回していく。当然のように、大吾は息を上げて気持ち良さそうにしていた。
「っは、はぁ、は……! ぁ、あん、ん……! 峯……きもちいい……!」
「ん、ふぅ……それは、なによりです」
 尿の匂いと汗の匂いもする気がする。それでも大吾のものをしゃぶっていき、そして達するところで唇を離した。どうしてと、そう言いたげな大吾がこちらを見る。
「峯、イかせてくれ……!」
「駄目です……大吾さん、ほら、尻をこっちに向けてくださいよ。俺のが、欲しいのでしょう?」
 腰を擦る。すると大吾は言う通りに背中を向け、壁に手を着けた。
「峯、ちんこ、欲しい……」
 大吾が誘惑してきた頃には、外の雨の音は消えていた。雨は、もう通り過ぎたのだろう。しかし大吾は気付いていないので、自身は気付かない振りをした。小さく「雨、止むといいですね」と言いながら、背中を抱き締める。
 だが自身は着ているスーツを脱ぐことはない。スラックスのチャックを下ろした後に、勃起したペニスを取り出す。それで大吾の尻を突けば、それだけで気持ちがいいらしい。いやらしく腰を振りながら、自身の名を呼ぶ。
「峯……」
 その大吾の顔に近付き、そして軽くキスしたところで囁いた。大吾の中では、雨の中に消えていくような小ささなのだろう。
「大吾さん……いれますよ」
「ん、ん……いれてくれ……」
 言いきる直前には、尻の割れ目を通り越していた。入り口にすぐに侵入すれば、粘膜同士がぶつかるのが分かる。
「っふ……! 大吾さんの、まんこに、入る……!」
 当然のように興奮は止まらない。だがこのまま貫くことは物理的に可能なのだ。今の大吾の入り口はかなり緩い。何度も何度も体を重ねた賜物故に。
「ぁ、はぁ、はぁ……! 峯、俺の、まんこにちんこでずこずこして、イかせてくれ……!」
 勿論言う通りにする。なのでそのまま腰を進めていけば、自然と密着する。すぐに、二人の体が重なったのだ。
「ッう……! は、はぁ、ぁ、ちんこ、はいった……!」
「っふ、ふう、ふう、大吾さんのまんこ、きつ……!」
 本能が止まらない。このまま腰を激しく揺らしていけば、それに従って大吾が喘ぐ。中は何度貫いても締め付けがよく、名器中の名器だろう。もはや大吾以外に抱くことを考えられない。
「あ、あぁ、っは、ぁ、あ! きもちいい、みね!」
「ぐ……! はぁ、あ……! 俺も、気持ち、いいです!」
 このまま大吾の中で達してしまえば、精液を勢いよく腹の中に流していく。これもまた快感であった。
「ァ! あ、あ……! はぁ、はぁ、みね……もっとぉ……もっと、なかに、ほしい……!」
 大吾は更にと種付けを乞う。それに応えるべく腰を揺さぶっていき、大吾の体を大きく震わせる。もはや中は腹の中ではなく子宮のように思えた。ここは、種付けをする部位なのだ。
 体中の血管が収縮を繰り返していくのが分かれば、大吾の腰を掴んで腰を激しく打ち付ける。そこを女の膣のように、粘膜と粘膜を擦り合わせていく。途中で出した精液がかき混ぜられる音が聞こえ、卑猥に思えた。
「はぁ、はぁ、大吾さん……貴方のナカに、俺の精子がこんなにあるんですよ? そろそろ、着床してもいいとは思いませんか?」
 大吾のあらゆる皮膚が赤みを帯びていく。これは嬉しがっていてくれているのか。そう考えながら射精していけば、大吾はただ息を漏らす。しかし、そこで吐息以外の音を発する。
「みね、べっどで、こづくり、したい……べっど……」
 思えば大吾には辛い体勢をさせていた。加えて自身は着ているスーツを乱しているだけである。これでは、一方的な性行為なのではないか。気付いてからすぐにペニスを抜けば、大吾からうっとりとした声が漏れる。
「はぁ、あん……みね……?」
 ゆっくりと振り返った大吾が首を傾げている。それを見ながら大吾の体を横抱きにし、ベッドルームへ向かった。清潔なベッドの上にゆっくりと下ろしていけば、大吾が再び疑問を口にする。
「みね……?」
「申し訳、ありません……俺ばっかり、気持ちよくなって……大吾さんばかりに強いて……」
 情けなくなった。大吾から目を逸らそうとしたのだが、スーツの裾を引っ張られるのが分かる。大吾が、残っている力で引いてくるのだ。
「大吾さん……?」
「みね、おれは、おまえが、好きだから、おまえが、きもちよくなってくれて、俺はうれしい……」
「ですが……」
「峯……」
 呂律が元に戻ってきたのか、大吾が膝立ちになり抱き締めてくれた。肉体を感じ、すぐにその体を抱き返す。
「大吾さん……好きです……」
 そこでまずは初心に戻ろうかと思った。大吾の体をベッドの上に再び乗せた後に、ジャケットを脱いでいく。窓を見れば、やはり外は晴れていた。しかし大吾は未だに気付いていない様子である。
 そして次々と衣服を脱いでいけば、全裸になる。ここで大吾と対等になれるのだ。体の上に覆い被さる。皮膚同士が重なり、互いの熱が感じられる。幸福な感覚が脳を支配する。
「俺も、好き……峯が好き……」
 互いに告白をすれば、初心として大事な言葉の疎通を終える。
「だから、キスしてくれ……お前と、キスをしないと、俺は気が済まない……」
 口付けを求めてきた。大吾のものをフェラチオしたのだが、良いのだろうかと迷う。そうしていれば、大吾が顎を掴んでから無理矢理にキスをした。呆けていればすぐに舌が入っていき、そして口腔内を這っていく。ぬるぬるとした感覚があり、気持ちがいい。
 目を細めていけば、大吾の瞳と目が合う。それはきらきらと輝いており、まるで一つ一つの雨粒を重ねたもののようだった。綺麗だ。大吾の中では、やはりまだ外は雨が降っているのだろう。なので自身の中でも現在の外の天候は雨とすることにした。これで大吾と思考が一つ同じになった。なので次は体を一つ同じにするのだ。
「ん、ふっ、ん……ん……はぁ、はぁ、みね……すき、すき……ずっと、おまえと、こうして、いたい……ずっと、こうしたい……」
 言葉を繰り返しながら大吾が背中に手を伸ばし、荒い動作で擦る。ちょうど、背中の麒麟の体に触れたことなのだろう。自身の体と同時に、背中の麒麟も愛したいのだろうか。そのような愛しさが止まらない。
「は……はぁ、俺も、です……大吾さん、まだ、雨は降っています。まだ、俺と雨宿りはできますよ」
「あぁ、そうだな……」
 柔らかい笑みを浮かべた大吾が、そこで誘うように勃起したものを押しつける。早く何とかして欲しいかのように、擦りつけてくる。なのでそれを撫でてから、大吾の皮膚の一つ一つを撫でていく。
「ァ……はぁ、あ……みね、ちんこ、もういっかい、ほしい……」
「俺も、早く大吾さんの中で、イきたい……」
 出す吐息には、かなりの熱が籠もっているかのように思えた。それは外の雨を、蒸発でもさせてしまうかのような熱さだった。
 大吾の顔はとろけており、それくらいに興奮が感じられる。なので次に大吾の髭を舐めた後に、自身のペニスと股間のものを密着させた。互いにいやらしい汁を垂らしており、重なる度にぬるぬるという安直な音が鳴るかのように思える。
 そこで背中の麒麟を擦っていた手がシーツの上にぼとりと落ちる。
「や、ぁ……! みね、きもちいい……!」
 あまりの気持ち良さにそうしたのだろうか。なので更に擦り合わせていれば、そこで大吾が達する。膨らんだ瞬間を捉えていたので、発射口を手で覆った。手のひらに熱い精液が掛かる。
 それをぬちゅぬちゅと手で絡めていけば、大吾からのものが未だに濃いことが分かった。それが分かれば、もう一度腹の中を貫いてしまおうか。そう思いながら大吾の体を抱き締めた後に、体勢を変える。四つん這いにさせた。
「っふう、ふぅ……大吾さん、また、入れても、いいですか?」
「い、いいぜ……峯……こいよ……!」
 尻を突き出した大吾が、誘うように縦や横に小さく振る。それを見れば欲情しない訳がない。なので腰を強く掴んだ後に、入り口にペニスをあてがった。一度入ったそこは、まるで久しぶりかのように収縮を繰り返している。何度も見ているというのに、凝視してしまう。やはりいやらしい。
 ペニスの先端をくっつければ、ぬちゅりと粘液の音がした。これからまた大吾と繋がれるとなると、昂ぶって仕方ない。鼻息を荒くしながら、ペニスを挿入していく。それは膣のように、スムーズに入っていった。
「ぅ! うん……ぁ、あ……ぁ、ん……みね……!」
 大吾が振り向くのと同時に、背中にのし掛かった。肩甲骨に舌を這わせた後に、うなじをぺろりと舐める。粒の汗をかいているのか、甘い味がした。それはどのような果実よりも、甘く感じられた。
「はぁ……あ、ア……ん、ん……きもちいい……みね、奥まで、きて……」
 そう言いながら、大吾の体がシーツに沈む。
「はい、大吾さん……!」
 力強く返事した後に、ペニスで腹の中を抉っていく。それは腹を突き破るように、ペニスを上に向かせる。粘膜が阻止しようと絡み付くのだが、その感覚が堪らない。ぎゅうぎゅうと包み込んで来れば、息を何度も何度も上げる。あまりの、気持ち良さに。
「ッう! ぁ、あ……は、はぁ、大吾、さん……! ナカ、気持ちいいです……!」
 うなじに向かってそう言えば、大吾の腹の中がより一層締まる気がした。眉間の皺を深く刻み、そして腰を一層強く掴む。手を離したら、痕でもついてしまうかと思うくらいに。
「ひっ……ぁ、あ……! おっきい……! はあ、ァ……ぁ、あん、ん……ん!」
 また吹き出す汗を舌で舐め取り、そして味わっていく。やはり美味い。
 そうしていれば、いつの間にかペニスが全て入っていた。互いの肌が触れ合い、滑っていけばペニスが先程よりも奥に入る。気が付けば、腹の奥に入っていたのだ。大吾はそこを最中に「子宮」などと呼び、啼いている。
「あ、ァ! しきゅうに、ちんぽ、きたぁ!」
「えぇ……大吾さん、子宮に、来ましたよ。たくさん、種付けしましょうね」
 腰を揺さぶっていき、律動を大きくしていく。その動きはまるで交尾をしている獣のようで、人間性が失われていくように思えた。だが良いのだ。大吾相手に、ここまでになれるのだから。
 尻に腰を打ち付けていけば、ぱんぱんと乾いた音が鳴る。それに応じて大吾が嬌声を上げるのだが、何と美しいのかと思えた。大吾特有の白い肌に赤色が帯び、そして甘い汗が浮いている。背中の不動明王まで、汗をかいていた。
「ぅあ、ア……ぁ、あん、ん! はぁ、はぁ、みね、ちんぽ……! ちんぽ……! すきぃ!」
「俺のちんこが好きなんですか? 俺は? 俺はどうなんですか?」
 一旦腰を引かせるのだが、ペニスの先端が見えるまでである。そこで大吾が振り向き、不満げにこちらを見た。ここで終わる筈がない。そう言うように、腰を素早く叩き付けた。内臓にまで、このペニスが届くように貫いたのだ。
 再び結合部が形成されていけば、大吾の喉からは単純な音が鳴る。あまりの衝撃に、或いは快楽にそれしか出せなかったのだろう。
「かはッ……! ぁ……あ、みねも、すきぃ!」
「それは、良かったです。俺も、大吾さんが、好きですよ!」
 互いに今更ながらの告白をした後に、結合部から音を鳴らす。腹の奥をドスドスと刺すように、ピストンをしていった。へその辺りからはごぽごぽと異音が聞こえる。内臓を突いているように思えるが、それくらいに大吾の体内に入っている証拠だ。即ち、体で深く繋がっているのだ。
 背中の不動明王をしならせ、そして腰をくねくねと曲げていく。いやらしい。
「ん、んっ、ぁん……! みね、みね、すき……!」
 何度聞いても素晴らしい言葉だ。大吾からの好きという言葉は、それくらいに甘美なのだ。唇の端を大きく上げながら、しっとりと汗を浮かせている不動明王にキスを落としていく。
 そして大吾の中では、今はどのような雨が降っているのだろうか。この汗のように、繊細な粒を作るような雨なのだろうか。そう思いながら、汗を舌で舐め取ったりもした。やはり甘い。
 ぱんぱんと乾いた痛々しい音を鳴らしていけば、下半身に凄まじい量の血液が集まっていくのが分かる。もうじき、達するのだろうか。そう思えばペニスが膨らんでいくのが分かり、大吾のねじれる背中に話しかける。
「ふ、ふッ、ふぅ! 大吾さん、もう、俺、イきます……!」
「ぁ、あ! みね、だして! おれの、子宮に、だして!」
 求められたら出すしかない。そう思ってピストンを早めていった。そこで込み上げてきたので腰の動きを止めれば、大吾の腹の中に射精をしていった。濃い精液を、どんどん流していく。
 中に出されたからなのか、大吾は喘ぎながら全身を痙攣させた。かなり気持ちが良いらしく、嬉しくなった。ぐりぐりと腰を押しつけながら、確実に孕ませるように精液をひたすらに注いでいく。
 そこで、大吾の中では雨が止んだのだろうか。そう思いながらペニスを抜けば、もう萎えている。大吾の体を持ち上げてから仰向けにさせれば、白い肌に白濁液が大量に散っている。そしてものはもう萎えていた。
「大吾さん……」
 挿入でここまで果ててくれたのかと、喜びが湧いた。なのでその体を抱き締めてからキスをするのだが、唇を離したところで大吾が僅かに口を開く。
「ぁ……雨……まだ、降ってるから……だから、あまやどりは、まだ……」
 まだ一緒に居たいらしい。気持ちは分かる。なので「そうですね」と返事した後に外の音を聞いた。雨が、再び降っているようだ。
 少し驚きながらも大吾の顔を見れば、笑みを浮かべていた。それはかなり穏やかな笑みで、まるで幸せそうである。
「みね、くっついてくれ……雨の音が、きこえないくらいに、くっついてくれ……」
「はい……」
 互いの息はまだ荒い。そこで大吾が何かを思いついたらしい。激しい息切れの中で、それを話していった。
「……おまえ、傘をわすれたのは、わざとか?」
「よく、分かりましたね。そうです」
 大吾はそれでも怒らず、寧ろ小さな笑みを浮かべてくれていた。自身と体を重ねることが、余程に好きらしく。
「お前らしいな……それで、このあとは、どうする?」
 次第に大吾の息が整っていくのだが、このまま部屋を出るには無理がある。なのでいっそのこと、ここで一晩過ごそうと提案した。少し考えた大吾であるのだが、すぐに納得してくれる。なので携帯電話を探すジェスチャーをすれば、まずは自身が起き上がった。着ていたスーツは、入り口に落ちたままだからだ。
 ティッシュで体を拭いた後に入り口に向かえば、スーツを拾い上げた。それぞれの物は分かっているので、分けてから大吾に丁寧に渡す。
「シャワー浴びてぇな……」
「分かりました。立てますか?」
 既に自身は冷戦になっている。いわゆる賢者タイムを迎えているのだが、大吾の顔は未だに火照っていた。中に出した精液を掻き出せば、また性欲が復活するのだろう。その時は、初めの通りに口で咥えて果てさせたいと思った。
「あぁ、立てるが……」
 大吾が起き上がれば、尻からは精液が垂れる。卑猥だと思いながらも、大吾を支えてシャワーを浴びた。すると案の定、尻から精液を掻き出せば性欲が復活する。足を震わせた後に、大吾は浴室の床に体を崩す。
「峯……」
 湯を浴びたので汗などは流した。その濡れた体を見ながら頷き、そして大吾のものを口で咥える。我慢汁が出てきた後に、すぐに達したようだ。薄い精液が口腔内に入るが、ごくりと飲み込む。尿の匂いが、少ししていた。
「ッはぁ、はぁ……みね、気持ちよかった……みね……」
「俺もです」
 返事をしながら大吾とまたしてもキスをしていく。そして夜が明けるまでは雨がずっと降り続くだろう。このまま、大吾と肌を重ねられることができるだろう。そう思いながらまたしても湯を浴び、抱き合っていた。

 翌朝、雨はすっかりと止んでいた。窓を見た大吾が、悲しげな顔をする。
 今は全裸であるのだが、少し寒そうにしている。空調が効きすぎているせいなのかもしれない。肌を寄せ合った。
「雨、止んじまったな……」
 まるでしばらく会えないかのような口調であるが、今は梅雨である。また雨が降るだろうし、また会える。なので首を横に振った。
「また、雨宿りしましょう大吾さん。ねぇ……」
 支度をして、堂島大吾として外を歩かせなければならない。自身も同様だ。幸せな時間はすぐに過ぎてしまうが、また作ることはできる。そう思いながら、大吾と共に部屋を出る支度をした。
 部屋から出る前に、手を繋いでから一度キスをする。
「峯、好きだよ」
「俺も好きです」
 告白をし合うのだが、大吾に対して好きと何度言ったのか分からない。会う度に好きだと言っているのだ。もはや数え切れないと思いながら体を離し、そして部屋を出た。その頃には、二人の手は離れていた。しかし、それでもまたすぐに繋がるのだが。