二人は小さな度を定期的に行っていた。金や時間に余裕があるのだが、一番の理由は慶喜の人生を満たす為だ。これまで江戸の城にずっと居なければならず、外をあまり見たことが無い。言わば、普通の人のような価値観がないのだ。
なので土方は頻繁に旅に連れて行っていた。今回の行き先は大阪であり、京都から近い。一日歩けば、すぐに到着した。大阪の街は、昼間ということもあるがかなり賑わっている。京都は勿論、江戸にもない景色だ。
「さすが天下の台所だな。飯が美味そうな店がたくさんある」
「私からはぐれないで下さい。迷子に……なりますよ!」
慶喜が周囲の様々な店を見ては、風に吹かれたように寄せられていく。その慶喜の手を引いて防ぐことに必死であった。次第に土方は周囲を見れなくなる。時折に人にぶつかっては謝っていた。
そういえば行き先を決めていない。ただ漠然と、大阪へと歩いて行こうと慶喜と話しただけだ。このまま人や店で賑わう大阪の街を歩くだけでいいのだろうか。しかしこの人混みでは、土方の中で不快感が増す。
「大阪の地理には詳しくはない……だが、京ならば……」
「ん? どうした?」
「いえ、何でも……それより、どこに行きましょうか。どこかの甘味処で、休憩でもしますか?」
甘味処など、この街で探せば幾らでもある。なのでそう提案すれば、慶喜が賛成してくれた。
「いいな! 甘味処か……あそこにしよう!」
すぐに目に入った甘味処を慶喜が指差せば、土方は共にそこに向かう。
まずは人の波から出ることからだが、人がまるで障害物かのように立ちはだかるかのようだ。ただ、人々はそれぞれの目的地へ歩いているだけなのに。
二人は苦労して人の波を抜ければ、すぐに目的の甘味処へと到着した。店は小屋のような大きさをしており、座れる席は少ない。ただ、運が良かったのか二人分の席がちょうど空いていた。長椅子一つとなるが、それだけでも充分だ。二人は店員に案内されて座ると、みたらし団子を二本と茶を頼んだ。
「ここは……茶専門店のようですね」
店内を見渡せば、茶の入った容器が収納してある棚をよく見かけた。和紙には産地が書いてあるが、その中でも見ない地名があった。印度、とある。
「印度……?」
首を傾げながら地名を呟けば、隣なので当然のように聞こえていた慶喜が反応する。
「あぁ、あれはインド、と呼んでな、茶と言っても、外国の茶らしい。紅色をしているらしいが、後で飲んでみるか?」
外国の茶、そう聞いた土方は眉間に皺を寄せる。外国という言葉に警戒してしまうのは、この国の気質もあるが自身の性格もあるのかもしれない。
思えば斉藤一、いや坂本龍馬は刀の他に銃という武器を持っていた。自身は刀の方が馴染みがあり、銃というものを使う気は無い。今でもそうだが、このままでいいのだろうか。この国を変えなければならないことは分かっているが、残念ながら変える立場にはない。
「いえ……」
「何でだよ、飲んでみようぜ」
慶喜が軽く言う。「飲んでみよう」と。それを聞いた土方の中で、何かが溶けたような気がした。多分、自身の中にあった警戒心という名の氷の塊なのだろう。それが慶喜のたった一言で溶かされてしまうとは。土方は慶喜の放つ言葉の力に、恐ろしさに若干震えた。
「わ、分かりました……」
やはり自身も普通の人間であるので、未知のものには恐怖心がある。だが慶喜と共にであれば大丈夫だろう。そう思えてくると、肩にいつの間にか込めていた力がすっかりと抜けていく。
そうしていると、店員がみたらし団子と茶を持ってきた。土方にとっては馴染みのある形や色をしている。安堵をしながら受け取った。みたらし団子二本が同じ皿に乗っており、茶は見慣れている湯飲みに注がれている。
まずは慶喜に団子を取らせた後に、残りの団子を手に取った。同じ拍子に頬張る。
「あー美味いな、団子は! 特に、歩き疲れた後に沁みる甘さだ!」
「えぇ、そうですね」
慶喜が頬を緩ませながら茶を啜ると、更に緩んでいく。土方にとっては、その表情をしている慶喜を見ることができて幸せであった。勿論、何度も見ているのだが。
「しかし、あのインド、の茶の味は想像できないな。紅色をしているから、甘いのか? 辛いのか?」
「茶ですから、恐らくは甘いのでしょう」
くすくすと笑いながら、慶喜の疑問に答える。そうしている間に、慶喜は団子を完食してしまっていた。早いと思いながら急いで食べようとするが、察してくれた慶喜が「ゆっくりでいい」と言ってくれる。
慶喜が茶を啜っているので、土方は言葉に甘えてゆっくりと食べていく。言う通りに、疲れに沁みる甘さである。思えば、以前の自身としては信じられない動作なのだろう。目上の者の前でゆっくり食べることは勿論、甘味を口に入れることだ。
互いに良い刺激になっているのかもしれない。こうして、土方は慶喜に庶民の生活を教えているのだから。
「ん……? 珍しいな。お前がそんなに笑うなんて」
「笑っている……そうですか?」
気付けば他の客、それも女たちが黄色い声を上げている気がするが、どうしたのだろうか。そう思いながら、土方は団子を食べ終えた。
「ふむ……では、そのいんど? の紅い茶を飲んでみましょうか……」
正直かなり勇気が居る。口にしたこともないし、紅色の茶など想像もできない。なので土方が脳内でインドの茶を想像していると、慶喜が店員にインドの茶を頼んでいた。とうとう来るのかと身構えていたが、提供には時間が掛かるらしい。どこかで安堵をしてしまう。
「俺たちはもう幾らでも待てる身だ。なに……?
紅茶? と言うらしい……? それを、楽しみにしていよう」
「はい」
土方が頷けば、店員が胸を撫で下ろしているように見える。どうやらそのインドの茶、紅茶というのは店員曰くよく遅いと客に怒られるらしい。故にあまり飲む者が居ないのだとか。
だが慶喜はそれを聞いて笑いながら「そんなに遅いのか」と呑気に言う。
「はい……ですので、お客さん、かなり待っていてもらいます。すんません」
店員が頭を下げる。これは相当なのだが、店員に頭を下げられてもこちらは良い気分にならならい。なので頭を上げるように促した後に、紅茶を淹れる為に店員が去った。
「紅茶か……紅を、こうと読むのか。成る程な……」
すると慶喜は新しい言葉を覚えられて嬉しそうだ。土方はその様子が、どうにも子どもに見えて可愛らしいなどと思えてしまう。しかし本人の目でそれを口にしたら、機嫌を損ねてしまう可能性がある。なので土方は何も言わない。
「あっ、お前! さっき俺のことをガキみてぇとか思っただろ!」
「思っていません……ふふっ、いえ、多分、思っていません」
「多分とは何だ!」
頬を膨らませて怒っている姿も子どものようだと思いながら、紅茶の提供を待っていた。
慶喜が紅茶を飲んでの感想は、とにかく不思議な味がするというものであった。土方も同様の意見ではあるが、もう一杯飲む気にはなれない。この不思議な味を、どう捉えていいのか分からないからだ。
だが慶喜はこの味は不思議ながらも気に入ったらしく、もう一杯頼んでいた。一杯提供できれば、追加の分に提供は容易いらしい。なのですぐに慶喜の元にもう一杯差し出される。慶喜は嬉しそうな顔をしながら飲んでいった。
結局は慶喜は紅茶を三杯も飲んだのだが、腹が苦しそうに見える。代金を支払った後に店を出るが、どうやら腹が苦しいらしく真っ直ぐに歩けないらしい。土方は慶喜の体を支える。
「すまんな……」
「いえ……どこかで休みましょう……ですが、この通りは少し雰囲気が違うような……」
しばらく歩くと別の通りに入ったのだが、ここは先程のところとはどうにも雰囲気が違う。何かがおかしい。どこか違和感がある。
土方は考えていると、ようやく答えに辿り着いた。どうやらここは、風俗街のようだった。やけに女が着ている着物が乱れているうえに、視界がどこか煙たい。
「……一旦、戻りましょう。ここはどうにも」
「ここは風俗街だって気付いたからか? いいじゃねぇか。どこかで、休憩でもしようぜ。俺はこんな調子だしな」
「あの……!」
今の気分ではどうにも慶喜の誘いになど乗れない。そう考えた後に手を引こうとするが、一歩遅かった。寧ろ慶喜に手を掴まれ、とある造りの良い長屋に向かっていく。そこは屋根は黒く、壁は所々に金箔が張られているらしい。鈍く光っていた。相当に金の掛かっている建物なのだろう。
入り口には、男が一人立っていた。暇そうにしていたが、二人の存在に気付くなりこちらを見る。
「……二人か?」
「あぁ。金か? ほら」
慶喜は慣れたように男に話しかけてから金を渡すと、長屋で空いている様子の部屋を男が指差す。そこに入ってもいいということらしい。しかし土方は首を振るが、慶喜は言うことを聞かない。
「そこの二枚目、観念しろよ」
すると土方の様子を見かねた男がそう言う。まさか、自身が慶喜に買われたと思われているらしい。いや、そうではない。そうではないと言いたいが、ではどういう関係なのか詮索されるのも嫌である。なので、大人しく慶喜に部屋に連れられた。
部屋に入ると、扉をぴしゃりと慶喜が閉める。
「見た目より良い部屋じゃねぇか」
慶喜は感心をしながら室内を見渡す。ここは部屋が一室あり、畳が敷き詰められている。真ん中には布団が一組敷いてあり、いかにもという雰囲気を醸し出している。
そして部屋の隣には木製の扉がある。開いているのだが、見るからにそこは風呂場であった。案外豪華だと思ってしまっていると、慶喜に壁に詰め寄られていく。じわじわと迫られていき、背中が壁にぶつかる。物理的に、逃げ場などない。
「土方……ほら、やるぞ」
「で、ですが慶喜様……! 私は……!」
「何を躊躇しているんだ」
顔をぐいと近付けられていけば、慶喜の体から先程の紅茶の匂いがよくした。味は不思議であったが、香りは悪くない。そう思っていると、顎を指でぐいと掬われる。首の前側の皮膚がよく伸びた。
「ほら、俺を抱けよ」
「ですが……」
溜め息が聞こえれば、顎を掴まれた後に目が合うように固定されてしまった。慶喜のこの時の目が真っ直ぐであった。今すぐ、そうして欲しいのは本心らしく。
だが土方に「その気」がどうにも起きない。腹を少しでも満たしたせいなのだろうか。慶喜も同様である筈なのだが、まだ腹が減っているのだろうか。
そう考えていると、土方はとあることに気付いた。そういえば、慶喜は紅茶という飲み物をたくさん飲んでいた。それに何が含まれているのか、どのような作用があるのかは分からない。それが興奮の鍵になったのだろうと考える。
「すげぇ、むらむらするんだ、はぁはぁ、お前を見ていると……」
慶喜の言葉により、やはり紅茶に原因があると思った。このまま放っておく程に鬼ではないので、土方は頷いた。仕方は無いが、慶喜と体を重ねる良さは何度も味わっている。慶喜が嫌がることなどないし、と土方は掴まれている手を離すように促した。手はすっかりと引いていく。
「分かりました。分かりましたから……それならば、せっかく湯があることですし、湯を浴びましょう」
小さいものではあるが、風呂場を見る。やはりこのような場所に風呂場があることはかなり珍しい。もしかしたら、金持ち向けの所なのだろうか。では、慶喜は入り口の男にどれくらいの金を渡したのだろうか。
聞いてみたいが、今この空気で聞いても怒られるだけだろう。なので訊ねた後に、慶喜の返事を待つ。
「あぁ、そうだな……行くぞ」
慶喜と共に風呂場を見る。浴槽は男二人でも入れる大きさではあるが、密着して入るしかないのだろう。別に、密着するのが嫌ではない。湯に浸かるのならば、手足を広げたいのだ。しかしそれは街の風呂場に今度行った時にしようと思う。
浴槽に木製のねじのようなものがあるが、それを捻れば湯が木製の筒から出る。二人は「おお」と声を出した。
「溜まるまで待ちきれねぇよ……俺は脱ぐぞ」
「風邪を……分かりました」
風呂場はあまり寒くないとはいえ、充分に冷えている。寒さで体調を崩すことを懸念してしまったが、慶喜はすぐに着物を脱いでいた。早速に露出した下半身を見れば、よく勃起をしている。土方はそれを凝視してしまうと、いつの間にか手が動いていた。手が勝手に、自身の着物を脱いでいくのだ。
「慶喜様……もう……」
「お前もか……ん? これは、姿見か? 風呂場に?」
すると慶喜が体全体を写す姿見を見つけた。このような場所にあるのは珍しい。土方はそれをまじまじと見ていると、鏡越しに慶喜の美しい裸体が写し出される。
まず見えるのが白い肌。これは土方が最も好きなところである。それに男にしては肌がきめ細かく、そして肌触りも舌触りも良い。
「あぁ……見えるか? 俺の体が」
「はい、とてもお綺麗でございます」
鏡越しに見ても、やはり慶喜の体は綺麗だ。このまま、ずっと見ていたいくらいだが指や舌でも堪能したい。なのでまずは指を鎖骨に這わせていく。さらりと指が動いていけば、触れられただけで慶喜が体を震わせた。反応がとても可愛らしい。
「っつ、ぅ……ふぅ、ふぅ、ひじかた……」
「まだですよ」
見れば慶喜は早くも興奮のあまりに目を細め、そしてびくびくと感じてくれているようだ。しかしこのような愛撫など、序の口である。鎖骨から肩に抜けた後に、舌を伸ばす。行き先は、慶喜の首だ。
「慶喜様、好いております……」
「ん、んぅ……俺も」
首につうと舌を滑らせていけば、鏡越しに見える慶喜の下半身が大いに反応していた。手を伸ばしてから下半身に触れると、慶喜の背中が少し反れた。その慶喜の体を、背後から抱き締める。
だがこのまま触れても面白くないと思っていると、傍に棒のようなものが見えた。これは浴槽の部品なのかと思ったが、よくよく見れば部品に適していない形状をしている。なので手に取ってみれば、それは張型であった。それも細長い。
慶喜はそれを物欲しそうに眺めていた。これが欲しいのだろうか。
「ん……まら……」
「慶喜様、これが欲しいのですか? 俺のよりも、そのような粗末なものが欲しいのですか?」
「ん……」
やはりそうか。内心で舌打ちをした後に、張型をぎゅっと握りしめる。それは木製をしており、形状は男性器をよく模している。それが、慶喜は欲しいと言う。
ならばと、張型を慶喜の尻にあてがう。入ることなど、容易なことだろう。数日前に慶喜と体を交わらせたばかりの筈だ。それは確か、旅の前に。
「では慶喜様、入れますよ……」
張型の先端を肉穴にあてがうと、そのまま突き刺すように侵入させていく。思ったよりもここは緩く、張型をどんどん飲み込んでいく。細いのもあり、張型はすんなりと入ってしまっていた。
「っう、う……! はぁ、はぁ、ひじかた、きもちいい……!」
「このようなもので気持ちが良いと言うのですか? では、俺は何もしなくてもいいのでしょうか」
つい苛立ちそう言うが、慶喜は喘ぎながら首を横に振った。更に苛立ちがこみ上げると、張型を抜いては挿入するの繰り返しをしていく。このような細いもので慶喜が満足する訳がないと思いながら。
しかし土方の予想は大きく外れたようで、慶喜がどんどん仰け反っていく。これは果てる前触れであるが、このようなもので果てさせる訳にはいかない。そう思った土方は一度抜いた後に、貫くように刺していく。慶喜の喉から悲鳴が漏れた。
「ひあ! ぁ、っあ! ひじかた、おれ、で、でる……!」
「何がですか、精ですか、そんなもの……」
「しょ、しょうべんが、出ちまうんだよ!」
土方の手が止まり、思考も止まる。今何と言ったか反芻をしようとしたのか、そのところで慶喜が漏らさないように我慢しようとした。だが我慢の力が足りず、下半身から尿を漏らしていく。
しょろしょろと金色の液体が漏れ、そして風呂場の石でできた床の上に降っていく。
「や、やぁ! みないで……! ひじかた、しょうべんをしてるところ、みないで!」
慶喜が粗相をしている姿は、鏡越しでもよく見える。悪くない様だと思い、目を逸らすという選択肢は存在しなかった。慶喜が尿を垂らす姿を、凝視する。それは舐めるように、穴が空くくらいに見るので、慶喜の尿の勢いが強くなった。自身に見られて嬉しいらしい。
「あぁ……慶喜様、そのようなお姿も……もう終わりですが、仕方ないでしょう」
強くなったかと思っていたら、勢いが弱まってから尿の出が止まった。排尿は終わったらしい。
ふと、慶喜の下半身から紅茶のような香りがした。もしや、紅茶で膀胱を刺激されたのか。そう考えると、茶屋で紅茶を何杯も飲んでくれたことに感謝をしたくなった。あのような、慶喜のあられもない姿を見られたのだから。
そこで勃起をした土方だが、わざと慶喜の体に押しつける。我慢汁が、尻や太ももに付着していった。
「ぁ、あ……! はずかしい……!」
顔を赤らめながら顔を沈ませるが、鏡越しでも慶喜の顔をよく見ることができる。なので土方は笑みを浮かべながら桶を取り出してから、浴槽に溜まっていく湯を掬った。
「精も出してもらわなければ」
まだ熱くはないだろう。事前に自身の足元に湯を少し落としてみるが、やはり熱くはない。なのでそれを慶喜の下半身に掛けてやる。紅茶の香りは消えた。
尿などの汚れを流した後に、張型を未だに挿入したまま慶喜の下半身を触る。まずは排尿したばかりの鈴口を指先で突っついた。慶喜は気持ちよさそうに息を漏らす。
「あっ、あ、ん……そこ……だしたばかりだから……」
「俺の前で漏らしてましたからね」
わざとらしくそう言えば、慶喜が否定をしようと振り向こうとする。なので土方は挿入している張型をぐいぐいと動かした。中で張型が動き回ると、それと同じ動きをするように慶喜の体が揺れる。
「っは、あぁ! ぁ、あ! ひじかた、そこ、だめぇ……!」
そこで慶喜の下半身が膨らんできた。次は精を噴き出すのかと思ったのだが、先程のようにまた尿を出して欲しいと思った。あの、慶喜が恥ずかしがる姿が初々しく、そして卑猥に見えるからだ。脳裏に、しっかりと鏡越しでも焼き付けたのだが。
「だめとは? ほら、ここまで感じているじゃないですか」
ぐりぐりと張型を奥まで押し込めば、慶喜の下半身から盛大に精が放たれた。鏡に、白い粘液が付着しては床に垂れていく。
「ぁ……あ……ひじ、かた……!」
「どうしました? 俺のは必要ないのでは?」
張型を未だに持っていれば、慶喜が首を横に振る。そして今度こをと振り向くと、唇を微かに合わせた。慶喜の唇は柔らかかった。そして髭がちくりと当たり、少し痛い。
「ん……やっぱり、おれ、ひじかたのまらが、ほしい……おくまで、おっきいのがほしい……!」
唇が離れた後に、慶喜がそう懇願してきた。見れば瞳は大きく揺れており、涙の膜が張っている。
これは相当らしいと思えると、張型をすぐに抜いてから、自身の勃起したものを取り出す。これは張型と比べものにならないくらいに太く、そして大きい。これを挿れてしまえば、慶喜はどれだけ悦ぶことか。
「はぁ、はぁ、慶喜様……はぁはぁ、は……」
鼻息が荒くなってきた。心臓はばくばくと鳴ってきた。そのような中で、土方は慶喜の下半身を掴んだ状態で性器をあてがう。いつもより血管がよく浮き出ており、相変わらず赤黒い。
それを見た土方は、慶喜の体を固定した。次に慶喜の精液が未だに垂れている鏡を見ながら、こう答える。
「勿論です」
女が見れば愛液を垂らしそうな程に、綺麗な笑みを浮かべる。しかしこれよりも綺麗なのは、やはり慶喜が快楽で狂っている様だ。それを早く見たくて、性器の先端で肉穴を突く。ひくひくと動いたような気がした。
「あ、ぁ……ぁ! ひじかた、はやく、おれの、なかを、ぐちゃぐちゃに、してぇ……!」
慶喜が誘うように体をよじれば、土方は更に性器を押し込んでいく。やはりここは柔らかく、ずぶずぶと入っていった。
「あ、ぁ……! きもちい、っは、はぁ、ぁ……! ひじかたのまら、すき!」
「ほう、俺のがですか? 俺じゃなくて?」
耳元で話しかけた後に耳たぶをしゃぶる。そうしていると、唾液がよく分泌された。なのでわざと唾液の音をじゅるじゅると立ててみれば、慶喜の中がよく締まる。音を聞いて興奮しているのだろう。
鏡を見れば、慶喜は恍惚の表情をしていた。
「っは、はぁ、ぁ……ひじかた、も、すき……! だから、たくさん、だして……?」
慶喜の口調が、あまりにも幼稚でいてなお可愛らしい。これは自身が射精しない訳がないと、性器を大きく膨らませた。
「あ、あっ! まらが、おっきい……!」
「はぁはぁ、出しますよ! っぐ! 中がせまくなって……う、あぁ……!」
射精する直前に慶喜の中が狭くなっていた。鏡を見れば、またしても精液をまき散らしている。もしや性器を挿入されただけで果てたかと思うと、土方は嬉しくなる。その勢いで射精をした。慶喜の腹の中に、しっかりと熱い精液が注がれていく。
「っは、はぁ……慶喜様……」
出し切った後に引き抜くが、まだ自身の性器は物足りないようだ。慶喜も同じらしいが、腰が上手く立たないらしい。膝から崩れ落ちた後に、土方は屈む。
「慶喜様、続きは布団の上でしましょうか……」
そう言いながら慶喜の体を支えると、体に湯を軽く流してから風呂場を出た。
部屋に入るが、二人は布団に直行した。既に服は脱いであるのでそのまま倒れるように寝そべれば、慶喜の体の上に覆い被さる。
「ひじかた、おれ……」
「分かっています……あぁ……貴方の体は、滑らかで美しい……まるで繊細な絹のようだ。そしてそのような貴方が愛しい」
褒め言葉も全て本心である。本当に、慶喜のことをそう思えるのだ。だが慶喜は聞いてて恥ずかしくなったのか、眉を下げながら顔を背けようとした。そのような慶喜の顎に指を添える。髭でざらざらとしている。
「やめろよ……そこまでは……」
次に首を横に振ろうとしたが、止めた様子の慶喜が手を伸ばす。そして物欲しそうに、背中に手を回してくれた。
その瞬間に土方は慶喜の唇を捕らえた。唇同士で合わさると、慶喜の口から舌が伸びる。唾液をよく分泌しているからか、慶喜の顎から自身の指に垂れていく。
「んっ……ん、んっ、ん……!」
舌でそれを迎え入れると、慶喜のものと絡める。唾液によりぬるぬると絡み、時折にぴちゃぴちゃと音がした。まるで舐め合うように舌が動くが、次第に鼻でも息ができなくなる。唇を離そうとすれば、慶喜の舌がぬろりと伸びた。まだ、舌同士を絡めていたいらしく。
「はぁはぁ、ひじかた、はやく、ひじかたのまらで、たくさん気持ち、よくなりたい……」
慶喜が囁きながら言うが、恥じらいなどない。そして当たり前かのように、ねだってきてくれる様子が可愛らしい。
自身の指に垂れた唾液に気が付くと、それを猫のようにぺろぺろと舐め取る。誘う仕草でもしてくれているのか。
「分かりましたから……」
勿論、慶喜の中の気持ち良さは知っている。先程も味わったが、やはり今まで経験した中で一番良い。もはや、慶喜を抱かないと生きていけないくらいにだ。
逆もまた然りと信じているが、それでも土方の中で少しの躊躇が生まれる。性欲発散の為に慶喜を抱いているのではないのかと。これは思ったことがなかったのだが、つい先程気が付いてしまった。慶喜が誘ってくれても尚、本当に求められているのか分からないのだ。
「ひじかた……?」
すると慶喜が首を傾げたのだが、これは返事をしないせいなのだろう。なので急いで返事を考えるが、何も浮かばない。
「土方、だいじょうぶだ……おれは、お前のことが、好きだ……」
体をぎゅっと抱き締めてくれた。思わず土方は泣きそうになったが、今は泣くべきではない。唇を合わせて誤魔化していると、慶喜が背中を擦ってくれた。手つきはとても優しい。
何度か擦られると、慶喜が足を開いた。そして未だに勃起しているものを、ずるずると体に押しつけてくる。ものはやはり硬く、そして我慢汁がよく垂れていた。
「っは、はぁ、ひじかた、俺、もうがまんできない! はやく、はや……っう、ぁ……!」
すると慶喜が手を離し、自らの胸に手を這わせた。指の行き先は勿論、乳頭である。そこを自身に見せつけるように、ぎゅうぎゅうと摘まんで見せるのだ。土方は慶喜のそのような手慰みを観察してしまう。
「ぁ、あ……ひじかた……はっ、みられてる……っ、う、う、ぁあ……!」
慶喜の乳頭がぐいぐいと伸びる。時折に指を離せばぶるんと揺れ、とても美味そうに思えてくる。そして再度指で摘まみ上げたかと思うと、そのまま押し潰す動作もしていた。乳頭が胸に沈んでいく姿は、何とも厭らしい。慶喜のものなので余計にそう思えた。
そして表情はとても気持ちよさそうだ。自身が抱いている時は顔が溶けているように見えるが、こちらは憂いを含めた顔をしている。官能的だ。
「あ、ぁ……! 土方に、見られながらでる! でちゃう! ぁ、う……っは、はぁはぁ、ぁ、あっ!」
慶喜は自身に手慰みを見られながら達した。口を半開きにしており、悦に浸りながら下半身から精を放つ。それは土方の腹などに飛んでくるが、すぐに慶喜の腹の上に落ちていく。ぽたぽたと音がした。
「分かりました……ですから……」
膝立ちをした後に、慶喜の腹に顔を近付けた。先程の精液を見てからぺろりと舐めるが、どこか紅茶の味がした。いつもとは違う味に、土方は満遍なく精液を舐め取っていく。
慶喜は擽ったそうにしており、腹をよく揺らしていた。しかし引き締まっているので、腹に飛び散った精液が垂れ落ちそうになる。土方は急いでそれを吸い上げた。
「っひ……! は、っは、はぁ……ひじかた、うまいか?」
「はい」
吸い終えたが、まだあの味を舌で感じていたいと思えた。慶喜の股間を見れば、下半身はもうじき柔らかくなってしまいそうだ。仕方が無いと、土方は慶喜の腰を持ち上げる。
すぐに、膣のように割れている蕾を見た。収縮を繰り返しており、早くここに土方のものを欲しがっている様子だ。待つことができなくなったのか、腸液のようなものが垂れている。土方はそのような卑猥な慶喜の体を見て、ごくりと喉を鳴らしながら自身の魔羅をあてがう。我慢汁でよくぬるついていた。
「慶喜様、挿れますよ……」
「んんぅ、ぅ……ひじかた、きて……!」
柔らかな笑みを浮かべながら慶喜がそう言ってくれるので、土方は勢いよく魔羅を打ち付けた。先程も挿入をしていたので、慣らす必要などない。ぬるりと入っていく。
互いの肌が密着した瞬間に、ぱちゅんと破裂したような音が鳴る。これは、二人の肌がぶつかり合った音だ。肌が衝撃で揺れたと思うと、慶喜からは悲鳴が上がる。これは悦びだ。
「ぁ、あ! はぁ、はっ……きた、ひじかたのが、きた! ぁ、あぁっ!」
挿入した瞬間に慶喜の下半身が射精をしてしまい、直後に萎える。かなりの締め付けがあり土方も達しそうになっていたが、自身まで達してしまっては駄目だろう。そいう思いながら射精を耐え、慶喜の逞しい腰を掴む。
その際に手触りが良いと思えた。指を何度も動かしていけば、そこも性感帯となりつつあるのか慶喜が小さな嬌声を漏らす。
「あっ……はぁ、は……んん、んっ、はぁはぁ……ひじかた、もっと、ちょうだい……!」
「勿論です」
返事の後に腰をゆらゆらと揺らせば、慶喜の喉からは喘ぎしか聞こえない。そしてすぐに視点が合わなくなったのか、どこかを見ながら口角を大きく上げていく。整えられた髪は乱れ、年齢よりも幼く見える。鍛えられた体からはしっとりと汗が出始め、さらりと指に付着していった。その光景が、どうにも厭らしい。
膝の間を割り、胸に顔を近付ける。そういえば今日はまだ可愛がっていないと、唇を寄せた。乳頭は先程慶喜が自ら弄ったばかりである。よく腫れており、僅かに赤みを帯びていた。果実のようだ。それを口に含み、舌で責める。
そして歯で軽く噛めば、母乳でも出て来そうなくらいに乳頭が大きくなっている。更に歯を立てれば、慶喜の背中が浮く。しかしこのままここだけを責めていてはつまらないと、唇を離した。慶喜の乳頭周辺に、自身の唾液が付着する。
「ぁ、ん、ん……! はぁ、ぁ、っは……は、ぁ! あ、あっ、あ!」
人の体だけではなく心まで奪うことは、どうしてこんなにも素晴らしいことなのだろうか。土方はそう思いながら、腰を揺らしていく。
慶喜を見れば、次第に口が開いていき唾液を漏らしている。まるでそれが、綺麗な雨垂れのように見えた。それを掬いたかったが、今は腰を掴んでいるのでそのような暇はない。歯を食いしばる。
そして瞳からは涙が落ちてきて、どこもかしこも濡れていた。そのような慶喜の体から水気を舐め取るように、まずは膝を舐めた。慶喜の体がぶるりと震える。
「っ!? は、はぁはぁ……ひじかた、おれ……もっとおくに、ほしい……!」
驚いた表情を見せるものの、慶喜が求める快楽はどんどん大きくなっていった。終いには奥に欲しいと言うので頷くと、腰をゆるゆると引かせる。
奥に辿り着くには、相当な力を込めなければならない。そうとなると、体勢を変えなければならない。完全に魔羅を引き抜いてから、慶喜の体を持ち上げた。重いが膝立ちにさせた後に、土方hが座ってからその上にそっと降ろしていく。
背中に手を回してから体を支えると、魔羅の先端に肉の蕾を再びあてがう。吸い付くように、先端に密着していった。
「っはぁ……は……はいる……まらが、はいる……!」
慶喜の腰をすとんと降ろすと、同時に肉の蕾に魔羅が突き刺さっていく。慶喜はまたしても悲鳴を上げた後に、ぐったりとこちらにもたれかかった。流石に成人男性を抱えることはできないので、そのまま背中から布団に落ちていく。今度は慶喜が土方の体の上に覆い被さった。
その衝撃もあったのだろう。慶喜の望む通りに、魔羅がどんどん腹の中を通っていく。先程まで通っていた箇所など容易く過ぎた後に、ごぽりと粘膜が動くような異音が聞こえる。腹の奥まで入ったのだろう。慶喜の目が見開いた後に、涙をぼとぼとと落とす。
「はぁ、あ……! ぁ、ぉ……!? おぉっ!?」
「っぐ……! 入り、ましたよ……!」
背中から尻に手を移動させた後に、やんわりと撫でる。良い形をしているので、何度も撫でたくなってきた。しかし今はそのようなことをしている場合ではないと、尻と腰の間を掴んで慶喜の体を固定した。ずれることがないようにと。
「っは、はぁ……慶喜様、動き……ますよ?」
「うごいて……! ひじか……うぁ!? ぁ、あ!」
やはり腹の奥はとてつもない締め付けだった。これは、魔羅がちぎれてしまうのではないかと思うくらいに。
そして腸壁が蠢き、精液を必死に吸い上げようとするような動きを感じられた。自身の魔羅をかたどろうとしているのか、動きは激しい。
魔羅にかなりの圧迫感が感じられた後に、情けなくもそこで達してしまう。腹の奥に製を注ぐが、慶喜はそれだけでは足りないらしい。体を揺らし、そして快楽を求めていく。土方はそれに応じた。腰を揺らし、徐々に大きくしていく。
「ぁ、あ、あ、あ! きもちい! ひじかた、そこぉ! はあ、は……ぉ、お! お!」
まるで魔羅で内側から皮膚を突き破るように激しく突いていけば、慶喜の体が痙攣していく。そして魔羅が中の精液をかき混ぜるように動いていくので、ぐぽぐぽと奇妙な水音が聞こえた。慶喜の美しい顔や体は体液に塗れ、酷い姿をしている。だがそれが良い。それこそが、体の交わりなのだ。
そこで土方の中で興奮が最高潮を迎えようとする。魔羅は膨らみ、そして相変わらず慶喜の中は狭い。そのような中で魔羅を粘膜に擦りつけていくと、大きな射精感がこみ上げた。なので本能のままに射精をすれば、慶喜が悦びに満ちた悲鳴を吐き出す。その際に唾液がよく垂れていた。
「ぁ……ぁあ! っあぁっ……!」
どくどくと精液を吐き出せば、慶喜が嬉しそうに体にしがみつく。背中に手を回されたが、指が皮膚に食い込んでいた。まるで放つ精を体全体で受け止めるように。
「っふぅ……! ふう、ふう……!」
精を放ち終えると、そこで萎えた。出し切ったのだろう。慶喜の腹を見れば、自身の魔羅と吐き出した精液で不自然に膨らんでいる。その普通ではない姿が、どうにも見応えがあった。
「たくさん、だしたな……」
下がらない口角をしながら慶喜が言うと、土方は頷いてから唇を合わせた。しかし慶喜の唇は震えており、体力に底が見えているのだろう。今すぐに魔羅を引き抜きたいが、この時が最高に幸せである。故にまだ体を離せずにいた。
「ひじかた、すき……」
「俺もです、好きです」
睦言を言い合うが、やはり幸せは大きくなる一方だ。そのような中で、ふと慶喜の体が震える。やはり疲労により限界が来ているらしい。仕方なく、土方は萎えた魔羅を引き抜く。
「……っあぁ!」
すると慶喜の下半身から無色透明の液体が飛び出た。潮を噴いたのだと思っていると、どこか紅茶の香りがする。なので土方はそれを熱心に嗅いでしまう。
「やめ……ひじかた、はずかし……」
「ですが、貴方のものは全ていい匂いだ……」
このままでは、酒よりも紅茶が好きになってしまいそうだ。そう思いながらどうにか嗅ぐことを止めた後に、慶喜の体を持ち上げる。体を綺麗にしなければならない。
「少し、我慢をして下さい」
「ん……」
甘えるように慶喜が寄り添ってくれると、やはりどこか紅茶の匂いが感じられる。
体を綺麗にするまで続き、それからは慶喜の香りがした。どこか、甘い香りだ。
体を綺麗にした後に布団にようやく横になるが、その頃にようやく日が暮れていた。もう眠るか否かを、布団の中で二人でくっつきながら話していて。