自身の処遇について、肯定する者と否定する者が居た。
それはザビ家の危機を救った代償として、シャアは行方不明の身となってしまっていた。本来ならば、ザビ家に対して復讐する身ではある。自身としては、ひたすらに光る夢を見ていたようなものであるが、光景を遠くから見た者でも光に包まれていたと話す。シャアは何度同じ質問をされても、そう答えることしかできない。因みにあの光の現象のことは、後に「ゼクノヴァ」と呼ばれているらしい。
そんな自身はいつの間にか六年も経過していた時代に放り出される。運良くジオン公国軍のモビルスーツに発見されて救出された。外見や搭乗しているモビルスーツによって自身の存在を認識してくれたのだが、そういえば素顔をシャリア以外には見せていない。見せてもいいのだろうかと思いながら最寄りのコロニーに降りる。
「大佐!」
軍の施設に入ったところでモビルスーツから降りれば、聞き覚えのある声が聞こえた。デッキにそれが響く。
「シャリア……?」
呟いたところでジオン公国軍のモビルスーツから人が降りた後に、聞き覚えのある方向に向けて敬礼をする。そこでシャリアの気配がした。シャアはその方向へと走って向かって行く。
「シャリア!」
姿を現したのだが、以前のようなシャリアの雰囲気があまり感じられない。僅かに面影はあるものの、まるで別人であった。しかし人間とは、六年も経過していれば別人にも生まれ変わることなどできるだろう。
シャアの知っているシャリアの姿は、まずは片目が前髪で隠れていることだ。折角の端正な顔をそうしておくのは勿体無いと思ったのだが、周囲の者に奪われたくはない。なのであまり言わないでおいていると、六年経過すればシャリアの魅力を引き出すような髪型をしていた。上品に前髪を流し、服装はあまり戦線に向かわないのか小綺麗な格好をしている。もしや、自身よりも階級が上になったのか。成長をしたと思っていると、シャリアが口を開く冷静であった。
「私は貴方よりも下ですよ。私は中佐です、大佐……それより、お久しぶりでございます。大佐、ご無事で何よりです……あぁ、生きていて下さっていたなんて……!」
シャリアはかなり感動している口調だが、死んでいたと思われていたらしい。当たり前か、国が必死に捜索をしたが見つからなかったように感じるからだ。
「積もる話はありますが、私に着いて来て下さいませんか。まずは体調の確認の為に、医療施設に一日以上は滞在して貰います。大佐」
「私のことは大佐でなくてもいい。もう、ただの普通の男の筈だ。ジオン公国軍から見たらそうだ。どの人間からしても……」
シャリアから反論の意思を感じた。なのでそれを封じようとしていると、軍の医療施設の者が到着したようだ。二人ほど男が来たが、どちらもよれよれの白衣を着ていた。少し疲れた顔だってしていた。するとこちらを見るなり「やはり本物……!?」と驚いている。どうやら、六年後の世界では自身は有名だとしか思えない。
だがそのようなことはどうでもいい。それよりも、と思っていたが医療施設で検査を受ける方が先だと冷静に思えた。シャリアだって、まずは自身の健康を案じてくれていることだろう。なので医療施設の者が乗ってきた小さな車に乗る。白い塗装で、運転席の中央にジオン公国軍の紋章がある。昔と変わらない。
シャリアも着いてきた。そういえば着いてきて欲しいと言っていた。思い出していると、車が発進すると、小さく車内が揺れた。しかし六年も経過していれば、技術は格段に上昇しているだろう。六年前と違う技術の差に驚いていると、あっという間に到着した。車窓からの景色を楽しみたかったのだが、どうやら先程の施設と医療施設は同じ敷地内にあるらしい。シャアが溜め息をついていると、シャリアが降りてから、ドアを開けてくれた。
「さぁ、大佐」
「あぁ」
車から出るが、そこには立派な建物があった。十階以上はありそうだ。まるで総合病院のようだが、やはり軍の施設だからなのだろう。見上げていると、シャリアが入って欲しいと促す。大きなエントランスに入った。
「大丈夫です。身の安全は私が保証します」
シャリアが真剣にそう言ってくれる。しかしシャアは、シャリアがそこに居る時点で安全だと思っていた。なので「頼りにしているぞ」と言えば、シャリアが喜ぶような顔をする。そこでシャアはシャリアとの最中の顔を思い出してしまい、にやにやと笑う。
「……行きましょう」
気付いたらしいシャリアが咳払いをしながら、医療施設のエレベーターに乗った。
仮面はもう必要ないだろう。外した後に差し出された、簡単な仕組みの患者服に着替えさせられる。そして様々な検査を受けたが、どこにも異常がない。通常の健康状態であるが、一日でもこの施設で安静にして欲しいらしい。シャリアがそう言うので、シャアは頷いた。
病室に案内されると、シャアはベッドの縁に座った。勿論、シャリアが着いて来てくれたのだが、今は二人きりだ。
「大佐……!」
そこで鉄仮面でも外したかのように、シャリアは顔を歪めた。見れば泣きかけているのが分かる。そしてこちらにぐいと距離を詰めてくると、そのまま抱き締められた。
「大佐……!」
「シャリア、泣いてくれるのは嬉しいのだが、抱擁の他にすることは無いのかね?」
つまり接吻をしろ、そう思っていると気付いてくれたようだ。シャリアが顔を近付けた後に、そっと唇を合わせてくれる。
「大佐、大佐……!」
「ありがとう、シャリア。だが……そろそろ部下が来るぞ? 恐らくは、私の処遇について考えなければならないのでは?」
そう言えば、シャリアはハッとなって体を離す。とても名残惜しげであるが、自身も同じ思いだ。だがそれを言い合うのは、後にでもゆっくりできる筈だ。これは、自身の勘でしかないのだが。
「そうでした……! たい……」
「失礼します! お取り込み中のところを申し訳ありません! シャリア中佐! 総帥がお呼びです!」
「分かった」
自身の予感通りにシャリアの部下が入って来た。少し気まずそうではあったが、今はキスをしていないし、抱擁もしていない。なのでシャリアの名を汚すようなことはしていないと安堵をすると。シャリアが「では、大佐」と行って部下と共に病室を出た。
一日経過した頃に、シャリアが病室を訊ねて来た。ここに入ってから暇をしていたので、丁度良いとも言える。ベッドの上で横になっていたのだが、起き上がってから縁に座った。シャリアは敬礼をしてくれた。
するとシャリアから話をしてくれる。聞けば、やはり自身の処遇について、肯定する者と否定する者に分かれているらしい。そして現在のジオン公国軍の立場について話してくれる。あれから、連邦軍は停戦を求めてきたらしい。自身が、ザビ家をやはり救ってしまったのだ。
まずは前者は、自身は最強のニュータイプだと思われているらしい。どうせシャリアが「自身よりも強い。何よりも階級がそれを表している」とでも意見したのだろう。なので軍人として復帰し、そして活躍をして欲しいらしい。
そして後者だが、ニュータイプはシャリア以上となると存在を危険視する者が居た。これは国家を揺らぎかねないことであるが、自身がザビ家へ復讐しようとしたことは、後に知られていたのこと。それを知った否定派が、根拠にしていた。
「大佐、私は是非とも、復帰して、また私と組んで頂きたいのですが……」
シャリアがそう言ってくる。嬉しいのだが、自身を否定する者が居れば、どこかで隠居でもしたいと思った。だがシャリアがそれを認めてはくれないだろう。彼は復帰を望んでいるのだから。
「いや、私はここで身を引かせて貰いたい。少し、休む時間が欲しい」
「そうですか……ですがしばらくは、私の監視下に入って貰うように命令を受けました。宜しいですか?」
「君の監視下ならば安心だ。是非」
息を吸ってから吐けば、シャリアがこちらの様子を窺う。どうやら、何かを期待しているような目をしている。だがそれをシャアは分かったような気がした。立ち上がってから、シャリアの顎を捉える。
「今日のキスが、まだだ」
「……お戯れを」
見たところではシャリアは嫌がっていない。なのでそのまま唇を奪えば、シャリアの頬が赤く染まる。そしてこちらを見るが、直後に瞳を伏せてしまった。その顔がそそられる、そう思いながらシャアは言葉を続ける。
「君の監視下に居なければならない。だが私はここを出たい」
「分かりました。お待ちを」
シャリアが板のような端末を取り出すと、何かを話し始めた。誰かと通話をしているのだろう。だが交わされているであろう会話の数は少なく、すぐに通話は終わってしまった。
「大佐、出られます。ですが患者服のまま街中でも行くのはどうかと思うので、軍が服を支給してくれるそうです」
「あぁ」
二人で話していれば、すぐに部下が入ってきた。緊張した面持ちでこちらを見ていく。どうやら自身のような有名人と中佐が居る空間が、どうにもぎこちなくなってしまうらしい。紙袋を渡されるが、そこにはごく普通の白いシャツと黒いスラックスが入っている。渡し終えた部下はすぐに病室を出た。自動の扉が閉まる。再び二人きりになった。
「私は外で……」
「待ってくれ、シャリア中佐。もう少し話しておきたいことがある。着替えながらでもいいか?」
「……はい」
シャリアの返事が詰まった。しかし返事をしてくれたので、一旦病室に戻る。そして扉が閉まり二人きりになると、シャアが渡された紙袋を渡す。
「着替えさせてくれないか」
「はい、喜んで」
そう返事をしたシャリアの瞳には、笑みが浮かんでいた。とても嬉しそうだ。
そしてすぐにシャリアの手が伸び、患者服に手を掛けていく。仕組みは簡単であるので、すぐに脱がせられてしまう。半裸になったところで、シャリアが熱い吐息を出しながら話しかけてくる。
「貴方は、変わらず……」
「私以外の人間と、寝ていないだろうな? 君は私のものだ」
そこで今まで出していなかった嫉妬が出るが、シャリアが首を横に振った。自身以外の者に、体を開いてはいないらしい。安堵をしたシャアは「そうか」と短い返事をする。
「大佐……」
まるで偶像を崇拝するようにシャリアが縋ってくるが、今は着替えなければならない。ここを出て、もっと二人きりになれる場所へと行くのだ。ではどこに行くのか。シャリアの私室は与えられているのだろうか。中佐であれば、かなり待遇が良い筈だ。
「……私の、別邸がこのコロニーにあります。そちらへ」
「分かった」
あとはシャリアに着いて行けばいいだろう。シャアは着替えを再開させたいので、シャリアの名を呼ぶ。まだ自身との時間に浸っていたらしく、傍で動こうとはしない。溜め息をついたシャアは、名を呼んで促す。
「シャリア」
「はい、ただいま」
顔をぱっと離した後に、白いシャツを取り出す。それを羽織らせてから、それぞれの腕を袖に通していく。シャリアの喉からは、ごくりと音が鳴った。
「シャリア」
「もうわけ……んんっ!」
唇をキスで塞げば、シャリアは嬉しそうに目を細める。その顔がとてもいやらしいと思えた。そしてその服を脱がせ、早く犯したいとも思えた。だがここは病室だ。完全な秘密性などない。
「っふ、ゥ……ぅ、ん、ん……! はぁ、はぁ……大佐……」
「いいのかね? そのいやらしい顔を、部下に見せるつもりなのかね?」
見ればシャリアの顔は発情しているように見える。これは自身しか見たことがない顔であり、もっと乱れさせることなど容易い。
そのようなシャリアの官能的な姿を自慢したい気持ちと、このまま独占したい気持ちがある。だが独占欲が一方的に勝っている。なので晒したい気持ちはすぐに鎮まった。
「大佐、早く、私の別邸へ……」
次はボタンを留められる。しかし一つ一つの動作に下心があるように見えた。ここで、どうしても抱いて欲しいのか。
ニュータイプ故にそれを密かに探りたかったのだが、どうしてか今のシャリアの心を欠片でも読むことができなかった。少し悔しいが、目的地まで欲を我慢することにした。
そうしていると、全てのボタンをようやく留めることができたらしい。シャリアの手は震えていた。下履きを、凝視している。
「……あとは、私で着替える」
「はい」
言えば簡単に引き下がってくれた。シャアは安堵をしてから、下履きをシャリアの前で脱ぐ。やはり下半身を凝視されているが、今のシャアは勃起などしていない。それを見るや否や、シャリアは目を逸らした。
そうしている間にスラックスを履くが、ベルトが無いようだ。さすがにそれまでは支給されなかったが、スラックスのサイズからしてずり落ちることはない。なので着替えることができたとシャリアに伝える。
「……行きましょう。まずは私の別邸で。大丈夫です。まずは、上司と部下同士で話がしたいと、言ってありますので」
ベッドの上に脱いだ患者服をそっと置くと、シャリアが扉の方を見る。なので共に部屋を出た後に、医療施設を出る。シャリアが歩く先には、一般的な自動車が停めてあった。これも軍が用意したのだろうか。デザインは一般向けで、外から見れば軍の者が乗っているとは分からない。
「助手席に座ろう」
言った通りに助手席に先に座ると、シャリアが残念そうな顔をする。部下なりに、エスコートがしたかったらしい。なので「すまない」と短く謝ると、シャリアが隣の運転席に座った。ボタンを押してエンジンを掛ける。
「別邸までは約二十分を要します」
そう言ったシャリアが、車を発進させた。
ちょうど二十分後に、シャリアの別邸らしき建物に到着した。建物は一階建てだが、一人には丁度良い大きさなのだろう。デザインはやはりこれも一般的なものであった。
ここは閑静な住宅街で、時折に道路には人が歩いている。歩調はとても緩やかだ。シャリアの別邸が、よく馴染んでいる。
「良い場所だな」
「はい、治安が良いですし、静かです。非番の日は、よくここで休んでいます」
駐車場に停めると、車から降りてからシャリアの別邸に入った。しかし建物に入って扉を閉めた瞬間に、二人は強く抱き合う。
「シャリア……!」
「大佐……!」
互いに己の欲を抑えていた反動が露出する。ここは玄関だというのに、シャリアを床に組み敷いた。そしてキスをする。
「ぅ、う、ッふ、ん……ん、んっ……!」
「はぁ、はぁ、すまないが……早くベッルームに案内して貰えるか……?」
興奮のあまりに行動が先に出てしまっていた。シャリアの体を起こすが、その際にシャリアがキスをもう一度とねだってくる。その様子が可愛らしいと思いながら、自身の要求を後回しにした。キスを落としていく。
「はぁ、はぁ、大佐……ベッドルームは、真っ直ぐ向かった突き当たりです……」
玄関から見れば、幾つかに枝分かれした廊下がある。その先に扉があり、ベッドらしき物が見えた。シャアは頷く。
シャリアを柔らかく抱えながら、突き当たりに進む。部屋に入れば、確かにベッドがあった。二人はその上にすぐに横になると、深いキスを交わしていく。まるで磁石のように、離れてもまた密着していった。二人で行うキスは止まらない。
「っふ、ぅ、う……! ふぅ、ふぅ!」
それぞれ服を素早く脱いでいくが、こちらの方が早かった。シャツとスラックスと下着しかないからだ。一方のシャリアは軍服があるので、シャリアがジャケットを脱いだところでシャアは全裸になる。
次第に勃起をしていくと、シャリアの瞳からだらだらと涙が零れる。シャアはキスを止めてから唇を離そうとしたが、シャリアがそれを阻止してきた。愛しい者が泣いているならば、まずは言葉を交わすことが先決だ。このままキスを続けていれば、涙を流すばかりなのだろう。なので無理矢理にシャリアを引き剥がしてから、シャアは訊ねる。
「どうしたシャリア、そこまで私との再会に感動してくれているのか? 嬉しいことだが……」
「それもありますが、また、貴方と離れてしまったことを考えると私は……」
「ならば、二人で亡命でもするか?」
「え?」
一瞬だけ、シャリアの涙が止まったような気がした。それだけ衝撃的な言葉だと窺えるのだが、シャアは発言する前は冗談のつもりであった。しかしシャリアの反応を見ていると、本気になってきた。シャリアと共に、ジオンの目に入らないところへ二人きりになりたいと。
「いえ、私は……」
「私は本気だ。いや、先程本気になったのだが、君にそういう気はないのかね? 私と共にどこかに行こう。私たちは、籠の中の鳥のように、このままジオンの下で死にたくはない」
シャリアの服を脱ぐ手は完全に止まっていた。寧ろ全身が固まってしまっている。顔はまるで信じられないというような雰囲気なので、シャアは現実に戻す為にシャリアが締めているネクタイを緩めた。
「シャリア」
「……駄目、ですか? 一定の安全が保証された状況で、生きるのは……確かに、貴方はザビ家に復讐を企てていた身であることは知っています。私は復讐の心を分からない立場ですが、水に流してしまいましょう。いえ……私が言える立場ではないですが……貴方には、私が居ます。そして今目の前にも居ます」
言い切ったシャリアは目を伏せた。すると述べた事柄に自信が無くなってきたらしい。シャアの知っているような、暗い顔をこちらに見せる。
「君が、目の前に居る……確かにそうだが、私達は一度離れたことがあるのだ。私の存在が、行方知らずになったことがあるのだ。また、そのような目に遭ってもいいのか?」
「いい訳がありません。ですが、貴方と亡命するのは、リスクもありますし……」
「分かった」
一旦この話題は止めにしようと思った。なので緩めていただけのネクタイをしゅるりと抜き取る。そしてシャツのボタンを次々と外していった。黒いシャツの下から、鍛えられていて尚且つ白い肌が見える。
シャアは顔を近付けた後に、べろりと肌に舌を這わせた。頭上からシャリアの小さな呻き声が聞こえる。首元からは僅かに香水のような匂いがするのだが、普段からつけているのだろうか。心地よい甘い香りがするので、何度でも嗅いでしまう。
「良い香水をつけているのだな」
「香水……? 私はつけた覚えはありませんが?」
シャリアの返事により気付いた。この良い香りも正体は、香水ではなくシャリア自身の香りなのだ。いわゆる、フェロモンというものなのだろう。考えていた様子のシャリアの顔が急激に赤くなる。
「あの……つまりは、私の匂いを、良いと……?」
「あぁ、そうなる」
そうとなれば、とシャアはどんどん鼻を肌に押しつける。夢中で嗅いでいけば、シャリアは恥ずかしそうにしていく。その様子が可愛らしく、ずっと匂いを嗅いでいたくなっていた。しかしそのままでいては、肝心の体を繋げる行為ができない。なので鼻を遠ざけてから、シャツのボタンを全て外す。
すぐにシャツを脱がせると、次はベルトを外した後にスラックスをずり下ろす。股間を見れば、しっかりと勃起をしていた。シャアは口角を上げる。
「こんなになっているではないか」
「……貴方を前にしては、こうなるに決まっているでしょう。ずっと、何年も我慢していましたよ私は……!」
シャリアの眉間に皺が刻まれると、自らスラックスを足から抜き、下着をずり下ろした。そしてどうしてなのか体を突き飛ばされると、シャリアが体勢を変える。四つん這いになったのだ。
「貴方を想って、ずっと、ずっと……!」
尻を向けてくるが、見れば穴が縦に割れているのが分かる。見たことのない状態に困惑をしていると、シャリアが尻をずいと近付けてきた。間近で縦に割れている穴を見れば、何とも卑猥だとい思えてくる。凝視していく。
「はぁ、はぁ……私はずっとここを、貴方に可愛がられていると妄想しながら、弄ってきました……はぁはぁ……大佐、早く、大佐の逸物が欲しいです……!」
「……ほう、君はそんなにいやらしい男だったか?」
虐めるかのようにそう聞けば、シャリアが振り返った後に四つん這いをい止める。そしてベッドの上で座った後に、息を切らしながら返事をした。
「勿論です……貴方のせいです……」
よく縦に割れた穴を見れば、頻繁に収縮を繰り返している。それを見ていると、自身の性器を早く挿入したくなった。
だがこの性器には我慢汁が垂れているのみで、ぬるついてはいない。なので耐えるしかないと思っていると、シャリアが四つん這いを止めた。
「でしたら、貴方の逸物を舐めますので、はぁはぁ……いただきます……」
ギンギンに勃起している性器を、シャリアはぱくりと咥えた。まるで好物のようにだが、目はかなり笑っていた。久しぶりの自身の性器の味はどうなのだろうか。それを問うてみたいが、今はシャリアは喋ることはできない。なので頭を撫でていく。シャリアの目は更に笑った。
口をいっぱいに開けているシャリアの顔は、何だか間抜けにも見える。この今の上官らしい姿なので、余計にだ。シャアはそう思っていると興奮した後に、シャリアの舌責めが始まる。性器の至るところに、ぬるりと舌が這っていく。
「ん、んっ、ッふ、ん……ん、んぶ、ん、ン!」
するとシャリアが顔を動かし、口腔内が狭まっていった。これは堪らないと、シャアが射精しようとする。そこでシャリアが性器をじゅるじゅると吸い上げていく。卑猥な音が部屋中に鳴り響いた。
「はぁ、ァ……いいぞ、シャリア、上手いぞ。久しぶりなのに、よくできているではないか」
笑みを浮かべながら射精をすれば、シャリアの瞳がこちらを見ながら放った精液をずるずると飲み下していく。全て喉に通すつもりなのかと思っているが、シャリアがむせてしまった。性器から口を離す。
「申し訳、ありません! はぁ、はぁ、ですが、貴方の逸物の久しぶりの味は、大変美味しゅうございました」
シャリアが唇の端から精液を垂らしながらそう言ってくれる。だらしないその光景に興奮を覚え過ぎてしまう。
嬉しくなったシャアは、シャリアをすぐに押し倒した。もう我慢がならないのだ。
「シャリア……!」
自身の今の性器は唾液に塗れている。なのでそのままシャリアの卑猥な穴に性器を挿入した。ずるりと入っていく。根元まで、一気に。相当に普段から一人で弄っていたのだろう。何と魅惑的な穴なのだろうか。
シャリアを見れば、あまりの喜びに挿入した瞬間に果てていた。軽い射精をしながら喘ぐ。
「ゃあ! あ、ア……! はぁ、んぅ、ッう、あ、ァ! はぁ、は……たいさ、きもちいいです!」
「そうか、私も気持ちがいい」
中は普段からこまめに弄っているとは思えないくらいに締め付けてくる。まるでよく食いつく生き物のように思えた。このまま動いてしまえば、どれほど気持ちがいいのか。
いや、前のシャリアの中も気持ちが良かったのだが、今のシャリアの中も気持ちがいい。前のシャリア以上とうっすらと考えてしまう。
「私を想ってこのような従順な穴を作ってくれたのは嬉しいが、今後は私のものしか挿入してはならない。いいか?」
そこで腰を引かせれば、粘膜が吸い付いてきた。気持ちがよくて、すぐに腰を打ち付けたくなる。
「もちろんですぅ! たいさぁ!」
嬉しさからなのか、シャリアはまたしても射精をした。恐らくは、射精が止まらない状態になっていることであろう。何と淫らな体なのか。唇の端からは、未だに自身の放った精液が垂れていた。
「たいさの、いちもつで、イきたいです! たいさ!」
「よろしい。動くぞ」
シャリアの腰が動くのに合わせて、シャアは腰を揺らした。腸壁に性器がごつごつと当たり、そして突いていく。その感覚が好いのか、シャリアは背中を反らせながら三度目の射精をする。
そこで萎えてしまったシャリアだが、まだ体力があるらしい。精液を受け止める余裕があるらしい。流石軍人だと思いながら、シャアは腰を揺さぶる。肌同士がぶつかり合い、ぱんぱんと音が鳴り響く。交尾をしているように、互いの吐息が熱い。
「ア、ぁん、ん……! たいさ、たいさ……! わたしは、しあわせです!」
「私もだ……中がきつく、締め付けがいい。君は本当に名器だ」
「ありがとうございます!」
髪が乱れていけば、以前のシャリアのように片目が隠れたように見える。それが以前の面影を見せ、ふとシャアは抱き締めたくなった。なので腰の動きを止めてから、ぎゅうと抱き締める。
「シャリア……君だけは、時代に置いていかれた私を、ここまで導いてくれた……時代だけが進み、私だけが置いていかれたというのに……」
「たいさ……私は、いつまでもあなたの、物です」
「シャリア……!」
胸が熱くなったシャアは、シャリアと唇を重ねる。青臭い味がするが、これは自身の精液の味だ。だがシャリアの唾液と混じり、何だか美味いと感じる。夢中で啜っていく。
「んぅ、う……! たいさ、たいさ、すきです……!」
「好きだ、シャリア、私も好きだ……!」
愛を伝え合った二人は、改めてキスをした後にシャアが腰を振る。そういえば腹の奥に何度か到達していたが、いますぐ腹の奥に辿り着きたくなった。そしてこのシャリアの腹の奥に、できるのであれば種付けをしたくなったのだ。なので必死に粘膜を擦っていけば、すぐに腹の奥を突く。シャリアのへその辺りから、ごぽりと妙な音が鳴る。
そこで、シャリアが悲鳴を上げた。喜びの悲鳴だ。
「ひゃぁア!? ぁ……あ、たいさのが、おくに……!」
「シャリア、今回は特別に孕ませてやろう。動くぞ!」
腰を激しく揺さぶれば、シャリアの腹の奥で性器が暴れる。そう言えばいいのか分からないのだが、とにかく性器は腹の奥のあらゆる箇所を突いていた。へその辺りからは、時折に内側から棒で突かれたような膨らみができる。これは自身の性器によって見えるものだ。
「ん、んうぅ! は、はぁ、たいさ、たいさ!」
「ッぐ……!はぁ、はぁ、イくぞ! もう少しで……っう! 出る! はぁ、は……!」
勢いよく精液を腹の奥に叩き付ければ、シャリアが恍惚の表情で受け止める。淫猥な光景であった。
そのシャリアを抱き締めれば、抱き返してくれる。しかしそこでシャアはとあることを思った。シャリアにどこか、母性が感じられることを。本当に、孕んでしまうことを。
思っていれば、シャリアの中がより狭くなった後に緩まる。どうやらここで、限界がきたらしい。
シャアが性器を抜くと、シャリアのよく慣らされた穴から自身の精液が零れ出る音がする。それを凝視しようとすると、シャリアに止められた。
「わたしを、見て、ください……」
「あぁ、すまない」
目を見れば、虚ろになってきているようだった。もうじき気を失ってしまうのだが、緊急要請が入ったらどうするのだ。しかしここまで激しい交わりはしたことがなかったので、シャアは動揺をしてしまう。興奮が、すぐに醒めた。
「たいさ、好きです……わたしは、すこし、眠りますが、傍に、いてくれませんか?」
「勿論だ」
シャリアの隣に寝る。そうした瞬間にシャリアが自身を抱き枕にしながら眠ってしまった。シャアはそのような姿を見て微笑むが、やはり寝顔も以前の面影がある。そのようなシャリアを見つめながら、シャアも少し眠っていったのであった。