大吾が市場で妙な本を見つけたと言ったが、買ってしまったようだ。クエストの合間に街の市場を散策をしている際に、合流した大吾が峯に話してきた。
「……で、これが妙な本なんだけどよ」
見せてくれたのは、桃色が表紙でとにかく分厚く古びた本であった。見た目は普通の本であるが、表紙の色だけは見ないものである。峯が首を傾げていると、大吾が本を開いた。
「んー……何て書いてあるのか、分かんねぇんだよな」
「書いてあることが分からない?」
大吾のクラスは僧侶であり、峯は剣士である。僧侶である大吾ならば本を読めるのかと思っていたが、読めないのであれば自身も読めないのだろう。
「俺も読めないと思いますが……その本、どうされるのです?」
「んー……解読、できそうなんだけどなぁ。だから、しばらく持ってお……ん? これは、読めるぞ?」
ページを凝視していた大吾が、読めると言ってきた。なので市場の片隅に移動した後に、大吾が熱心に読んでいく。
その様子を峯は見ていたが、退屈だ。そう思ったが離れてしまうと合流が面倒である。なので大吾の近くに居ると、何か閃いたようだ。
「これは、バフ効果のある魔法を取得できる本らしいが、何のバフなのかは分からない。それに、装備を変化できるらしいが、何だか怖いな……野宿している時に俺で試そうと思う」
「貴方自身に魔法……? 宜しいのですか?」
聞いた限りでは、大吾自身で魔法の実験をしようとしている。大丈夫なのかと思ったのだが、バフ効果のある魔法だ。悪いことは無いのだろう。しかし、装備を変化できるとはどういうことなのだろうか。どこかに潜入をする際に使うものなのだろうか。
峯はそれらを考えた後に、頷いた。大吾が言うのだから安全な魔法なのだろう。
そして気付けば陽が傾き始めている。そろそろ野宿する予定の場所に向かおうとした。場所はこの街から出て、すぐのところだ。木々が茂っている森だが、野宿するにはうってつけの場所だと有名らしい。故に他の冒険者等と遭遇する可能性が非常に高いが仕方が無い。
「行きましょうか。その魔法は……どんなものかは分かりませんが、他の者に迷惑が掛からない範囲でお願いします」
「あぁ、分かってるよ」
二人は街を出た。目の前には草原が広がっており、レベルの低いモンスターが徘徊をしていた。だが人間に故意には近付かないうえに、人間側もやたらに近付かない。
中にはモンスターに手を出す者も居るが、二人はやたらと手を出さなかった。なるべく、戦闘を避けたいからだ。それに強いモンスターが出現した場合に、命の危険が及ぶ場合もある。
森に入ると、程よく自然がある。その中で丁度よく地面が水平で、尚且つ空いている部分を見つける。周囲には他の冒険者やモンスターは居ない。二人は今夜はここで野宿をすることにした。
大吾が魔法の簡易テントを生成するが、これは本当に簡易なものである。せいぜい、屋根があって雨を凌げるだけで周囲からの視線を隠すものはない。だが女が居る訳でもあるまいし、二人はそれで納得していた。なので二人は簡易テントの中に入る。灯りはまだ必要ないので、持っていた携帯式ランタンはまだ出さない。
「じゃあ、ここでさっき習得した魔法を使ってみる。俺自身にかけてみるが、どんな魔法なんだろうな」
大吾はワクワクとしている様子だ。しかし時間が経つにつれて峯は不安になる。得体の知れない魔法など、何が起きるのかは全く分からない。故に峯は警戒さえもしていた。一方の大吾はそのような様子など一切ないのだが。
懐から本を取り出した大吾は、早速に開いてから書いてある文字をぎこちなく詠唱していく。念の為に峯は剣を抜いたが、戦闘が起きることは起きて欲しくはないと思えた。
「れる……汝、我に其の力を与え給え」
どうやら詠唱の最後の部分まで読み終えたらしい。大吾が本をばたりと閉じるが、何も起きない。なので峯が首を傾げた。
「あの……大吾さん、詠唱は、終わりましたよね?」
「あぁ、そうだが……ん? 何も起きていねぇじゃねぇか。何だよ」
遂には舌打ちをした大吾だが、本を乱暴に扱うということはしなかった。本を懐にしまうと、魔法で床を生成する。その上に座ってから胡座をかく。
「だめだ。もう少しで暗くなるし、俺は寝る。寝るったら寝る!」
次第に機嫌が悪くなっていく大吾の姿に、峯はどうすることもできない。もしも自身が魔法の知識が大吾よりも上であったら。そう考えるが遅い。峯は内心で舌打ちした後に、頷いた。
「もう休まれた方が……ん? 大吾さん……?」
見れば大吾の顔が赤らんでいるように思える。今はそこまで気温は高くなく、寧ろ低い方だ。それなのに何故だろうか。いや、もしかしたら先程の不明な魔法の影響かもしれない。体を暖める効果のある魔法なのだろうか。
それを峯は大吾に話そうとした。そこで、大吾に更なる異変が起きる。胸の辺りを手で押さえた後に、腹の辺りを押さえ始めたのだ。これはまずいと、峯は大吾の方に駆け寄った。
「大吾さん……!?」
「み、みね……何か、腹が熱いんだ……痛くはない。熱いんだ……それに、体が疼くような……」
魔法を使って疼くとは何事だろうか。峯は大吾の背中に触れたが、その瞬間に仰け反った。何かが、大吾を襲ったらしい。
「ぅあ!?」
「大吾さん……!?」
驚きのあまりに手を離してしまった峯だが、その際に大吾の体が床に倒れた。僧侶服が乱れるが、その光景がどうしてなのか酷く魅了されると感じる。赤い頬をしており、腹の辺りにやはり手を乗せている。いや、これは気のせいなのかもしれない。
だがそこで、大吾をこのまま起こすべきかそのままにしておくべきか悩んでいた。大吾の状態は異常であることは、確かだからだ。大吾の耳元で、なるべく大きな声で話しかける。
「大吾さん、起きられますか? ……まずは、状態異常を解除する魔法は、出せますか?」
「解除……無理かもしれねぇ……それよりも、腹が、疼く……!」
「腹が疼く……」
峯はもう分からなかった。しかし今はとにかく緊急事態なのだ。周りに冒険者が居れば何とかなるものの、運悪く居ない。だからといって大吾から離れる訳にはいかず、眉間に大きな皺を寄せる。
「……俺たちだけで、何とかできるかもしれません。腹のあたりを確認しても?」
「あぁ、僧侶服を、脱がせてくれないか……」
すぐに大吾の僧侶服を脱がせていった。自身の鎧とは違い、とても単純な作りになっている。少し布を捲っただけでも、大吾の肌が見えた。上はコートのようなものになっており、下はスラックスのようなものだ。
コートを脱がせるが、そこで峯は驚愕の光景を見る。大吾の言う「腹が疼く」の原因が分かったのだ。それは、大吾のへその下に奇妙な紋章ができていた。見たこともない模様のうえに、色はあの本のように桃色だ。
するとこれは呪いかのように思えた。それも、術者を苦しませるだけで、寧ろデバフ効果しかないのだろう。
峯は自身を愚かだと思った。何も分からない魔法を、大吾に触れさせるべきではないと。後悔さえしていた。だが時はもう戻ってくれない。なので峯は大吾の様子を見つめるしかないのか、そう思っていると大吾のへその下にある模様に変化が起きた。見たことのない模様が動いた後に、ハートマークになっていくのだ。まるで子宮のような形をしている。
「……っ!? これは、もしかして……!」
そこで峯はとあることが頭を過っていた。これはどこかの酒場でちらりと聞いた、淫紋というものなのだろう。そう思うと、体が大きく震え始めた。これはまずいと。
「大吾さん! これは……」
「みね……俺、体がじんじんする……熱い………!」
見れば大吾の顔は赤らんでおり、それに息切れをしている。一目で何かで「感じている」のがよく分かった。明らかに淫紋のせいであるが、どこか興奮をそそられるのはどうしてなのだろうか。
そして説明をすべきだろうと考え、大吾に淫紋について述べていく。
「これは、淫紋というもので、その……それを施された者は、発情をしてしまうという……」
途中で言い難くなった峯は、口を止めてしまう。そうしていると、大吾が次はスラックスを脱ぎ始める。
「あぁ、あ……みね、どうにか、してくれ」
大吾の顔を見ていれば、峯も疼き始める。淫紋を施された者には、自然とフェロモンを放つとも聞いたことがある。それは性別を問わないのかは不明であったが、同性である峯はそれに誘われてしまっている。なので同性にも効くということを発見してしまう。
そこで大吾はスラックスを脱ぎ終えたが、見覚えのないものを身に着けていた。それは一般的な男性用の下着ではなく、女性がいかがわしい場面で身に着ける下着であったのだ。ほとんどが紐であるが布自体はある。しかし肌の色が透けるくらいに生地が薄いものであった。しれを、大吾が身に着けている。もしや、装備しているものを変化させる効果というものは、これなのではないのかと思えた。
大吾の下半身は透けており、男性器は勃起していた。それに加えて布の生地は我慢汁で濡れており、ここは人目につく可能性があるというのにほぼ全裸に近い。峯はそれが何とも卑猥だと思ってしまい、下半身に力が籠もるのを感じた。
固唾を飲んでから、峯は言う。
「大吾さん……俺……」
このまま大吾に手を出してしまうべきか。いや、自身にとっては大吾は地面に膝を着ける存在である。あってはならないのだが、本能がそうもさせてくれない。同じ男であっても、今の大吾は魅力的に見えてしまうのだ。
つい拳を作ってしまうが、大吾の前では紳士的でありたい。本能に従って手を出すなど、言語道断である。なので持っている状態異常を解除できるアイテムを取り出してみるが、淫紋に効くものなど持っている訳がない。峯は弱い舌打ちをした。
「みね、おれ、ケツが、きゅんきゅんするぅ……はぁ、はぁ、みね、ちんこ……ちんこがほしい……」
どんどん大吾の様子が変わっていく。それはまるで淫婦のようだと思ってしまい、つい手を伸ばそうとした。だがそれはいけない。他に方法がある筈だと、首を横に振った。
「大吾さん、早まらないで下さい。何か……良い方法は無いか……」
考えていると、大吾がぐいと手を引いてきた。そして倒れ込んでしまうが幸いにも大吾の体の上ではない。魔法で生成された床の上だ。痛みを感じながら起き上がろうとすると、大吾が近寄ってきた。体の節々は仄かに赤く染まっており、全体的に色っぽい。もしも大吾のことを好んでいるならば、すぐに襲ってしまうだろう。
「みね……俺のことが、きらいなのか?」
眉を大きく下げながら、大吾がそう聞いてきた。峯にとっては、答えに迷うものである。嫌いではない、そう答えれば何だか素っ気ないように思える。では好きだ、そう答えたならば大吾は自身の体を大きく求めることになるだろう。
迷っていると、大吾が再度訊ねたところで顔を近付けてきた。そしてあろうことか、そっとキスをされたのだ。しかし峯は一瞬何が起きたのか分からなくなり、ぼんやりとしてしまう。
「みね、すきぃ……」
熱い吐息が掛かると同時に、峯はハッとした。そしてつい大吾を睨んでから体を突き放そうとするが、もう遅い。大吾の手は峯の鎧を外し始めており、もうじき胴部分が外れてしまいそうだ。峯は強引にその手を振り払おうとしたが、これは大吾の手だ。何かあってはいけないと、ぐっと堪えた。だがこのままでは鎧を外されてしまう。
「大吾さん、目を覚まして下さい……!」
「ん……みね……おれはおまえのことが、好きだったんだ……前から、ずっと」
嘘だ。これは嘘だ。峯は耳の中にこびりつきそうになる大吾の言葉を必死に出そうとする。そうしていると隙を見せたらしく、大吾が体を押し倒した。
見下ろされた後に、再び唇が合わさる。しかし先程のとは違い、深いものだ。舌が唇の輪郭を這った後に、ぐいぐいと捻じ込もうとする。
「ん、ん、ふッ……!? ん、んぅ!」
抵抗をしようとしたが、峯は大吾に胴部分の鎧を外されてしまった。そこから他の部分を外すことは容易く、すぐに腰の部分を外されてからインナーが露出した。
「ん、んん! ん、ぅ!」
徐々に舌が入っていけば、大吾の舌は完全に口腔内に侵入してしまう。もうどうすることもできなくなり、峯はされるがままの状態になった。
それに辺りは暗くなってきたが、他の冒険者たちが近くを通りかかるのではないのかと内心で肝を冷やす。もしもこれを誰かに見られたならば、恥ずかしいどころではない。特に大吾は淫らな下着を身に着けているうえにほぼ全裸だ。見られた場合は、どうすることもできないだろう。ここには、姿を少しでも隠す障害物が無い故に。
大吾の手は、インナーをまさぐっていった。そして股間の部分へと手が伸びていくが、生憎にも勃起などしていない。その寸前で峯は我慢をしているのだ。
するとそれに気付いた大吾が、股間をやわやわと揉み始めた。相手が誰であろうと、そう触られては峯は興奮する他にない。股間をゆるゆると膨らませた。
「ん、ん……はぁ、はぁ、大吾さん、俺は、ッ……! ぁ、あ!」
「んぅ……みね、ちんこを、おれのなかで、ずぼずぼしてくれ……」
「大吾さん!」
淫紋の効果は次第に強くなっていっているようだ。これでは治癒する方法など見つからないだろう。そこで諦めた峯は、息を一つ吐いた。決心をしたのだ、大吾を抱く決心を。
「……大吾さん、後になっても、文句は言わないで下さいよ」
鎧を全て外した峯は近くに投げた。ごとりと音が鳴った後に、インナーのみの姿になった。そこで体勢を逆転させると、大吾の上に寧ろ覆い被さる。今の状況に、大吾の口角は上がった。
「みね、みね……!」
期待の眼差しでこちらを見ている。それを受けながら、峯は大吾と口付けをしていく。するとどこか、甘ったるいと思えたのだが気のせいだろうか。峯は内心で首を傾げながらも、大吾の体をまさぐっていく。
まずは首筋を触った。そこですら敏感になっているらしく、大吾が息を吐いた。気持ちがいいらしい。これは女よりも反応が良いと思ってしまいながら、峯は鎖骨へと指先を這わせる。やはりそこも気持ちがいいらしい。
それならば、胸はどうなのか。男でも胸を感じる者は居るらしいが、今の大吾もそうなのだろうか。指を移動させて、胸の膨らみを弱く突いた。するとどうだろうか。大吾の体はびくびくと震えた後に、勃起している男性器から白濁液を吐いた。峯は驚く。
しかしその様子が何だか面白い、或いは官能的だと思えた。同じ男であっても、大吾のこの様子は興奮しない訳がないのだ。次第に勃起していくと、大吾の体にそれを擦りつけた。興奮の証として。
腰を振り何度も大吾の体に擦りつけていると、自然と大吾の胸を激しく揉んでいた。女の胸同様に柔らかいと思えたのだ。すると尖りに指で触れると、大吾の体が跳ねた。相当に、良かったらしい。
「ん、んぅ!? ん、んんぅ……!」
目が垂れ、そして体をいやらしくぐねらせている。もっと大吾のそのような反応が見たくなり、峯は唇を離した。長い間唇を合わせていたからか、二人の間に細長い唾液の糸ができる。だがすぐに切れてしまうと、峯は大吾の胸を中心に弄り始めた。
「あ、ぁ、みね、おれの、おっぱい、気持ちがい、いいのか? は、はぁ、はぁ……ん、んっ、ぁ……」
「はい」
即答をした後に、峯は胸の尖りを指でぎゅうぎゅうと摘まんだ。揉まれるよりも遙かに快感が襲ってきたらしく、大吾の背中が反れた後にまたすても射精をする。下着の唯一の布地は、精液でよく汚れていた。
片手でそれに触れると、峯は薄く笑う。
「あぁ……大吾さん、こんなに汚されたのですか?」
「あ、ぁ……だって、みねが……!」
「俺のせいですか? いやらしい、貴方がいけないのでしょう?」
更に笑みを浮かべた峯は、大吾の立派になった淫紋の下にある股間を握る。ぐちゅりと水音が鳴り精液が漏れてきたが、そのようなことはどうでもいい。
そのまま何度も紋だ後に、前から後ろへとゆっくり手を動かしていく。目指す先は、尻である。
「ほら、貴方は、ここに、俺のちんこが欲しいのでしょう……?」
紐をよけてから尻の割れ目に指を入れる。ちょうど精液に塗れているので、よく滑った。そして尻の穴へと到達すると、穴の縁をよく指で突きながら訊ねる。
「大吾さん、ここに、俺のちんこが欲しいですか? 欲しいのであれば、何と言うんでしたっけ?」
わざとらしく聞けば、大吾の口からは躊躇なく答えられる。
「あ、ぁ、俺の、いやらしいまんこに、峯のおっきな、ちんこが、ほしい……!」
「百点満点です」
褒めた後に、ゆっくりと穴に指を突き入れていった。しかし淫紋のおかげなのかは分からないのだが。既に柔らかくなっている。本来ならば、ここは最初は硬い筈なのだが。
細かいことはいい。それよりも、大吾の中に自身の淫棒を貫き、そして果てさせたいとしか思えない。何度も何度も、大吾が失神をするまで。それくらいに、峯の心は燃え上がっていた。
「あ、あっ、みね! みね!」
大吾は喜んで舌を突き出す。これはキスをして欲しいというアピールなのだが、峯はそれどころではない。早く大吾の腹の中に淫棒を突っ込み、粘膜に下品に擦りつけたいのだ。
指をどんどん沈めていけば、ずぶずぶと入っていく。大吾はその時点でかなり気持ちがいいらしい。女のように甲高い声で喘ぐ。
「ッは、あぁ、あ! みね、そこ、きもちいい! おれ、女になっちまったみたいで、いい!」
「……大吾さん、このまま大きな声を出せば、他の奴らに見られちまいますよ? いいんですか? 俺だけに、こんな姿を見せたくはないのですか?」
そう言えば、大吾は首を横に振った。かなり嫌そうで、淫紋の効果によって発情しているのは自身にだけ向かっているのが分かる。峯は嬉しくなり、柔らかい穴に入れる指の本数を増やした。
二本目の指が入ると、大吾の舌が引いていった。こうして穴に指を入れられて喘いでいると、大吾の言うとおりに女のように思えてくる。そう思うと、峯の笑みは止まらない。二本の指で、ぐちゅぐちゅと穴の中をかき混ぜていく。精液が良い潤滑油になってくれているので、とても滑りがいい。峯は鼻息を荒くしながら、夢中になって穴の中で指を動かす。
「あ、あぁ、ァ、あ……! や、あっ、イく! もう、イく! おれ、ケツをいじられただけで、イく! ぁ、あん、ん! みね、イく! イく!」
「イくんですか? でも、この下品な下着はそのままでいいですよね? だって大吾さんは、女なのでしょう?」
わざと意地悪な言葉を放てば、入れている指を穴がぎゅうぎゅうと締め付けた。よく反応をしてくれているようだ。峯は嬉しくなり、指をもう一本増やした。大吾の逞しい体は、小刻みに揺れていた。その姿が、何とも淫猥である。峯は三本の指を激しく出し入れさせる。
「ん、ん! はぁ、イく、イく! あ……ァ!」
腰を浮かせ、大吾が射精をした。下着は精液に塗れておりどろどろだ。それに生地が薄いので、これ以上は受け止められないらしい。精液が染みこんできた。
「はぁ、はぁ……大吾さん、エロいですよ」
「ぁ……あ、みね、はぁ、は……次は、みねの、ちんこがほしい、指よりも、でけぇのが、ほしい……!」
大吾がねだるように峯の股間を再び揉んでくる。そこは良く膨らんでおり、触れた瞬間に大吾が目を見開く。しかし直後に嬉しそうに目を細めて「でけぇな……」と呟いた。
インナーをようやく脱いだ峯だが、このままでは人に見られる可能性が本当にありそうだ。今まで人目につかないのは運がよかったが、このまま行為に至る訳にはいかない。なので大吾の体を抱えてから、茂みへと隠れるように向かう。
地面は硬いので、先程着ていたインナーを敷いてから大吾を寝かせた。そして膝裏を持ち上げれば、穴はひくひくと蠢いていた。こちらを誘うように見える。
「大吾さん、俺のが、見えますか?」
勃起している淫棒を大吾に見せる。そして頬にそれを当てれば、大吾は舌を突き出していた。これを、舐めたくて仕方がないらしい。なので口に持っていけば、大吾の口腔内にぬるりと入っていく。
「ん、んぅ……! ん、んっ」
大吾の瞳は、恍惚で溢れていた。美味い果実を囓っているかのように頬張っており、峯は自然と大吾の後頭部をぐいと押さえた。
より大吾の口の奥に入ると、えずくような音が聞こえる。だが無視をしてから、峯は腰をゆっくりと動かす。狭く熱い粘膜に包まれて気持ちがいい。それに何よりも、大吾がこうしてフェラチオをしている姿は、かなり性欲を刺激されるものである。
「は、はぁ、ぅぐ! はぁ……大吾さん、気持ちいいですよ、上手いですよ。大吾さん……!」
今までされてきたフェラチオの中でも、大吾のものは一番気持ちがいいと思えた。男故に良い場所を熟知しているからなのか。
次第にぐぽぐぽと音が鳴っていくと、射精感がこみ上げた。しかしまだ射精する訳にはいかないので、その直前で淫棒を解放した。大吾の口から離れ、唾液の糸がだらりと垂れる。見れば淫棒は、大吾の唾液に塗れていた。よくぬるついている。
「ぁ、ん……みねのちんこ、うまい……」
「光栄です。ですが、下の口でも、味わいたいでしょう?」
唾液が纏わり付いている淫棒を大吾に見せれば、ごくりと喉が鳴る音が聞こえる。相当に、大吾としては魅力的なものになっているらしい。
峯は嬉しくなり、再度膝裏を持ち上げてから穴に淫棒をあてがう。
「入りますよ、大吾さん、俺のちんこが……ッぐ! あ、あ……! 狭い……!」
「あ、ァ! みねの、ちんこが! ちんこがはいってくる! あつい!」
途中で大吾が手を伸ばしてくるので、峯はその手をしっかりと握った。するとより一つになっている感覚が強まり、峯の中での興奮が氾濫していく。
大吾の腹にある淫紋が強く光る。これは発情が最高値まで達しているということなのだろう。
「はぁ、はぁ、大吾さん! 俺、好きです! 大吾さんも、俺のことが好きですか?」
もはや必死になってそう聞けば、大吾の頭が縦に揺れた。答えはイエスらしい。
「あ、ぁ、おれも! おれも、みねのことがすきぃ!」
想いが通じ合った、その瞬間に穴が淫棒をよく締め付ける。これは体も良く受け入れてくれている証拠である。峯はその瞬間に射精をすれば、大吾も達したらしい。卑猥な下着から、またしても精液が染み出していく。互いの股間のものが萎えていく。大吾の下着は萎んだ影響で、だらだらと股間周りを精液で汚していく。
そこで腹にある淫紋はすっかりと消えた。跡形も無く消えるので、淫紋があったことなど夢であったかのように思える。
「はぁ、は……みね、キスしてくれ……」
「はい、喜んで」
すると二人は唇を合わせるが、結合部はまだできたままだ。これは互いにまだ繋がっていたいという意思があり、大吾は淫紋など無くとも峯のことが好きになってしまったのであった。逆もまた然りで。