数日間、ずっと大吾の機嫌が悪かった。原因は分かっている。大吾と体を重ねた際に、無理を強いたからだ。おかげでその日の大吾の予定はほとんどこなせなかったるしく、若頭補佐としても恥ずかしく思う。私情のせいで仕事に影響を出すなど、あくまでも社会人としては言語道断である。
そして機嫌が悪いというのは、例えば東城会本部ですれ違う度に舌打ちをされたり、鋭く睨んできたり無視をするというものである。はっきり言って、子どものような機嫌の損ね方だと思った。謝罪はしたものの、これは機嫌を直してくれるまでとにかく耐えるしかない。好いている故に嫌われたくはないが、峯は内心で溜め息をつく。
部下に心配はされたものの、峯は何も言わない。言ってしまえば、大吾との関係が分かってしまうかと思った。さすがにそのような失態などしたくないと、ひたすらに口を閉ざす。
なので今は東城会本部に居るのだが、会長室で大吾と二人きりになってしまった。何となく気まずい。
「……六代目、予算の資料です」
今月の東城会の予算、それに白峯会の短期間の収支報告書を纏めたとても簡単な資料を提出していた。手渡しで渡そうとしたのだが、大吾は睨む一方。なので頭を下げてから机に置いた。大吾から確認の判を貰わなければならないので頼んでみるものの、大吾は舌打ちをしている。
「あの、六代目……」
判を催促をしなければ、という思考の後にやはり申し訳なさが襲いかかってくる。自身が大吾が機嫌を損ねた原因なのだから。
何度か「六代目」と呼んだのだが、やはり応えてくれない。このままではここから永遠に出られないのではないのか。そう思っていれば、大吾がようやく口を開いた。叱りならば幾らでも受ける。明らかに自身が悪いからだ。
「……お前のせいだ」
やはり、会長として何かあったのだろうか。頭を大きく下げて謝り続けるしかない。何なら、部下が入って来ようとも土下座だってする気もある。大吾の前にしてみては、プライドを持つ資格などなかった。
「はい、それは重々承知しておりま」
「違う……体が、もたないんだ」
「分かっております、六代目の仕事に支障を出したのは……」
悪いのは自身だと言おうとしたところで、大吾が机をばんと叩いた。驚きに顔を上げてみれば、大吾の顔が真っ赤になっている。どうしたのだろうか。あまりの怒りに、頭に血が上ってしまったのだろうか。
「体が……お前を見てると疼くんだ……」
「えっ」
どういうことなのか分からない峯が聞き直そうとしたところ、大吾が同じ言葉を繰り返す。そして続きを、少し詰まらせながら話し始めていく。
「あれから、体が敏感になっちまって、それで、一人でいるとどうしても抜きたくなるし、いや、抜いてるし、お前を見ると体が疼いちまうし、もうめちゃくちゃなんだよ……」
「あの……」
つまりは、自身によって体を調教でもされてしまったと言いたいのだろうか。そう考えれば顔が真っ赤になっていく。恐らく今の大吾は、言う事が正しければ現在は欲情してくれているのか。
次第に大吾は俯き、こちらを直視してくれない。だが峯は嬉しく思った。
「だから……その……」
「だ、大吾さん! では、今夜にでも私の……俺の家に来てくれませんか……!」
誘う言葉に洒落たものなどをつけない。ただシンプルにそう伝えれば、大吾が資料に判を押す。それを確認していれば大吾が「分かった」と静かに言うと資料を返却してくれた。もう会長室に用は無いので出なければならない。踵を返すと、大吾が咳払いをした。反応して振り向く。大吾がこちらを見てくれていたが、すぐに視線を逸らされた。
「……なるべく早く、来る」
「はい。お待ちしております」
そう返事をすると、峯は外に向ける表情を作った後に会長室から出た。これ以上は振り向くことをしない。後はただ、夜まで待てばいいのだから。
それから本日の予定を秘書に確認してみたところ、今日は夜のギリギリまでしか予定が入っていなかった。奇跡だ。どうせ予定があっても、何があってもキャンセルをするつもりであったのだが。
峯の会社にすぐに戻ってから仕事をなるべく早く切り上げ、帰宅した。それでも時刻は夜の七時になるところであったが、大吾は待っていてくれているのだろうか。マンションに着くが、大吾はまだ来ていない。
安堵をしながら部屋に入れば、部屋は明るい。そこで大吾に合鍵を渡していたことを失念していればもう遅い。背後から気配があると共に、壁に押さえつけられた。首元には、ぬるりと湿った感覚が伝わる。
「峯……」
玄関で大吾が待ち伏せしていたらしい。名を呟いた声からして大吾だということが確実になると、大人しく壁に押さえつけられる。早くも興奮しているらしく、勃起した股間をぐいぐいと押しつけてきた。ずっと、勃起させながら待ってくれていたのだろうか
「大吾さん……」
愛しい人間の名を呼びながら振り向けば、髪を下ろしている大吾の姿があった。まだスーツ姿だが、悶えながら待っていてくれたのだろうか。そして肝心の下半身を見れば、スラックスや下着は履いていない。自慰にふけっていたのだろうか。
「俺、今からお前を待つ間に抜こうとしてたんだぜ……」
「我慢できなくなっちまったんですか?」
そこで拘束が解けると大吾と向かい合い、自然と唇を合わせる。濃厚なキスをしていくが、大吾の口からは酒の味がした。飲んでいたのか、或いは会食でもあったのか。
「んッ……ん、ふぅ……ふ……んん、ん!」
互いの唇の間から、大吾がとても艷やかな息を吐き出す。それを聞いているだけで峯の股間が反応をした。そして止まらなくなり勃起していくと、キスをしながらスラックスを脱いでいった。シャワーを浴びたかったが、もう体が止まらない。
後頭部を掴んでからそして腰を抱けば、大吾も同様のことをした。これで二人が離れることはないのだ。なのでそのままキスを続けていけば、大吾の喉から出る音や空気が止まる。何だと思っていれば、腹が濡れていることが分かった。大吾は、キスだけで精液を吐いてしまったのだ。唇を離す。
「峯、峯……早く、まんこにくれ……」
「えぇ、勿論ですよ……ですがその前に……」
後頭部や腰から手を離せば、やはり大吾も同様の行動をする。なので二人の体が離れてしまえば、そこで峯が手を差し出す。大吾と手を繋いだ。
「まだ、もう一つ、玩具があります」
そう言って長く感じる廊下を共に歩いた後に寝室に入る。ベッド近くのチェストを探れば、目的の物がすぐに見つかった。それはまだ使用していない、防水タイプの電動マッサージ器だ。大吾にそれを見せれば、口角が上がる。
「どこに、使って欲しいですか?」
聞けば大吾が残りの服を脱ぎだし、全裸になったところでベッドの上に乗った。そして両胸を触りながら言う。
「ん……おっぱい……」
「ふふ、本当にそこが好きですね。では……」
電動マッサージ器の電源を入れれば、すぐに先端か動き出す。握っている峯の手にも振動が伝われば、余程の振動だということが分かる。ローターなど比ではない。
その先端を大吾の片方の胸の肉に当てる。鍛えられている割には柔らかいのだが、まずは皮膚の部分を揺らした。大吾はすぐに喘ぐ。どうやら乳頭まで振動が伝わっているらしく。
「あ、ぁ……そこ、すき……ァ、はぁ、ん……きもちいい……そこ、きもちいい……ア、あ、もっと、峯……もっと……!」
更に求めてくる。なので応じるべく乳頭に近付けていけば、大吾の反応がどんどん大きくなっていく。比例して、股間の先端がどんどん上に向いていく。
「大吾さん、綺麗ですよ……気持ちよくなってるところが……あぁ……白いお肌が、どんどん赤くなって……」
見れば大吾の白い肌に朱が帯びてきているのだ。人間の体の不思議さや美しさを観測すると同時に、片方の空いている胸に顔を近付けた。大吾の匂いがする。甘く、引き寄せられる匂いだ。
まずは張っている乳頭を咥えると、大吾の背中が逸れた後にゆっくりと後ろに倒れかけていく。なので空いている手で腰から背中を支えると、ゆっくりとベッドに倒れた。
「峯、ちがう、舐めて……」
「大吾さん、ここをですか?」
わざと確認するように乳頭に舌を這わせれば、大吾の体がビクリと動いた。待ち侘びていた快感に、喜びの反応を示しているようにしか見えない。なので更に舐めていけば、頭上からは喜びの喘ぎが聞こえた。
「ぁ……あ、みね、そこ、きもちいい、電マも、はやく……!」
促してきた。なので電動マッサージ器を乳頭に当てれば、大吾からは軽い悲鳴が聞こえる。
「ぁ、あ! そこも、きもちいい! すき!」
「そこまで好きですか。ですが、こちらもでしょう?」
電動マッサージ器をすぐに離した後に股間に近付ければ、大吾はとても嬉しそうな顔をしている。そういえばローターですら振動を与えていなかった股間にこれを当てれば、どうなるのだろうか。考えるだけで興奮すると、峯はすぐに大吾の股間に当てる。ものの先端だ。
「ぅあァ!? ぁ、あ! そこ、だめ……!」
大吾は顎を仰け反らせ、そして背中を美しく反らせていた。腹筋をよく見せる。相当に気持ちいいことが分かるので、同時に舐めている乳頭を軽く噛んだ。大吾から悲鳴が聞こえると、熱い精液が噴き出してきた。まるで、勢いの良い噴水のようだった。自身の高級スーツに掛かるが、褒美のように思える。寧ろ良い。
「大吾さん……」
では股間の先端ではなく裏筋はどうなのか。移動させれば、やはり大吾は同様の反応を示した。やはり気持ちがいいらしい。なので股間に当て続けながら、乳を飲むように乳頭を吸った。既にぷっくりと腫れており、可愛らしい。
「はぁ、あ……ゃ、やらぁ! そこ、もう……!」
「大吾さん、我慢はいけませんよ」
そう言いながらもう片方の胸を吸っていく。大吾は皺のないシーツを強く握りしめ、そしてつま先を張らせる。堪らないらしい。
「ちが……! あとは、みねのちんこで……ひゃあ!? ぁ、あ……!」
ぐいぐいと電動マッサージ器を押し付ければ、大吾の瞳からは涙が垂れる。その姿に更に欲情した峯は、両胸の乳頭を腫らしてから唇を離した。どちらもゼリー菓子のようにつややかで、美味そうだ。
「まだ、俺のちんこの出番じゃないので」
電動マッサージ器を根本や袋に当てれば、大吾の股間に血管がどくどくと浮いていく。またしても射精してしまうのだろうかと思ったが、こうして大吾が何度も果ててしまっては体を繋げる前に終わってしまう。
なので大吾の股間を緩やかに上下に扱いた後に、力強く握った。大吾としては、何とも残酷なことをしてくれたと思っているのだろう。ニヤリとしながら大吾の顔を見る。
「みね、どうして、みね……!」
「大吾さん、たまには我慢も必要ですよ。ほら、貴方の好きなまんこも……」
再び動かしていけば、電動マッサージ器をシーツの上に置く。片膝を持ち上げてから肩に掛けると、そこをよく露出させた。するとここはもはや峯によって性器と化しており、通常の成人男性としてはあり得ない現象を起こしている。入り口は何度も収縮をしており、まるで意思を持った生き物のように蠢いているのだ。粘膜が多少は見えていたのだ。とても卑猥な桃色が、ちらりと。
そして電動マッサージ器を握り直してから穴の縁に寄せれば、大吾が悲鳴を上げながら拒絶をしようとした。しかし時も力も何もかもが足らず、すぐに穴に電動マッサージ器の先端が入った。大吾の股間がばきばきと膨らんでいくが、峯に握られていることにより射精ができない。赤黒いものは、ただ小さく震えるばかりだ。
「やだぁ! みね、はなして……ぅぁ、あ! ァ、あ! ゃ、イく! 電マだけで、またイっちゃうから!」
「まだですよ、大吾さん……」
大吾のこの淫らな姿が堪らない。そう思いながら峯はぐぽりと電動マッサージ器の先端を全て穴に入れた。大吾の腰は大きく揺れ、そして何度も達しようとして体を捩らせる。しかし力など入らないのか、峯をよく誘うように体を動かしているようにしか見えない。体を緩やかに動かし、皮膚のうねりを見せるように。
そのような様子の大吾を見ていった後に、ようやく電動マッサージ器を引き抜いた。縁まで快感を拾っているのか、抜いた直後も大吾は体を震わせる。
「ァ……みね、イかせて……!」
「仕方ありませんね……では、俺の口の中でイってもらいましょうか」
電動マッサージ器の電源を切った後に、大吾の股間に両手を添える。そこは限界を迎えており、ものが変色しているように見えた。なので口でよく咥えた瞬間に手を離せば、大吾が絶頂を迎える。自身の口腔内に、灼熱のような精液を目一杯注いでくれた。口の中が精液で溢れ、こぼしそうになる。
「ァあ、あ、ぁ!」
「ん……んぅ……!」
注がれた精液をしっかりと舌全体で味わうが、雄の味がしっかりとする。青臭い。若干薄いが、やはり自身と会っていない時は自慰をしていたことがよく分かった。だがそれでも嬉しいので、大吾の方を上目遣いで見ながらごくりと喉に通していく。味は美味であった。
すぐに飲み干せば、大吾が嬉しそうな顔をしている。そして股間のものを見れば、正常の赤黒い色に戻っていた。だがやはり大吾のものなので、とても可愛らしく思える。撫でたり舐めれば、従順に精液を吐いてくれるのだから。
「はぁ、ァ……あ、ん……みね、うまかったか?」
「ッはぁ……はぁ、はぁ……はい、大吾さんのザーメン、美味かったです」
口を開いてから全てを見せてから飲み干したことを証明すれば、大吾が頭を撫でてくれた。それは力強く、整えていた髪が乱れるくらいだ。しかし心地が良い。峯は大吾に素直に撫でられ続けた。
「だが峯……俺のまんこも、早く……」
そう述べた後に大吾が体勢を変えた。四つん這いになり、尻をこちらに向けたのだ。そして尻たぶを自ら開けば、先程電動マッサージ器を挿入した穴が震えているのが分かる。性器を挿入されることを期待してくれているのか。
素早く服を脱いでいけば、乱暴にベッドや床の上に散らす。高級スーツなど、もはや今は意味を成さないのだから。
「みね……はやく、いれて……」
「はい、大吾さん」
大吾の尻へと近付いていき、腰を掴んだ。背中の不動明王が見えた後に体を折れば、さらにそれが大きく見える。舌を出して不動明王の顔をちろりと舐めれば、大吾が甘い吐息を吐く。背中ですら、感じてくれているのだ。
「ぁ……はぁ、あ……そこ、すき……」
「俺も好きですよ」
不動明王とキスをするように舌を巡らせた後に、ようやく性器を尻に近付けた。自身の性器は大吾のものとは違い、自慰などしていない。なので充分に濃く、そして発射回数も大吾よりも多い筈だ。
大吾の背中に乗り上げると、そのまま性器を尻に挿し込んでいった。電動マッサージ器を挿入したばかりなので、すんなりと入ってくれる。
「はぁ、はぁ……大吾さん、入れますよ……!」
「あ、ァあ……! みねの、でっかいちんぽがくる……!」
大吾の悦びの声を聞いた後に、性器の亀頭の部分までもすぐに埋まっていく。
「うぁ……! おっきい……! みねのちんぽ、あつい……! 早く、ごしごしして、たくさんイかせて!」
「えぇ、勿論、ちんこでたくさんイかかせますよ……!」
互いの声には盛大な熱が含まれていた。その熱を粘膜同士で感じたかったのだが、今は残念ながら届かない。なのでまずは性器を挿入することに集中をする。
亀頭がすんなりと姿を隠すと、そのまま竿まで通した。ばちゅんと破裂したような音が鳴った後に、性器の全てが入ったことが確認できる。互いの皮膚同士が衝突し、そして亀頭は腹の中にすっかりと収まったからだ。
「ひゃぁあ!? あ……あ、みねの、ちんぽ、すき……!」
「っふう……はぁ……俺のちんこが好きならば、存分に、楽しんで、ください!」
ずるずると性器を引かせた。しかし穴の縁がそうはさせないとくっついてきており、捲れるような勢いである。無理矢理に引かせたその後に、思いっきり性器を腹の中に叩き付けた。大吾からは恍惚の声が上がると、そのまま達したようだ。シーツにぽたぽたと大吾の精液が落ちていく。
再び不動明王と目が合うと、ゆっくりと顔を舐めていった後に大吾のうなじにキスをした。大吾の肩が上下に揺れる。
「はぁ、は……俺に、キスをしてくれ……おまえと、キスがしたい……」
「お待ちを」
大吾と口付けをするには、この挿入した性器を抜かなければならない。体勢を変えなければならないのだ。なのでずるりと性器を引き抜けば、亀頭が粘膜にごつごつと当たる。抜いている瞬間でさえも、大吾は感じていた。気持ちよさそうだ。
「ぁ、あ……!」
「……さて、では俺の上に乗りますか?」
あぐらをかいて座ると、性器を両手で添えて強調した。四つん這いの体勢を止めた大吾がこちらを向き、まずは性器を見たようだ。そして自身の顔を見れば、ごくりと喉を鳴らす。
「あぁ……」
そう返事をしてから大吾は膝立ちになってから、まずは自身の目の前に来る。勃起したものが揺れるのを間近で見た後に、大吾の体がゆるゆると下がっていく。性器目掛けて、腰を下ろそうとしているのだ。
「……ッはぁ……入る……また、みねのちんぽが入る……! ぐぁあ、あ……! おっきい……!」
まずは穴と亀頭が密着した。それだけでも大吾は気持ちが良いらしく、嬉しそうに声を上げた。そして腰をゆっくりと下ろしていけば、どんどん性器が大吾の体によって埋もれていく。またしても、穴の中に挿入されていっているのだ。
二人の皮膚同士がまたしても衝突する、その直前に大吾の腹のあたりから妙な音がした。これは何度か聞いているが、結腸まで届こうとしているのだ。この体位ならば、容易なのだろうと今気付いた。大吾の腰や背中に手で触れると、更に腰を下ろすことを促す。
「ま、まって……! また、おくに……ぁ、あ……入る……くる……奥に、ぁ、あぁ! ぁ、あ! はいるだけでイっちゃう!」
「イけばいいじゃないですか、大吾さん」
顔を上げれば今度は大吾の顔が目の前にある。二人は自然と顔が近付くと、そのまま唇を重ねた。まずは何度も何度も唇を吸い合うと、次は密着させてから舌同士を絡ませた。大吾のものの味が残っているのだが、口腔内の唾液と混ざるとどこか甘いように思える。これは好き過ぎる故の感覚なのだろうか。
「んん、ふぅ、ふ……ぅん!? ん、んん……!?」
そこで下半身で結合部ができると、ごぽりと音が鳴った。結腸のあたりまで到達したらしいが、この体位ならば容易だということを今知る。なので頭の中にしっかりと記憶していけば、腰をゆるゆると揺らしていく。中で性器が動き、しっかりと大吾に快感を与えていった。
中は熱く狭い。みっちりと包まれていくが、まるで自身の性器によく馴染んでるように思える。前から何度も挿入し、大吾を愛した結果なのだろうか。そう思うと嬉しくなり、大吾の体を大きく揺らした。下から性器を鋭く突き上げていけば、大吾の唇が離れていき、そして逞しい体を容易く屈服させた。こちらにもたれかかってくるので、体を密着させる。
「あ、ァ、みね、そこ、すき! すぐ、イっちゃうから、そんなについたら、ぁあ、あ、ゃら、ッあ、イく! イく! イクから……ぁア!」
二人の体の間に大吾の精液が入り込めば、互いの体がぬるつく。下から突き上げる為に腰を揺さぶると、ぬるぬると滑っていった。すると皮膚によく擦れるのか、肩のあたりで大吾の胸がよく当たる。そして乳頭を自然と擦らせていくと、大吾はどの箇所も弄られる形になる。よく喘いでいた。
「ァ、っや、ぁ、あ! あ、きもちいい、みねと、からだが、ぬるぬるして、きもちいい! ぁ、ァ、おっぱいも、きもちいい! っはぁ、ぁ、ん……! また、イく! イく! みねにいっぱいごしごしされて、イく! イく!」
「はぁはぁ、大吾さん、ぬるぬるして、気持ちいいですね……ッはぁ、はぁ、俺も、そろそろイきそうなんですが……ッぐぁ!? 急に締めないでください!」
達しそうだということは本当であった。それを言っただけだというのに、大吾の中が精液を求めるように締め付けてくる。それが堪らなく気持ちよすぎて、その時点で達してしまいそうであった。だが耐えるために顔をしかめるのだが、やはり中の締め付けには負けてしまった。
何度か荒い呼吸をしていった後に、大吾の中に精液を吐き出す。その直後に、大吾が自身の体にしがみついた。まるで、よく精液を受けられるようにと抱きついているようだ。
「ひゃぁあ! あついのが、きてる! ぁ、あ! みねのざーめん、が、きたぁ!」
「っぐ……! はぁ、はぁ、大吾さん、俺はまだイけますよ……!」
瞳を鋭くして大吾に向ければ、目が合う。すると中が蠢き、精液を腹の奥へと動かしているようだった。大吾の体は自身の精液を更に求めているらしい。それを感じると嬉しくなり、腰を大きく揺らす。結腸を突く音と、それに腹の奥に出された精液を掻き混ぜる音がした。とても卑猥な音が合わさる。
「ぁあ、なかで、みねのがいっぱい……」
「大吾さん、このまま孕んじまいそうですね」
冗談で言えば、中が更に蠢く。まるで食うように吸い付いていけば、言葉によく反応したことが分かった。
「ん……みねので、はらみたい……」
「そうですか、分かりました。では、また中にたくさん出します」
そう言ってから大吾の尻を掴めば、何度も何度も腰を揺さぶっていく。上にいる大吾が浮くくらいになれば、よく性器で奥を突くことになった。大吾はあまりの気持ちよさに、どんどん喘いでいく。
「ぁ、お、ぉ!? そこ、らめ、らめ! またイくから! イく、イく! ぁあ! っは、はぁ、はぁ、また、みねのちんぽでイっちゃった……」
「そうですか、俺ので、どんどんイってください!」
中の締め付けが最大まで達したのだろうか、その度にまたしても中が狭くなっていくので、このまま食われてしまうかと思ってしまう。口角を大きく上げてから、言葉吐こうとする。それは峯にとっては甘いものしか出てこなくなっていた。
「……っう、はぁ、はぁ、大吾さんのまんこ、どんどんおれのちんこを食ってて、いいですよ……あぁ、このまま、ずっと離れたくない……」
「ぉ、あ、ァ! おれも……おれも、ぁァ! このまま、ずっとイきたい! ぁ、あ! またくる! ぁ、ァあっ!」
すると大吾の体が折れるくらいに逸れ、そして精液を吐き出した。峯も同時に射精をするのだが、そこでどんどん萎んでいくのが分かった。質量が無くなっていき、どんどん結合部が緩くなっていく。出した精液が漏れていく。
「ぁ……あ、みね、まだ……」
「申し訳ありません……ですが、大吾さんはまだイけるようですね……では……」
手元にある電動マッサージ器を再び取れば、電源を入れてから大吾の胸に押しつける。すると感度がいいのか、またしても背中が逸れた。かなり気持ちいいらしい。
「っひゃ! ぁア! そこ、だめぇ!」
「ですが、良いのでしょう? ほら、大吾さんの好きなおっぱいですよ。それに……」
今や先程の跡形もない性器を抜くと、大吾を押し倒した。そして唇を重ねながら、電源マッサージ器を胸や腹に押し付けた後に下半身に向かう。尻からは大量に精液が垂れており、それを少しでも滞留させるために押し付けた。やはり、穴の縁でも感じてしまうらしい。大吾が全身を痙攣させると、弱く射精をした後にどんどん萎えていった。ようやく、互いの興奮が鎮まった。
しかしそれでも心はまだであり、大吾と何度も何度も唇を重ねていく。持っていた電動マッサージ器など投げ捨て、大吾と手を繋いで指を絡めた。体は性行為により熱くなっており、それが気持ちいい。これが、大吾の想いそのものだとも思えるからだ。
「っふぅ……ふ……ん、んん、ん……」
大吾が時折に吐息を出した後に、しつこく舌を絡めていく。上顎を舐めてから歯列をなぞったあとに、ようやく唇を離す。だが大吾の舌がそれを追っていた。それを見た峯はもう一度キスをする。
舌をぬるぬると絡めていくが、大吾の勢いが弱い。唾液の分泌についてはもう、どちらのものなのか分からないので何とも言えない。しかし舌の動きが鈍くなっているのが分かった。それに繋いでいる手の指の力も弱いことも。なので舌を引かせてから唇を離すと、大吾が悲しげな顔をする。心が痛むが致し方ない。
「そろそろ、シャワーを浴びましょう。休みましょう」
「……ん」
手を繋いだままゆっくりと起き上がれば、軽くキスをした。
「みね……」
「大丈夫ですよ。また、ヤりましょう」
心が落ち着いてきた。賢者モードに入ってきているのだろうか。なので優しく声を掛けたあとに大吾を抱き締める。すると、大吾が泣いているのが分かった。慌てて大吾を見る。
「すまねぇ、お前に、ヤるまえは俺の不機嫌に付き合わせちまって……」
「いいんですよ。俺は気にしてませんし、悪いのは俺です」
「だが……」
何か言おうとしたところで、峯が唇で軽く塞いだ。大吾の言葉が止まる。
「言ったでしょう? またヤりましょう。それでチャラにしましょう。勿論、それからも大吾さんを抱かせて頂きますが」
「ん、あぁ……分かった……」
眉を下げながらも大吾が笑みを向けてくれれば、どのような大吾の表情の中でもそれが一番好きだと思えた。やはり、好きな人間には笑顔でいてもらいたい。なので峯は表情を和らげると、もう一度キスをした。いや、何度もキスをする。
「大吾さん、ずっと好きです。離れないでください」
「おれも、好き……峯のことが好き……」
二人で告白をしながら、結局はシャワーを浴びることなど後回しにして軽いキスを何度もしていたのであった。