ある夜に、とあるものを試したいと言ってきたのは大吾の方であった。二人とも下着のみの姿になり、ベッドの上に乗り上げる。その時に大吾が物を見せてくる。
それはエネマグラという医療機器であるが、どう使うのかは峯は少し予想がついてしまう。これは前立腺を刺激するものである。これを、挿入して欲しいとでも言うのか。
「俺に、これを試して欲しいんだ」
やはり、そうであった。だが挿入するのはいいものの、峯は使ったことがない。しかし大吾はどうなのだろうか。使ったことがないからこそ言っているのだろうか。
「……よろしいのですか?」
「あぁ、何でも、かなり気持ちがいいらしいことを聞いてな、試してみたいんだ」
気持ちがいいらしいということも分かっているのだが、本当に試すのだろうか。このようなものよりも、自身の性器を挿入した方が何倍も気持ちがいいと思っている峯である。
「ですが……」
「俺がやりたいって言ってるんだ。頼む、峯」
正座をした後に大吾が頭を下げてきた。そこで峯は頭を上げさせなければと、近寄った後に肩を掴んだ。そして頭を上げさせる。
「そ、そこまでされなくても……! 分かりました、やりますから」
咳払いを一つした峯が手を差し出せば、大吾が持っているエネマグラを渡してくれた。そこでよく観察してみれば、確かに前立腺をよく刺激してくれそうな形状をしている。
息を一つ吐いた大吾が下着を脱ぎ、背を向けてから四つん這いになった。そして尻を向ければ、割れ目を掴んでからかぱりと開く。穴はその時点でくぱくぱと収縮を繰り返していた。だが入り口は柔らかくはないので、指くらいしか入らないのだろう。
この穴の動きは、峯が何度も愛した証拠となり得る。大吾は峯と会った時から、体がこのような反応を示していたのだろう。峯はそう確信していた。
「峯……いれてくれ……」
「はい」
挿入の仕方は何となく分かる。形状は一番太い部分を入り口に挿入すればいい話だろう。なのでそれを大吾の尻に向けると、ゆっくりと近付けた。
「はぁはぁ……峯……」
大吾は待ちわびているのか、甘えるような声で名を呼んでくる。それが耳によく入った峯は、息が荒くなっていく。声を改めて聞いて興奮をしているのだ。
まずはエネマグラにローションを垂らすと、満遍なく塗りたくっていく。そしてローションに塗れたことを確認すれば、それを大吾の尻に向ける。やはり大吾の尻のそこは、期待により相変わらず収縮を繰り返していた。
「大吾さん、挿れますよ……」
ぬちゅり、とエネマグラを挿入していく。入り口に当たったところで大吾が弱く喘ぐ。もはやそこを峯に触れられただけで、感じてしまうらしく。
「っ、あ、ア……」
「……どう、ですか、大吾さん」
「少し、気持ちいい……」
このようなもので善がるとは、峯は嫉妬をしながらエネマグラを入れた。物自体は小さめなので容易く入ってしまえば、大吾の中に収まる。出入り口に、栓のようにはまってしまう。
手を離した峯が大吾に「入れましたよ」と言う。それを合図に、大吾が四つん這いの姿勢を止めた。だが体を少しでも動かすと、エネマグラがちょうど前立腺を刺激してくれるようだった。体をくねらせ、そして大吾は喘ぐ。
「ッあ! ぁ、あ……峯、きもちいいっ……!」
早くも涙を垂らしながらそう言ってくれれば、峯は舌なめずりをせざるおえない。大吾の今の姿は、官能的だという言葉しか出ないからだ。
大吾は膝立ちができないのか、ベッドの上で仰向けに転がっていく。そして顔を赤らめながら息を荒げている姿は、何と魅力的なのだろうか。時折に、赤い舌を覗かせている。
それを見た峯は、大吾の上に覆い被さる。膝裏を持ち上げ、わざと体を揺らした。大吾の中ではエネマグラまでも揺れ、余計に前立腺を刺激していることなのだろう。何度も上擦った声を上げながらも、こちらを見る。さぞかし、興奮していると思っているのか。
対して興奮するのは当たり前である。大吾のその姿に、目を奪われない訳がない。
「本当ですか? ……あぁ、ちんこをこんなに勃たせて……」
男である大吾の肝心の股間を見れば、性器を見事に勃起させていた。喜んでいる証拠である。
しかし峯自身の手で直接勃起させられなかったのは残念であるが、それでも大吾のこのような姿は何度見ても飽きない。何度見ても、性的な刺激があるからだ。自身の股間を見れば、下着の膨らみ部分がしっかりと濡れている。なので大吾にそれを見せつけた。
「見てくださいよ大吾さん。俺、こんなに勃っちまってるんですよ」
「ぁ……あ、峯のちんこ……」
驚くばかりか恍惚の表情を浮かべる大吾に、峯は思わず溜め息をついた。ここまで、自身の性器のことしか考えられなくなっているのか。
「パンツ、脱げよ……」
「えぇ、勿論」
下着のゴムに指を引っ掛けてから、素早く下にずらした。するとよく勃起している性器が飛び出た。しっかりと上を向いており、そして先走りを垂らしている。大吾に欲情している証拠だ。
「ァあ、峯のちんこ、おっき……」
そう言いながら大吾が起き上がろうとするが、中のエネマグラが悪さをするようだ。前立腺を容赦なく刺激し、大吾を喘がせる。
「やらぁ! 俺、まともに動けない!」
文句を言いながらも、大吾の下半身はどんどん膨らんでいく。言葉と現象が真逆の方向である。
そこで大吾が、体をなるべく丸めながらエネマグラを排出しようとした。しかし上手く抜けないらしい。ひたすらに、前立腺にエネマグラをぶつけるだけだ。
「ですが、気持ち良いのでしょう?」
「ん、ん……」
反論ができなくなっていた。言葉を詰まらせた後に、大吾がゆっくりと四つん這いになっていく。時折に体を震わせていたが、その必死な姿が可愛らしい。そう思いながら大吾を凝視した。
「抜いて……峯、抜いて……」
「いえ、大吾さんがそれを使いたいと言ったのでしょう?」
更に反論ができなくなった大吾は、エネマグラに手を伸ばした。そして取っ手に手が触れるが、大きく当たってしまったらしく前立腺がまたもや刺激される。大吾は喘ぎ、そしてベッドにうつ伏せに倒れてしまった。尻が、微かに震えている。
「大吾さん、俺のを何とかして下さいよ。こんなに勃っちまってるんですよ? 見てくださいよ」
「ん、ん……見たから……峯のでけぇちんこ、見たから……だから、抜いてくれ……」
「嫌です」
即答をすれば、大吾の中にあった期待が折れてしまったらしい。小さく「そんな……」といいながら、大吾が自らの股間に触れる。自慰でもするつもりなのか。
ハッと気付いた峯は、大吾の手を無理矢理に止めてから勢いよく仰向けにさせる。見れば衝撃でエネマグラが前立腺を強く押していたらしい。大吾は達してしまっていた。腹や胸に精液が飛び散っている。
「エッロ……」
そう呟いた峯は、大吾の体の上に再び多い被さるとエネマグラに手を伸ばした。これで、大吾をいじめたくなったのだ。
「大吾さん。ここ、動かしてもいいですか?」
「だめ、峯……! そこは……ッは、はぁ、あ、ぁ! ゃだ、そこ、気持ちいいから! ァ、あ、ん……ん、ん!」
そう言いながら大吾が拒否をするが、顔は蕩けきっている。顔や肩までも赤くなっており、そして白い肌には精液が散っていた。卑猥だ。
「動かしますよ」
もはや口角が上がることが止まらないまま、エネマグラを揺らした。すると大吾が再び射精をし、体を更に白く染め上げていく。その姿はもはや美しい。白い肌や、滴る白濁液が。
すると大吾が背中を反らしてから顎を大きく上げた。これは、果てる予兆なのだろうか。
「ぁ、あ! イく! イくからぁ!」
「イってくださいよ」
そう言った瞬間に、大吾の股間から白濁液が噴き出した。もはやエネマグラだけで達したのだ。大吾は眉を下げながらこちらを見ているが、誘惑しているようにしか見えない。なのでエネマグラは抜かないまま、大吾の体を抱きしめた。キスをする。
「っふ、ふぅ……んん……ん、んぅ……!」
体をわざと揺さぶってみれば、大吾の口から熱い息が注がれる。更に口腔内が熱くなっていくなかで、舌を突き出した。整った歯列を丹念になぞれば、大吾が息を漏らしていく。唇を合わせる余裕が無いからなのか。
中はやはり気持ちいいのか、大吾の唇から唾液が漏れていく。それを吸い上げながら、舌を捕らえた。唾液でぬるついている舌は、とてもいい感触であった。熱いうえにこちらに従順に舌を捕らえられていったからだ。
「ん、ん……ふ、ふぅ……ふ……」
そして互いに唾液を送り合えば、二つの唇でできた結合部から唾液が垂れていく。自身の顎に伝った後に大吾の首元に落ちれば、より体液に塗れることになる。何と、淫猥な姿なのだろうか。
二人の唇や舌が何度も合わさっていくうちに、じゅるじゅると水音が鳴る。それくらいに、唾液をよく分泌していた。大吾がそれくらいに興奮してくれているのだと嬉しく思いながら、唾液を強く啜った。衝撃で大吾の体が揺れ、そしてエネマグラが前立腺を刺激する。大吾は容易く達してしまう。
「ん、んんッ!」
「っは、はぁ……大吾さん……可愛いですよ……」
そこでようやくキスを終えた峯は、そこで唇を大吾の顎にまで落とした。唾液で湿った顎髭を舌でざらりと舐めれば、ちくちくとする。痛い。そして首元にまで達すると、首のラインや喉仏をちろちろと舌でもて遊ぶ。
「っは、は……みね、もう、おれ、げんかい……」
「何がです?」
頭上から大吾の苦しげな声が降ってくるが、わざと知らない振りをした。本当は知っているのだ。大吾が、自身のものを欲していることを。しかしまだ大吾の体を弄り、そして気持ち良くさせたい欲求がたくさんある。まだ、大吾の体を楽しむには足りないのだ
なので峯はわざと首を傾げながら、喉仏を軽く噛んだ。大吾の肩がびくりと跳ね、エネマグラによって生み出される快楽の中に簡単に沈んでしまう。
「ア! あ、ぁ……!」
大きな声で喘いだ大吾は、そのまま下半身を膨らませる。だがそこで大吾は震える手を動かしてから自らの股間を握った。そして強く握ることが分かるが、これは少し苦しげな顔をしているので判明する。大吾は、これ以上射精をしないようにしているのだ。必死に股間を握り、精液の逃げ道を物理的に塞いでいく。
その様が何とも良いのだろうか。
「っぐ、ァ……はぁ、峯……峯……!」
「大吾さん、ご自身の手でせき止められるとでも? では試してみましょうか。分かって頂きましょうか」
必ずこの大吾の手を放して見せる。そう思った峯は、首から胸へと唇を移動させた。目の前には、まだ熟していない乳頭がある。
「大吾さん……そういえばここ、あまりいじってませんでしたね」
「俺は、そんなところじゃ……っ、擽ったい」
大吾が言葉を吐いている途中で乳頭を舐めてみれば、擽ったそうにしている。小さく笑ったのだ。やはりここは何度も調教しなければならないのかと思った。しかし調教をするならば、今からでも遅くない。
なので乳頭を口に含むと、飴のようにぺろぺろと舌を滑らせていく。それでも、大吾は擽ったそうにしていた。対抗心を燃やした峯は、何度も何度も舌を這わせるが、大吾の反応は変わらない。
諦めるしかないのかと思いながら軽く噛んでしまう。すると頭上から大吾の妙な声が聞こえた。
「ひっ……!?」
「ひっ? 大吾さん?」
頭を上げてみれば、そこにはまだ耐えている様子の大吾。そして股間を見れば、僅かに手の力が緩まっているのが分かった。もしや、乳頭を舐めるのではなく噛むことが正解なのかもしれない。
回答を導き出した峯は、早速にもう一度乳頭を軽く噛む。すると大吾からまたしても変な声が出た。
「や、やめろ……! 峯、そこは……!」
「そこは、何です?」
そう聞きながら何度も乳頭を軽く噛む。そして大吾の股間を真っ先に見れば、手がどんどん離れていくのが分かった。正解だということは、明白になる。
「大吾さん……」
名を呼びながら、噛んだ乳頭を見る。少しぷっくりと膨らんでおり、色は赤みがかっていた。軽くでも噛み過ぎて、腫れたのだろう。
「大吾さん、見てくださいよ……ここ……可愛らしくなってますよ」
「っは、ぁ! 峯! 俺のおっぱい、見るな……!」
必死に握っていた手を完全に離してから、峯の体を押し退けようとする。しかし体が動くことは即ち、腰も動く証拠だった。当然のように、未だに入れているエネマグラの刺激が待ち受けていたようだ。
大吾は体を震わせながら、快感を受ける。
「……ぅ、あ……! はぁ、ん……ん、はぁ、ァ」
「片方の乳首だけこうしているのは不釣り合いだ。両方、同じようにしましょう」
大吾の反応を無視しながらもう片方の乳頭を口に含んだ。見れば大吾が怯えているような表情をしているが、これ以上の快楽は怖いのだろうか。だが快楽とは幸せの筈だ。それを教え込む為に、まだ膨らんでいない乳頭を軽く噛んでいく。
「やぁ! ッあ、みね……! もう、やめろ!」
「どうしてです? 乳首、良いのでしょう?」
唇で挟むと、こりこりとした感覚がよく伝わる。そして腫れた方の胸を揉んでみれば、案外柔らかかった。手にしっとりと吸い付くような柔らかさで、思わず指を何度も曲げて揉んでいく。
「ッ!? みね、それも、だめ……!」
「これもですか」
溜め息混じりに返事をすると、片方は胸を揉みながら。そしてもう片方は乳頭を甘噛みすると、大吾は耐えられなくなったらしい。体が震えると共に、射精をした。今度は峯の首に精液が掛かり熱い感覚が広がると、唇を離してから首に掛かった精液の一部を指で掬う。
「大吾さんの精液は、甘い」
そう言いながら目の前で指先の精液を舐め取っていけば、大吾が恥ずかしげに「やめろよ……」と言う。
「どうしてです?」
「んなもん、苦くてまずいだろ……」
大吾の言葉に否定をしようとした。しかし言葉は通じないと思って、次は唇を大吾の股間に持っていく。フェラチオをして、直接精液を飲んで見せようと思った。大吾からしたら異常かもしれないが、峯としては普通のこと。好きな人間のものならば、どこも好きだからだ。
「ッ、ぁ、みね……!? あっ、ア、ん……!」
驚いた大吾の声をよそにして、芯を未だに持っている股間をしゃぶっていった。他の男のものなど汚らわしいのだが、大吾のものとなればやはりそうでもない。大吾の剥き出しにしている、隅々に至るまでの皮膚を愛するように、この粘膜も愛そうと言うのだ。
「ぁ、ん……ん、みね、そこ、だめ……!」
頭を掴まれるが、離せという意思はない。寧ろもっと入るようにと促していく。
男根の味は、青臭い。しかし次第に大吾の匂いがすると、落ち着きそして味が変化するように感じた。どこか、美味いような気がするのだ。それは噛むことで味が出るのではなく、匂いで味が出ているようだった。
舌の根を越え、喉のあたりまで大吾のものが来る。どくどくと脈打っており、口腔内で迎えるのが嬉しく思えた。夢中で頬張ると、まずは竿の大きさを確かめていく。
大吾とて、女を何度も抱いたことのある人間だ。そうならば大きさもそれなりにあり、何と言ってもよくしなっている。相当に女を啼かせてきたのだろう。そう思いながら、竿の太さや長さを舌で確かめる。
「ぁ、あ……みね、きもちいい……みね……!」
先程の否定は何だったのだろうか。そう思うくらいに、陥落が早い。ここも敏感なのかと裏筋をまずは責めていく。舌先でべろりとなぞっていけば、頭を掴む力が強くなる。髪を引っ張られてもいて痛いが、それが気にならない。それよりも、大吾がこうして喘いでいる声を聞いていたいのだ。
上目遣いで大吾を見れば、顔を歪ませていた。そして目が合うと恥ずかしげに目を逸らすのだが、亀頭をちゅうちゅうと吸えば顎が少し浮く。相当に気持ちがいいのだろう。そう観察し続けていれば、大吾がこちらを見て恥ずかしげに睨んでくる。可愛らしいことこの上ない。
「みね、おまえ……!」
目で笑うと、大吾の睨みが更に強くなる。しかし顔を真っ赤にして髪を乱れさせているので、峯としては全く効果がない。寧ろ性欲を更に煽るだけだ。このような大吾を早く抱きたいと。
亀頭はぷっくりとしており、とてと弾力がある。舌でそこもよく辿っていけば、大吾の顔の赤らみが強くなった。同時にどんどん膨らんでいけば、自身の口腔内で射精をした。大吾が体を震わせたのだが、中に埋まっているエネマグラが悪さをする。前立腺への刺激も同時に受け、大吾の喉からは声なのか分からない音が聞こえた。
口腔内にたっぷりと大吾の精液が注がれた。やはり先程舐めた通りに甘く、夢中で舌の上で転がしながら喉に通していく。何と幸せなのだろうか、そう思いながら精液を全て飲み込んだ後に大吾のものをゆっくりと解放する。大吾は、もはや驚いた顔をしているように見えた。男の精液を飲んでしまったのかと。
「おまえ……全部飲んで……」
「えぇ、勿論です。美味しかったですよ」
見れば大吾のものの角度が下がってきているように見える。もうじき、枯れるのだろう。だがこのまま枯れさせてから、雌のように果させたいと考えていた。なので次は大吾のものを頬張るのではなく、竿を隅々まで綺麗にするように舐め始める。これも、大吾は恥ずかしげにしていた。
頬の皮膚に大吾のものが当たる中で、根元や袋までも舐め始める。ここは特に汚れていないのだが、それでも舌で感じてみたかった。袋はぱんぱんには膨らんでおらず、ここを見てもやはり精液が枯れる予兆が分かった。
「大吾さん、女みたいに、イかせますからね」
「おんな……?」
自身の言う例えが分からないらしい。
しかしこのまま疑問を放置するのも悪くないと思い、そのまま二つの袋を唇で挟んだ。目の横には大吾の赤黒いものがあるが、それまでも美しいと思える。もう、ここを男性器としてまともに運用することなどないのだが。
「大吾さん……大吾さん……」
うわ言のように呟きながら、大吾のものの根元にある袋を吸っていく。すると気持ちがいいのか、次第に体が揺れていく。だがまたしてもエネマグラの存在により、強い快楽を得たらしい。すぐに精液を垂らしてしまい、峯の首や肩に撒き散らされる。熱いのだが勿体無い。そう思っていれば、大吾のものはすっかりと萎えてしまっていた。
「っは、みね……おれ……」
「大吾さん、ここからが、本番ですよ」
そこで峯は目をぎらりと光らせれば、大吾の下半身から顔を離した後にティッシュで首や肩に掛かった精液を拭き取る。そして大吾の体を押し倒せば、エネマグラの刺激で大吾が困った顔で喘いだ。
「や、ゃあ! ひどく、しないでぇ!」
「大吾さん……」
自身の性器を見れば、我慢の限界を迎えていた。大吾のものと同様に赤黒いそこは、破裂しそうなくらいに膨らんでいる。勃起の仕方は自身としては完璧であった。完全に勃起しており、よく反れているのだから。
それを見せつければ、大吾が途端にうっとりとする。自身の性器を見て、貫かれることを想像でもしたのだろう。
「ほら、大吾さん、こういう時は、何て言うんでしたっけ?」
言葉を促せば、大吾の口から容易く答えが返ってくる。
「ん……みねの、ちんぽを、おれのけつまんこに、いれてほしい……おれを、ぐちゃぐちゃに、してほしい……」
「よく言えました。しかも、けつまんこだなんて……」
まさかここまで来るとは思ってもいなかった。峯としては大満足だ。大きな笑みを浮かべながら大吾を見れば、嬉しそうな顔をしている。
なのでご褒美としてエネマグラをようやく引き抜いた。大吾は腰を震わせ、そして尻は寂しげにしている。穴を見れば、ぽっかりと穴が空いているからだ。
「みね……」
大吾自ら膝を広げれば、恥部がよく見えるようにしていた。まさに淫らな姿に、うっかり射精しそうになる。大吾のこのような姿を見るだけでも、大きな興奮が湧いてしまうからだ。
「大吾さん、はぁ、はぁ……」
腰を強く掴めば、大吾が期待の眼差しを向けてくる。萎えていてもなお、自身の性器が来ることを待ってくれているのだろう。峯は嬉々としながら性器をぴとりと穴にあてがった。
「あ、ぁ……くる……」
大吾がゆるゆると手を伸ばし、そして腰や背中に手のひらがつく。自身の逞しい部位や麒麟に触れられると、興奮が更に増していった。そのまま勢いよく、性器を挿入した。ずちゅりと音が鳴る。
「あ、あ……! きた……! みねの、でっかいちんぽ、きたぁ!」
大吾がとても嬉しそうにそう言えば、唇からは唾液が垂れてきた。もはや何も制御できない状態なのだろう。顔を近付けてからその唾液を舌で掬ってから飲み込む。そして腰を進めていった。先程までエネマグラが入っていたこともあり、すんなりと進んでいく。
「……ッや! ァ、あ! はぁ、あ、ん……ん……!」
ずるずると自身の性器が見えなくなっていくと、そのまますんなりと全て入ってしまっていた。大吾の体の中に、自身の性器を挿し込んだのだ。またこうして繋がれたのだ。互いの体が、ぴとりと密着する。
「大吾さん……!」
あまりの嬉しさに、峯は突撃に腰を強く振り始めた。破裂したかのような乾いた音が鳴り始め、そして大吾の良いところを突く。性器を引かせた際に、前立腺は勿論であるが結腸までも届き始めた。次第に、乾いた音の中に臓器を突くような音が聞こえていく。
大吾の熱い粘膜に包まれるが、気持ちがいい。このまま果ててしまいたいが、せっかくなら結腸までも届かせたいと思えた。何度も何度も、結腸の辺りを叩く。
「ぅ、あ! ア! みね、もう、イく!」
「もう、ですか! っふぅ、ふぅ、まだ、俺は……!」
大きく腰を引かせてから、思いっきり性器を叩きつけた。すると臓器を殴るような音が鳴り、粘膜の奥のくびれのような部分に当たる。結腸に辿り着いたのだ。その瞬間に精液を叩きつけ、どくどくと大吾の腹に精液を送っていく。途中で大吾の粘膜までも、脈打っているような気がした。
「っう、お……! ぁ、あ……! みね、そこ、きちゃだめ……!」
「どうしてですか? けつまんこに入れて欲しかったんですよね? ぐちゃぐちゃに、して欲しかったんですよね?」
そう言えば、大吾は否定をできないようだった。首を振ることなく、ただ視線を逸らす。
「たまに素直じゃない貴方も、俺は好きですよ」
唇をそっと合わせてから、再びずるずると性器を引かせた。隙間から精液が出てくるが、それを引っ込めるように性器を強く挿し込む。大吾の喉からは悲鳴が聞こえた。
「ッアぁ!? ぁ、あ……! みね、もう、そこらめ……!」
「あぁ……大吾さんのけつまんこは気持ちがいい……!」
大吾の制止の声など無視して、ぱんぱんとピストンを始めた。中では精液をかき混ぜる音がして、卑猥な音が部屋中に鳴り響く。
そして峯の吐息は、次第に普段は見せないような雄々しいものになっていた。低い息を吐き、そして声は地を這うように低い。それを聞いた大吾の中が、強く締まったような気がした。
大吾は顔を真っ赤にさせ、そして唾液を垂らしながら峯に抱かれている。股間のものが萎えていてもなお、それでも達しようとしているのか握り始めた。そして扱いていくが、何も反応がない。少しの絶望をした後に、股間のものを放置して峯に抱かれることに専念した。峯の背中、麒麟に必死にしがみつく。
「お、お……! そこ、おれ……! ぉ、ぁ、あ! は、ぁん、ん!」
「大吾さん、大吾さん……」
もはや峯は大吾に愛の言葉など囁く余裕がなかった。ひたすらに名を呼ぶと、腰を何度も振っていく。一方の大吾も腰を揺らして結腸を何度も突かせていたが、その度に射精感が高まった。そして遂に限界を迎えたので腰の動きを止めてから射精をすれば、精液が放出される度に大吾の腹の辺りが膨れていく。これは精液を注ぎ込まれたせいなのだろう。しかし大吾も峯も、それを見て嬉しげにしていた。腰を何度も震わせる。
「ぉ……お……! みね、おれの腹が、どんどん……」
「このまま、妊むといいのですが」
普段の峯としてはあり得ないことを言いながら、腰を動かした。結腸をどんどん責めていくほどに、大吾の目が次第に閉じていく気がする。射精しないので分からなかったのだが、どうやら大吾は何度も絶頂、いや空イキを繰り返していたようだ。気が付かなかった。
峯は反省を少しはした後に、腰の動きを緩めた。そして止めた後に、ずるずると引かせてから強く叩きつける。大吾の喉からは声でも音でもなく、空気のみが漏れた。
「かはッ……!」
「っふぅ、大吾さん……!」
その瞬間に一段と強く締め付けられ、峯は達した。精液をどんどん注ぐが、それでも峯のものは未だに勃起していた。だがこのままでは、大吾の体に更なる負担を掛けてしまう。
まずは性器を引き抜くが、注ぎ続けていた性器が氾濫のように流れてきた。シーツを大きく汚した後に、自身の性器と大吾の体を見る。大吾は全身を痙攣させており、天井を見ていた。呆けているのだろうか。
性欲とは三大欲求の一つであるが、それを鎮めるにはやはり正当な方法しかない。なので勃起した性器を大吾の顔に近付けた。
「大吾さん、後で綺麗にしますから……」
そう詫びながらも、性器を扱いた。ぼーっとしている大吾を見ながら行う自慰は、相当に良かった。すぐに射精感が込み上げると、大吾の顔一杯に精液を撒き散らす。大吾の顔が、自身の精液に塗れた。
「あ……あつい……みねの、ザーメン……」
気が付いたようで、大吾は嬉しそうに舐めていた。自身の性器はそこで鎮まるが、冷静さをそこで取り戻してしまった。大吾の姿を見て、後悔しかない。
「だ、大吾さん……」
そして次は愛しげなものではなく、顔を真っ青にしながら峯は大吾の名を呼んだのであった。そして傍らには、ずっと挿入していたエネマグラが落ちていて。