七日間分

七日間分

ある休日の、まだ朝と言える時間のことだ。
明け方から今でも雪が降り続いているので、外は暗かった。この時間帯でも、部屋に灯りを点けなければならない程に。
どうやら二人は外へ出るのが億劫なようで、どこかへ出掛けずに家に一日中居ることにしていた。天気予報では一日中雪が降るとの予報もあってか。

二人は出社日よりも少し遅く起きた。だが起きたときから夏侯惇の機嫌は悪く、それの心当たりを于禁は思いつかないらしい。なので于禁は、何か仕事絡みのことで機嫌が悪いのだろうと判断した。
その理由は、夏侯惇とは朝起きてからは必要最低限の会話のみをしていたが、夏侯惇はそれにきちんと返事をしていた。それも于禁に対して怒ったような口調もせず、淡々と。
二人は今は照明の点いたリビングに居る。夏侯惇は二人掛けのソファーに横になり静かに文庫本を読んでいて、一方の于禁はダイニングテーブルにノートパソコンを置くと、それに向かうように椅子に座り、まだ急いでいない資料を作っていた。
しかしリビングで于禁のキーボードをカタカタと叩く音のみが聞こえてから数十分後、夏侯惇は本をまだ途中なのにも関わらずパタンと閉じた。于禁はそれを横目でチラリと一瞬見て、ノートパソコンの画面にすぐ視線を戻す。そしてまたカタカタとキーボードの音を立てていると、夏侯惇が近付いてきた。于禁は何だろうと、視線をノートパソコンから夏侯惇へと移した。
夏侯惇は途中で閉じた文庫本をノートパソコンの横に置くと、口を開いた。
「お前に話がある」
「はい」
夏侯惇の口調はいつも通りだ。内心ホッとしている于禁は返事をすると、すぐにノートパソコンを閉じて立ち上がる。
「着いてこい」
「はい」
夏侯惇はそう言って寝室へと向かうので、于禁は何も聞かず着いていった。
カーテンが閉まっている薄暗い寝室へと入ると、肌寒かった。于禁はぶるりと体を震わせる。
部屋の照明も点けず夏侯惇はベッドの縁にどかりと座り、自分の隣に座れという合図なのか、ポンポンとベッドを無言で叩く。于禁はそれを見て察した。
「いかがなさいましたか?」
隣に静かに座った于禁は、ようやく夏侯惇に用件を聞く。
「お前は俺に飽きたのか?」
「……えっ?」
于禁は数秒の沈黙の後に気の抜けた声が出たので、それを訂正しながらもう一度聞き返した。機嫌の悪い様子の夏侯惇に溜息をつかれながら。
「あの、先程は何と? ……私の聞き間違いでしょうか?」
眉間に皺を深く寄せた夏侯惇は、于禁の両肩を掴んだ。そして相当怒っている表情へと変える。
「俺に飽きたのか聞いているのがな」
掴んだ両肩を強く掴みながら于禁にそう言った。だが于禁は何のことか理解できず、上手く言葉が出なかったようだ。夏侯惇にひたすら両肩を掴まれているままで。
「答えてくれ……」
于禁からの返事がない夏侯惇は、顔をがっくりと伏せた。そこで于禁はようやく返事の言葉が出せたようだ。なので于禁は労るような声音で答えた。
「夏侯惇殿、何の話でしょうか? 私はそのようなことを一言も言ってはいませんが」
「それは違う……」
顔を上げようとしない夏侯惇はそう呟く。だが于禁は疑問に思っているので「なぜ飽きたのか」と言ってきた理由をはっきりと聞いた。
「なぜ私に『飽きたのか』と? 何かあったのですか?」
「……それはな、お前にしてはおかしいだろ。丸々一週間、ずっと俺を抱いてくれないのは……俺から、何回も誘ったのに……」
真剣に聞いていた于禁だが、それを聞くと何も喉に通してないのにむせた。夏侯惇の言う通りで一週間、二人にしては珍しく性行為をしていないのだが。
「そのようなことであなたは……」
「そのようなこと、とはどういうことだ……」
ようやく夏侯惇は顔を上げると悲しげな表情に変わっており、すぐに于禁と顔を近付けた。
「俺の体に飽きたのか?」
「……なぜですか? 私があなたの体に飽きるはずが無いでしょう」
于禁は夏侯惇を慰めるため、抱き締めようとしたが手を払われる。
すると夏侯惇は于禁をベッドの上に押し倒した。そしてベッドの上に仰向けに倒した于禁の手首を掴み、逃さないと言わんばかりの体勢になった。だが押し倒された于禁は抵抗も何もせず、じっと夏侯惇の目を見る。
「俺としなかった理由は?」
「……最近はあなたが気を失う程にしてしまって、あなたとあなたの体に無理をさせてはよくないと思って、それで自制を……」
于禁は視線を伏せるが、夏侯惇はそれをじっと見つめていた。
「俺はやめろとは一言も言っていない。そうだろ?」
「はい。ですが……」
「俺は、お前に抱かれるのが好きだ。それに誰だって、好いてる者とのセックスが好きなのは当たり前だろう? お前も例外なく」
于禁は黙った。何も言葉を返せなくなったらしい。夏侯惇の言葉が正論過ぎたのか、伏せていた視線を、白い天井へと変えていた。
「俺はお前のせいでもう限界でな」
すると夏侯惇は、于禁の部屋着のズボンと下着を降ろす。
それに于禁は瞬時に抵抗したが、鋭く睨み付けられて抵抗を緩めてしまっていた。だがむき出しになった于禁の雄は萎えている状態なので、夏侯惇はそれを見て盛大な舌打ちをする。
「今からヤるぞ。まずはお前のを勃たせる」
すると突然のことに驚き、抗議の言葉がなかなか出てこない于禁をよそ目に夏侯惇は于禁の芯を持っていない雄を、うっとりとした目で見つめる。
「はぁ、これでも大きいな……」
そう言うと舌を這わせた。先端の鈴口を舌先で抉るように突くと、ほんの少しの口淫により于禁の雄は芯を持ち始める。于禁の雄がむくむくと大きくなっていくと、次は飴玉を舐めるかのように舌を動かす。
「うっ……!夏侯惇殿、あの……!」
于禁は戸惑いながら名を呼ぶが、夏侯惇は上目遣いで顔を見た後、雄の方をまた見ていた。くびれにまんべんなく舌を巡らせる、そのときには、于禁の雄は勃ち上がっていた。
そうしていくうちにくびれが唾液塗れになると、次は竿へと降りていく。唾液を垂らして横から咥えたり、溶け始めているアイスを舐めるかのように、裏筋を舌で舐めていった。
時折唇で裏筋を吸われると于禁は口元を手の甲で抑え、射精を我慢した。それをちらりと見た夏侯惇は目で笑うと、竿までも唾液でぬらぬらと卑猥に光らせる。
そして最後に二つの袋を片方ずつを舌を這わせたり、吸ったりしていた。それをうまそうにしゃぶる。裏筋を舐められた時点で既に我慢が効かなくなっていて、袋を舐められた瞬間に于禁は先走りを垂らす。
「よかったか?」
夏侯惇は勃ち上がっている雄の根元にリップ音を立てながらキスをすると、于禁は微かに息を上がらせながらふるふると首を横に振った。夏侯惇は眉間に皺を寄せる。
「ほう、やはり今のでは物足りなかったか」
「違い……うっ……!」
于禁はあまりの気持ちよさに限界だと言いたかったらしいが、言葉の途中で先走りを舌先で掬い飲むと、先端を口で吸うと咥え込んだ。頬の内側で包むと、舌をぬろぬろと動かして先端より下の部分を刺激する。
「あの、夏侯惇殿……ぐ、ぁ……」
夏侯惇はわざとじゅっじゅっと大きく下品な音を立てて上目遣いで于禁を見ながら頬を動かす。于禁は眉間に皺を寄せると、夏侯惇を離そうと頭を掴んだがあまりに口淫が上手かった。
夏侯惇は于禁の弱い部分を知り尽くしているからだ。逆もまた然りなのだが。
なので于禁はもうどうしようもなかった。
「あっ、夏侯惇殿、ぁ、ぐ、まっ、うっ……!」
すると于禁は口腔内で射精したようだ。それも濃く粘ついた精液を。
夏侯惇は少し苦しげな表情をした後にその精液を、飲料水を飲むようにどんどん喉へと通していき飲み切ったようだ。
だがそれでも于禁の雄を解放しようとはしなかった。次は更に雄の先端を喉の奥へと入れるように、ぐいぐいと入れていった。さすがに根元までは入らないのかえずいていたが。
「んうっ、ん、ふぅ……」
すると限界まで入ったらしい。夏侯惇はかなり苦しげな声を出すが、于禁はあまりの気持ちよさに離そうと掴んでいた手の力を緩めてしまっていた。
夏侯惇の頬の内側と喉は于禁の雄をよく締めていた。狭くぬるついており、それに生暖かいのでよく締まる尻穴と錯覚するほどに。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
次第に于禁は、夏侯惇から与えられる快感を拒否できなくなっていた。目を閉じて夏侯惇の髪を梳くように頭を撫で始め、呼吸を乱す。時折ガクガクと太腿を震わせながら。
それをチラリと見た夏侯惇は、ゆるゆると顔を引くと同じ速度で顔を沈めた。再び顔を引くと次は素早く顔を沈め、その繰り返しをした。
「んむ、んっ、んぶ、んぶっ、んっ、ん、ん」
夏侯惇の口腔内には粘ついた唾液と精液が混じり、じゅぽじゅぽと卑猥な音が鳴っていた。すると再び于禁は射精をしたので、夏侯惇は再びそれを飲み込もうとするが飲み込めなかったらしく、口の端から精液と唾液を大量に垂らすとようやく于禁の雄から口を離した。
夏侯惇は激しく息切れをしているが、口の端に垂れている粘ついた液体を舌で舐め取った。
「……はぁ、はぁ、はっ、あれだけでは、お前は満足していないのか。それなら俺を抱くか?」
そう言って夏侯惇は息切れを引き摺ったまま服を脱ぎだした。そして下着も全て脱いだところで、于禁の手を引き体勢を逆転させると手を伸ばして腰を抱いた。
于禁は喉をごくりと鳴らした。一週間ぶりの夏侯惇の淫らな裸体を見てかなり興奮したようだ。于禁のぬるついた雄は腹に着きそうだった。
「夏侯惇殿……」
ようやく于禁はやる気になったらしい。残った服を脱いで荒い呼吸になりながら目の前の裸体見つめると、夏侯惇はニヤリと笑ったが、于禁から見たら妖艶な表情をしていた。
「早く、俺をめちゃくちゃに犯してくれ……」
夏侯惇は両脚を開くと雄も尻穴も、全て于禁に見せる。夏侯惇の雄は芯を持っており、尻穴はきつく閉じられているが于禁を誘うようにひくついていた。
「……えぇ、お望みのままに」
于禁はサイドチェストからローションを取り出して手の平に垂らすと、ぬちゃぬちゃと指に馴染ませた。その音を聞いて夏侯惇の腰は自然と揺れる。
「指でもいいから、早く……」
夏侯惇は自分の膝裏を上げ、尻穴に指が入りやすいように更に于禁に見せる。売女のような仕草をした。于禁はそれに応じるように尻穴に右手の人差し指を埋め始める。
「拡げてくれ、早く、早く……ぅあ! あっ、ん……」
一週間も尻穴を弄られていなかったのでまずは一本の指を、第一関節から第二関節まで入れる。しかしまだ排泄器官から淫らな性器へと役割を変えていないのか、穴はかなりきつく入った指を拒むばかりだ。だが于禁はそれでもゆっくり指を進め、尻穴の抵抗が少しずつ無くなってきていた。
「んっ……ふ、ぅ……」
ようやく第二関節まで入ると、夏侯惇はゆっくりと深呼吸をした。
「確か胸も、されるのお好きのはずでしたが」
人差し指を尻穴に埋める間、于禁の顔は夏侯惇の胸元へと向かうと、上げられていた両膝をおろした。両膝を上げていた両手は、自然とシーツを握りしめる。
すると左の方の粒や周りをまるで果実を味わうかのように舌で舐め始め、もう片方の右の粒は指先でぐりぐりとこねると、夏侯惇の胸の粒はこりこりと立った。
「ぁ、あっ、すき、そこ、すき、もっと、そこ、やっ、あっ、ア、あぁ!」
胸元を刺激しながら尻穴に入れる指の本数を一つ増やすと、指をきつく締める。なので于禁はそれに対抗するように、指の関節をバラバラと動かした。
「あっ……ア、ぁん、んっ! ぁ、どうじにやめ、あっ、アっ、あ、ぁ、あぁ、あっ、ひ、ぁ」
尻穴からは指でローションをかき混ぜる音が聞こえてきた。
「柔らかくなってきましたな」
于禁は舌で粒をベロベロと舐めながらそう言う。そのとき于禁は上目遣いで夏侯惇を見る。だが夏侯惇は自分の胸さえも刺激を与えられている光景を見るのは恥ずかしいようで、それから視線を逸し、右斜めを見ていた。
「ん、ぁ、しゃべりながら、やめ、あ、ア、あっ、や、イく、あぁ、あっ、あぁ! あ、やめ、イく、あっ、イく! ぁ、ひっ、ア、イく! あぁ、ひぁ、イく、あっ、あアっ!」
指を増やし、三本の指をバラバラと動かすと、夏侯惇の背中が反ってきた。于禁はとどめに、と舐めていた右の粒を吸い、指先でこねていた左の粒をぐいぐいと引っ張る。それに尻穴に入れていた指三本を高速でピストンさせると夏侯惇は勢いよく射精した。互いの腹にかかると、于禁は胸への刺激を止め、尻穴に入れていた指を引き抜く。
「ん、あ、あぁん……」
于禁は仰向けになっている夏侯惇の両膝を立てる。ひくひくと伸縮している尻穴を片手の指でくぱりと開くと、指によるピストンで泡立ったローションがどろどろと流れ出た。それを指でちゃぷちゃぷとわざと音を鳴らすと、夏侯惇の腰が揺れた。見えている桃色の卑猥な粘膜に息をふっと軽く吹きかけると、尻穴は激しく伸縮し始め、夏侯惇は弱く喘ぐ。
「あ……ぁ、んっ」
そして胸の粒は口で吸われたり引っ張られるなどとしていたので、両方とも赤く腫れていた。今は刺激を与えられていないのに、粒は未だに立っている。
「……良い眺めで」
于禁は舌舐めずりをすると、自分の腹にかかって垂れている精液を指で掬い、夏侯惇の激しく上下している両方の胸の粒へと塗りたくる。先程の胸の粒への刺激により赤く腫れていたので、精液の白色と夏侯惇の肌の色により、その赤がよく映えていた。
「やっ、あ、ぁ、ちくび、もうやめ……」
「そのお姿、よくお似合いですよ」
熱っぽくそう于禁が言うと、夏侯惇は自分の胸を見て更に顔を赤く染めた。
「もう、いいから、于禁と、ひとつになりたい……」
夏侯惇は未だに息を上がらせつつ、自ら尻穴を指で広げる。まだ残っていた泡立つローションが流れ出ると、両脚を于禁の腰へと絡ませた。
「私もです」
興奮により息を荒くした于禁は、コンドームの封を開けて勃っている雄へとぴったり纏わせた。そして覆い被さると、ずっと雄が入ってくるのを待ちわびている尻穴へと宛てがう。先端が尻穴に触れるとかなり柔らかいらしく、ずぶずぶと雄が埋まっていった。
「う、ぁ……あ、あぁ、あっ……」
夏侯惇の柔らかい尻穴は、先端のくびれなどいとも容易く飲み込んだ。ぐぽぐぽと中のローションの音が鳴りながら。
くびれが全て入ると、それから下の竿はずるりと埋まっていった。まるで腹を空いたからと于禁の雄を大口で一気に咥えて食うように。
「俺の中、きもちいいか……?」
根元まで入ると、夏侯惇は腰に絡める脚をぐっと引き寄せながらそう聞く。于禁はこくりと頷いた。
「はい、とても」
肯定の返事をした後、于禁は何も言わず小刻みに腰を振る。夏侯惇は突然のことだったので背中を反らしてから、小刻みに腰を揺すられる度に喘いだ。
「やめ、ぁ、あ、んっ、いきなりは、あっ、ひ! ア、やめ、きもちいいから、やめ、あ、あっ、あん、あ、ぁ」
「止めて欲しいのか、どちらですか?」
「ん、ぁ、あっ、やめないで、きもちいいから、アっ、あぁ、あっ、あ、あ、ぁ、あ、ゃ、あ、あっ」
夏侯惇は腰をくねらせ、よがりながらも何とか返事をした。
次第にずちゅずちゅと大きな音が鳴ると、雄を引かせた瞬間にまた更に泡立ったローションがごぽりと流れる。そしてまたローションを押し込むよう、雄を一気に挿入した。それにより夏侯惇は切なげな顔をしながら、小さな悲鳴を上げた。
「ぁ、ひぁ、あっ、あん!」
「何とも可愛らしい……」
すると再び腰を先程よりも大きく振りながら、顔を近付けると于禁は一瞬だけ口付けをした。すると尻穴がきゅうきゅうと締まり、于禁は思わず獣のようなうめき声を漏らす。
「ぁ、あっ、ア、らめ、あん、あっ! ん、んっ! ぁ、あっ、あ、あ、あぁっ、あ」
「うっ……!」
そのまま腰を振り続けると、射精をして雄をゆっくりと引き抜く。その瞬間に夏侯惇も射精をしたようだ。嬌声を上げながら背中をのけ反らせ、腰をかくかくと揺らした。
于禁がコンドームを外して結ぶと、夏侯惇の絡めていた脚がずり落ちる。
すると夏侯惇はもぞもぞと動き、何とかよつん這いになった夏侯惇だが、腕や脚がガクガクと震えていた。尻穴に残っていた泡立ったローションが太腿の内側にごぽりと垂らすと、もうローションは出て来なかった。それが最後だったらしい。
そして恥ずかしがる様子もなく片手で尻たぶを開くと、そのまま尻を振りながら于禁の方を見る。
「ん……ぶんそく……もっと……ぶんそく……」
しかしそのときには、閉めていたカーテンの隙間から微かに陽が差し込んでいた。外はどうやら晴れてきたらしい。その影響でか、夏侯惇の太腿の内側に垂れる泡立ったローションと、それに尻穴がてらてらと光っていた。
「私に、どうして欲しいのですか?」
于禁は喉を鳴らしながら、特に太腿のあたりをじっと見た。夏侯惇はその視線を感じながらも、とぎれとぎれに答える。
「ここに、ぶんそくの、ちんこをいれてほしい……もっと、めちゃくちゃに、してくれ……」
「よく言えましたね、元譲……」
大きく喉を鳴らした後、于禁は再び自身の雄にコンドームの封を切るとぴっちりと纏わせ、夏侯惇の腰を掴む。そして尻穴に宛てがうが夏侯惇は首を横に振り、イヤイヤとそれを嫌がった。
「なまがいい……ぶんそくのあついのがいい……」
すると即座にコンドームを外し、于禁の熱く荒い呼吸が聞こえてきた。
「ん、はやく……ぶんそく……」
夏侯惇の顔は既に蕩けていた。だが于禁の方を見る余裕も、腕や脚を震わせながら四つん這いになる体力も無くなったのか、尻を于禁に突き出す形になった。
于禁は膝立ちになると再び夏侯惇の腰を掴み、何も纏っていない雄をそのまま尻穴へと再び宛てがった。
「ぁ、お……あっ、あつい、あ……ぁ、あぁ! あつい、とける、あっ、きもちいい、あ、あっ! あァ、アッ、あ、ア、ぁ、イく、あっ、イく! あ、あぁっ!」
ずるずると根元まで入れると、すぐに夏侯惇は射精したようだ。尻を震わせる。
「まだ入ったばかりというのにあなたは……」
「いいから、はやく、ずこずこしてぶんそく……」
夏侯惇はそう強請ると于禁は掴んでいる腰を上げ、無理矢理に夏侯惇を四つん這いにさせながら奥を突いた。腹からはごぽりと音が鳴り、その衝撃で夏侯惇の体はびくびくと痙攣する。
「アっ!? あぁぁっ! あっ……ぁ、あ……」
夏侯惇は口から粘性のある涎を、雄からは薄くなった精液をだらだらと流しながら絶頂を迎えた。
今の夏侯惇は、もはや突かれただけで絶頂を迎えてしまってるらしい。于禁は雄を引き、再び奥を突くと夏侯惇がまた絶頂を迎えたからだ。
「ひ、ぁあ、あ! アん、あぁ……あつい……」
「あなただけ楽しまれては困りますが」
少しの溜息をついた于禁は雄を引き抜くと、ぐるりと仰向けに寝かせて組み敷くと、再び腹の中に雄を収めた。
「んぁ、あ……」
夏侯惇はあまりの快感の連続に涙をボロボロと流しながら、腰をカクカクと震わせた。于禁はそこで完全に理性が無くなる。
夏侯惇の両膝を持ち上げ、尻穴を天井に向ける。そしてその流れる涙を于禁は舌で舐め取った。そして舌は右耳へと移動し、耳たぶをベロリと舐めた後に熱い吐息をかけながら囁く。
「今から、交尾をしてもよろしいですか?」
夏侯惇の二つの潤んだ瞳は右耳へと向いていたが、興奮により返事ができないでいた。なので右手で于禁の頭を撫でると、于禁は耳たぶを再び舐めると体重をかけながら腰をずこずこと振った。
「んぁ! あっ、ぁ、あっ、ア、あつい、あっ! あ、あ、ぶんそく、しゅき! ア、ぁ、あっ! ん、あっ、あ、ぁ、イく、ぶんそくので、イく! ぁ、あっ、あ、あぁ、ぶんそくすき、あっ、あっ!」
夏侯惇の腹からはぐぽぐぽと音が鳴った後、于禁は中で射精をした。少し精液は薄くなっているが、それでも粘度が高めだったので尻穴からは少し漏れただけだ。
「私も、元譲が好きです……」
呼吸の荒い二人は口付けをすると、唇を離さないまま于禁は再び腰を振った。というより、打ち付けたと言う方が正しいのか、ぱんぱんと肌が激しくぶつかる音が聞こえてきた。しかしすぐに呼吸に限界が来たのか、夏侯惇は唇を離していく。
「……ぷは、ぁや、ぁ、アっ!? もうらめ、あたまおかしくなる、あん、ぁ、あっ、しりがめくれる、あっ、あ! イく、あっ、ん、ぁ! あ、ア、らめ、イっちゃう、イく、イく! イく、イく、あっ、あぁぁっ!」
「ぁ、あぁ、う、ぐっ……!」
夏侯惇はかなり薄くなった精液を撒き散らし、于禁はあまりの腹の中の気持ち良さに重く低い声を出した。すると夏侯惇はその声を聞き、続けて透明に近い精液が噴射させる。夏侯惇の体は体液塗れになっていた。
明るい日差しが微かに差し込む二人きりの部屋で、互いに密着すると抱き合いながら、獣のような息を吐いて口付けをした。
「ぶんそく……」
唇を離すと夏侯惇は小さく掠れた声で、于禁の名を微笑みながら呼ぶ。于禁はそれに応じるように呼び返す。
「元譲……」
だが于禁が完全に言い終える前に、夏侯惇はもう一度と、脚を絡めて口付けをしたのであった。