レイト・クリスマス

クリスマス当日の夜、峯は仕事をしている。本来ならばこの時間帯は大吾と共に過ごしている予定であった。勿論、高級ホテルの最上階のスイートルームをかなりの前から予約していた。夜の九時から朝までと、大吾の時間まで押さえているという徹底だってしている。
それだというのに、峯は約束の場所には居ない。都心を走る車中に居た。現在の時刻は日付が変わった頃、つまりは日付からしてクリスマスは終わっている。約束の時間を過ぎてから、大吾が待つホテルに向かっているのだ。自身で運転をしておりいつもよりも荒く、道路は渋滞をしていた。他の車からのクラクションがよく聞こえる。しかしこのまま事故を起こしてはただの恥である。なので峯は道中で何度も深呼吸をしながら運転をしていったのであった。

ホテルのフロントへとようやく到着したのは、日付が変わってから一時間が経過したところだ。かなりの遅刻となる訳だが大吾はもう帰ってしまっているのか、そう思うと心臓から嫌な音がした。ばくばくと鳴り響いている。
今すぐ携帯端末で電話を一本、遅刻したことの謝罪を入れたいのだがそのような暇はない。フロントにすぐに部屋番号などを伝えると、ようやく通される。なのでエレベーターで最上階のボタンを押すと、上に向かっている最中に壁に背中を着ける。息はかなり上がっていた。
最上階まではあと何秒なのだろうか。現在の階数の数字を追っているとそう考える。やはりこの間に大吾に電話を入れた方がいいのだろうか。携帯端末を取り出し、そして見つめる。
電話帳を開き、大吾の電話番号を凝視していると到着したようだ。取った部屋は最奥にある。緊張した面持ちで部屋の扉を視界に入れた後に、携帯端末をしまう。
「まずは、六代目に謝罪をしなければ」
汗を浮かせているが、これは暖房が効いているからではない。焦りなどの感情からきているのだ。それくらいに、峯は張り詰めていた。
エレベーターから出てから足を進めるが、この足の動きがどうにも鈍い。大吾に会うことを、恐れてしまっているのだろうか。普段ならば優しい大吾だが、それに甘える訳にはいかない。なので自身の頬を強く引っ張ってから、最奥の部屋へと歩き出した。
扉の前に着くと、手がかなり震えている。手汗だって滲んでおり、このままでは床に垂れるかの勢いだ。しかしこの手を動かさなければならない。この手を動かさなければ、大吾と会うことはできない。それらを自身に言い聞かせてから、扉に手を伸ばした。
「……六代目、峯です」
軽くノックした後に自身の名を名乗れば、すぐに扉の向こうから声がする。それは大吾のものだが、一言「入れ」と。
大吾の声はいつもと変わらないが、遅刻したので怒っていることだろう。自身から誘った後に大吾のスケジュールを裏から調整したというのに、仕事という理由でかなりの遅刻してしまった。何たる失態なのだろうか。
冬だというのに嫌な汗が止まらないが、この扉を開かなければならない。なので一気に重たくなったような手を伸ばした。扉をゆっくりと開ける。
入ればすぐにベッドが見え、横には浴室があった。浴室へと続く扉が開いているからだ。
「ろ、六代目……!」
まずは土下座をしようと思い、大吾の姿を捉えようとした。だが大吾を見れば、ベッドの縁に座ってバスローブを身に包んでいる。髪型は湯を浴びたというのに、わざわざ普段のように撫で上げている始末。その姿で小さく手招きしているようだ。見間違いかと思い一度は目を伏せたものの、大吾の方へと視線を上げる。やはり手招きをしていた。
今は土下座をする前の体勢として、前屈みになって手を床に着けるところであった。しかしそれを止めた後に、背を伸ばす。
「峯、こっちに来い」
「は、はい……」
素早く大吾の元に来れば、とても良い香りがした。現在の格好からして、この部屋の浴室の備え付けのボディソープなのだろう。つまりは、大吾は既に入浴を済ませたということだ。バスローブの隙間から覗く肌は、柔らかそうである。思わずそれを視界に入れてしまう。
「早くシャワーを浴びろ。言い訳は、その後に聞いてやる」
「は、はい……!」
言われるがままに、すぐに浴室がある場所へと向かう。脱衣所に入るなり素早くスーツを脱ぐが、その手つきはかなり乱暴だ。高いスーツであるというのに、引き裂くような勢いで脱いでいった。
シャワーを浴び終えたのは、それから約三十分後のことである。浴室から出てからアメニティのバスタオルで髪や皮膚の水気を拭き取り、バスローブを羽織った。帯を慣れた手つきで結ぶと、浴室を出る。
床に膝を着けて目線を低くした。今は、不機嫌そうな大吾に見下ろされている。
「お待たせ致しました!」
「何時だと思ってるんだ。もう、一時前だぞ」
「はい……」
勢いよく頭を下げようとした。そこで大吾がベッドの縁から立ち上がるが、ベッドの上に乗ったようだ。視界の隅でそれを把握していると、頭上から声がする。
「たしか……」
何かを探しているようだが、何を探しているのかは分からない。心臓をばくばくと鳴らしていると、大吾は目的の物を見つけたようだ。小さく「あったあった」と、少し弾んだような声が聞こえる。
「峯、お前もこっちに来い」
「はい」
ゆっくりと顔を上げるが、大吾は探していたものを見せてはくれない。隠しているようだが、何なのだろうか。そう思いながら、言われた通りにベッドの上に正座して乗る。柔らかいシーツが迎え入れてくれた。
「両手を出せ」
「はい」
目的はやはり見えないが、それでも大吾は言う通りに両手を出す。すると大吾が何かを出したが、それは結束バンドであった。あっという間に両手が結束されてしまう。
だがそれで何か文句も不満も出す訳にはいかないので、表情を出さないつもりであった。すると大吾が次の命令をする。
「足を開け」
「はい」
足を開くが、そうするとバスローブがめくれる。すぐに下半身が見えてしまうが、この状況に峯は勃起をしてしまった。それを見た大吾が鼻を鳴らす。
「遅刻した罰だ。このまま俺とセックスしてもらう」
「な……ですが……!」
「うるさい」
黙らせるように、大吾が手を伸ばして肉棒を握る。峯が出そうとしていた言葉は、すぐに詰まってしまう。
「うっ……! は、はぁ……」
「お前に今から罰を与えるんだ。大人しくしろ」
すると大吾が顔を肉棒に近付けると、上目遣いで見せつけるように舌を出して這わせた。好い箇所など熟知しているので、当然のように峯は体をびくりと跳ねさせる。
舌の動きが早くなっていくと、次第に射精感がこみ上げる。それにしては早すぎるだろうと、峯は自身の体に怒りたくなった。しかしそのような考えが吹き飛ぶようなことが起きる。途中で大吾が舌で弄ぶことを止めたのだ。
咄嗟のことに、峯は小さなうめき声を上げる。苦しさと、それに感じていることを表現するかのように。
「ぅ、あ……! 大吾、さん……!」
「まだイっていいとは言ってねぇぞ」
呆れたように溜め息をついた大吾は、肉棒にふぅと息を吹きかける。その刺激により、峯は肉棒から我慢汁を出してしまう。
早く大吾の中にこれを収めて粘膜同士を擦りつけたいというのに、それができずに息がどんどん荒くなっていく。眉間に皺が寄るが、大吾から見れば滑稽な様子にでも見えるのだろう。
何と意地が悪いのだろうか。これは遅刻した自身が悪いことであるが、そう思えてくる。しかしそれを峯は口にできないまま大吾を見た。相変わらず上目遣いでこちらを見ており、扇情的にしか見えない。
「俺が満足するまで、これは外さねぇからな」
「はい……」
苦悶の声で返事をした峯は、自身の肉棒を大吾に遊ばれる様子を再び見る。次は大吾は肉棒を咥えると、大きなリップ音を立て始めた。その音はちゅぱちゅぱと聞こえ、とても卑猥だ。
今すぐにでも大吾の後頭部を掴んでから、口腔内に肉棒を擦りつけたい。だが現在は両手が不自由の為に、肘を動かすことしかできない。
「はッ! はぁ……はぁ!」
「ん、んぅ、んぶ、っん、んぶ……」
すると大吾はまるで肉棒の味を堪能するかのように、咥えている最中に瞼を下ろす。まだ、目を合わせてこちらを見ていて欲しいというのに。
大吾は美味そうに峯の肉棒をしゃぶっていく。先端は舌でちゅうちゅうと吸われ、裏筋や竿を丹念に舐められる。峯は「大吾、さん……」と名を呼ぶが、無視をされる。何たる屈辱なのだろうか。
そこで再び射精感がこみ上げるものの、肉棒が膨らんだことを大吾は察知したようだ。またしても口淫を中止する。
「んぅ……はぁ……峯、気持ちいいか?」
大吾が大きな笑顔でそう訊ねてくるが、これはわざとなのだろう。煽っているのだろう。悔しさが湧いてくるが、それを表に出す訳にはいかない。ぎこちなく返事をした。
「……っ、は、はい」
「そうか。じゃあ後は、俺を気持ちよくさせてくれ」
すると大吾がバスローブを脱ぎ捨てる。下着などは何も身に着けておらず、全裸の姿が晒される。大吾も同じく勃起をしており、思わず見とれてしまいそうになった。何度見ても、大吾の肌に惹きつけられてしまう。虜になっているのだ。
この手が拘束されていなければ、この手が自由に動かせるならばと強く思う。しかし結束バンドを外そうとして力を入れるとかなりの痛みがある。このままでは、痕がついてしまうくらいに。
だがそこで峯としては悲劇が起きてしまった。大吾の裸体を見て、興奮が蓄積されてしまっていたらしい。弱くだが、射精をした。勃起している肉棒から、精液がとろりと垂れる。
「うっ……!」
まずいと思っていると、大吾が峯の上に跨がってきた。そして腰を上げた後に、尻に肉棒が入るように股間のあたりに跨がる。
「せっかく約束をしてくれたのに、遅刻したことを、反省する気はあるのか?」
「あります……私だって……」
ぐいと顔を近付けて凝視をしてくるが、このまま峯も顔を寄せる訳にはいかない。どうしてなのか、体が動かないからだ。まるで大吾の視線により、他の部位までも拘束されているように思える。
「成る程な……」
すると肩を掴まれた後に、抱きつかれる形になった。だがそれでも峯は動いてはいけない、動くことはできない。なので大吾が次はどのような行動に出るのか考えることしかできなかった。
そこで肉棒が尻にあてがわれるが、慣らしてはいないのだろうか。そう察知した峯は大吾の動きを止めようとしたが、もう遅かった。何か柔らかいものが、肉棒の先端に当たる。これには覚えがあるが、大吾の肉の蕾の感覚だ。
「も、もしや……」
「お前が来るまで、俺一人で慣らしていたんだ。お前が来るまで、何度も何度も……」
大吾のその声には次第に悲しみが含まれてきているように思えた。先端に感じる快楽を得つつも、大吾の顔を見る。大きく眉を下げていたが、峯はそこで正解を知った。
「大吾さん……」
遅刻したのは致し方ない。だがそれでも、大吾に期待させて悲しませてしまっていた。それに気付くと、大吾の気持ちを分かっていなかった自身を恨む。大吾はひたすらに、遅刻したことで怒っていると思っていたからだ。
「寂しい思いをさせてしまって、すみません、大吾さん……大吾さん……」
「遅いぞ、峯……」
すると大吾が息を切らしながら腰を下ろしていく。肉の蕾には容易く肉棒が挿入されていく。まるで、何度も挿入した後のようだ。
あまりの柔らかさ、そして後に来る熱さに肉棒が包んでいく。このようなもの、気持ちが良くない訳がない。自身の喉から、重い声がずるずると出てくる。
「はぁ、うっ……! はぁ、は……大吾、さん……!」
「峯、俺は、お前が来るまで、寂しかっ……はぁあ、ぁ……ん、んんっぁ、あ……」
大吾の体がどんどん沈んでいくと、肉棒はあっという間に食われてしまった。大吾の腹の中にしっかりと収まっている。自身の肉棒の大きさや形をよく覚えているのか、頻繁に粘膜が蠢いた後にしっかりと絞るように包んでいく。
そして結合部がしっかりと形成されると、この衝撃で精液を吐き出しかけた。それくらいに、大吾のそこは気持ちが良すぎるのだ。
「……ぅ! あ……大吾さん、俺、気持ちいい……」
またしても結束バンドをちぎりたい衝動に駆られるが、やはりちぎることはできない。そうしていると、大吾の体が上下にゆさゆさと揺れ始めた。まるで肉棒を扱くように、律動が開始される。
「あぁ、ア、ぁ、ん! はぁ、ぁ、気持ちい! ッは、は、ァ、あ、イく、イく!」
大吾が体の上で何度か喘いだ後に、肉壁が異なる蠢きを起こした気がした。それは峯の肉棒をきゅうきゅうと締め付けているのだ。まるで、精液を欲して止まないように。
「ッふ、う、はぁ……大吾さん、ゴム……!」
そこで重要な物の存在を思い出すが、もうすぐ射精をしてしまうように思えた。幸いにも拘束されている手は前に出ているので、それでどうにか大吾の胸を押そうとした。しかしこのままでは全ての力が入らず、肘を押し出したのみであった。大吾はびくともしない。
大吾の体はどんどん揺れていき、そしてとてつもない力で締め付けられたと同時に果てた。腰を僅かに震わせながら、噴出した精液が大吾の腹へと勢いよく注がれる。大吾はうっとりとした表情で受け止めていた。
「ん、んぅ! はぁ……はぁ、峯の、ザーメンが俺の腹の中に……」
目尻を垂らした大吾は、自身のへそをゆっくりと擦る。その様子を見ると、自身の肉棒が更に大きくなった気がした。大吾のその様を見て、興奮したとしか思えない。
「も、もう……大吾さん……!」
「ア、ぁ……峯、だめだ、俺は、まだ満足していない……」
峯の体の上で、大吾の動きが強まる。大吾の豊かな胸が揺れるかのように体が弾むと、腹の中で出した精液をかき混ぜる音、そして肌が強くぶつかり合う音が聞こえてくる。何といやらしい音なのだろうか。
「ん、んっ、ァ、あ……俺が、女だったら、確実に、孕んでるよな」
すると笑顔でそう言ってきたが、表情も言葉も淫らである。それらが頭や耳の中にこびりついてしまうと、どうにも離れなくなっていく。
「だから、もう一回、俺の中に、出してくれ……な……?」
誘惑をしながら大吾が言った、その瞬間に結束バンドがちぎれる。大吾はまさかちぎれるかと思っていなかったらしく、驚いた顔をしていた。だがそれを観察している場合ではない。今すぐに大吾の中を、至るところまで蹂躙しなければならない。
手首を見れば結束バンドの赤みの強い色の痕があるが、今はそのようなことはどうでもいい。すぐに大吾の腰を強く掴むと、猛獣のような息遣いをする。それを見た大吾はどう思っているのだろうか。このような自身を見て、興奮してくれているのだろうか。
「大吾さん、俺はもう、容赦はしませんよ……!」
そして地を這うような低い声でそう言えば、大吾の腹の中が一瞬だけかなり縮まったような気がする。
なのでそれに応えるべく、腰を激しく打ち付けた。大吾自身の体重が乗っかっていることもあるので、腰を落とした瞬間に乾いた音が鳴り響く。峯は巧みな腰遣いで、大吾を責めていく。
「あっ、あ、みね、はげし! ひゃ、ァ、あん! や、きもちいい、きもちいいから! ぁ、あっ!」
やがては大吾がこちらに身を預けてくると、抱きつかれる形になった。
このまま体勢を維持できると思ったので、大吾の腰から尻へと移動した。形が良く大きな尻を揉めば、大吾は善がる反応を示す。なので何度も何度も揉んでいると、大吾の体が痙攣した後に射精をした。峯の胸にかかる。
そこで腰の動きを一時中断すれば、大吾はまだ快楽の余韻が残っているらしい。熱い息を吐きながら、峯の背中に手を回す。
「ア……きもちいい……」
ゆっくりと大吾が顔を上げてくれた。かなり蕩けており、口からは唾液が垂れている。それを峯の首元で拭うと、背中を何度か手で擦っていく。なので峯は尻を揉み続けていくが、刺激を与えすぎたのか柔らかな赤色に染まっていった。
「……俺は、まだ満足していませんが」
「ん……じゃあ、もういっかい、俺を、イかせて、義孝……」
突然に下の名前で呼ばれ、峯は驚いた。だがそれが良い興奮の材料となる。尻を揉む力を強くすると、ピストンをゆっくりと再開させる。大吾からは、小さな歓喜が聞こえていた。
「ぁ、ん……あ、あっ、もっと、はげしく、ッは、はぁ、うん、ん……!」
「勿論ですよ、大吾さん」
次第に互いの肌をぶつけ合うと、再び出した精液を混ぜる音が聞こえる。このまま注いだまま流れて欲しくはないと思ったが、奥へと至らないので、仕方なく少し肉棒を引かせる。大吾の肉の蕾からは、ごぽごぽと精液が漏れていく。
「ん、アぁ……」
「ほら、いきます、よ!」
大吾の体を持ち上げた後に、下から思いっきり肉棒を突き上げる。大吾が喉仏を大きく見せた後に、喉から悲鳴を絞り出す。これは歓喜の悲鳴なのだろう。
大吾の腹の中は歓迎でもするかのように、相当な力で肉棒を締め付けた。気を抜けば、簡単に達してしまうだろう。だが峯はそれに耐えると、またしても大吾の体を浮かせた。更に精液が流れ出た後に、肉棒で大吾の体を貫く。その瞬間に大吾は射精をしていまい、峯の鍛えた体を更に白く染めていく。しかしそれはだらりと落ちていった。
そして大吾の体を上下に動かすが、そうしていくうちにとある箇所へと肉棒の先端が届いたような気がした。そこは、大吾の腹の奥とも呼ぶべく結腸なのだ。そこを突くと、毎回大吾は狂ってしまう。我など忘れ、情欲を溢れさせながら。
「ん、んぅ! ァ……みね、そこは、きょうは、だめ、おれ……」
「何を仰っていますか、大吾さん。俺がイくまで、耐えて下さいよ」
峯自身も、性欲に支配されていた、もはや立場などどうでもいい。そのような態度で言葉を述べた後に、肉棒で大吾の体を虐めていく。大吾の体は面白いように震えている。
「ぁ、あ! またイくぅ! みねのでかいちんこで、またイくからぁ! もう……らめ! ぁ、ア!」
「そこまで、俺のが、でかいんですか? ですが、このちんこが、お好きなのでしょう?」
確認をするように肉棒で抉っていけば、大吾の口からは肯定の返事が漏れる。
「ひゃぁア! しゅきぃ! みねの、おっきなちんこすきぃ!」
大吾はそう言いながら背中を反らせる。だがあまりの快楽に体がどんどん逃げているように見えるので、尻ではなく背中に手を回して体を固定する。大吾が少しでも逃げないようにしているのだ。そのおかげもあって、大吾は大きな快感を浴びる。
「い、ひゃぁ!? もう、おれ、イったのにぃ!」
「本当にイきましたか? ほら、もう一回、やってみましょうよ」
意地悪をするようにぱんぱんと腰を打ち付ける。高い嬌声を上げると同時に、そこで大吾の雄としての役目が一時的に終わる。射精をした後に萎えたのだ。しかしまだ峯の肉棒は元気があるので、大吾のことなど構わず性行為を続けていく。
「やらぁ! おれ、もう、たたないからぁ!」
「そう言われましても、俺はまだ勃っていますよ、ほら、分かりますでしょう? 俺のが」
そう言えば、大吾が口を半開きにして舌を覗かせる。もうじき、限界を迎えるというサインなのか。
内心で舌打ちをしてしまった峯は、仕方が無いとラストスパートをかけていく。痛いと思えるくらいに結合部から叩く音を鳴らす。大吾のものは芯を失っているので、ぶるんぶるんと上下に揺れていた。
そうしていると、遂に奥へと到達したらしい。ごぽ、という音が大吾の腹から鳴る。腰の動きを一旦緩める。
「ッは、は……ほら、分かりますでしょう、ここまで来ましたよ。もう、ここまで来たら、抜けなくなるかもしれませんね」
冗談を言えば、大吾が潤んだ目でこちらを見る。どうやら、今の脳の状態では信じてしまっているらしい。
「はぁ、おれ、みねと、ずっとこうしていたい……」
「俺もです」
言い合った後に唇を重ねる。互いの舌が伸びたかと思うと、そこで激しいピストンをしていく。大吾からはくぐもった息が漏れ、背中をどんどんと弱い力で叩いてくる。もうすぐ、限界が来るのだろう。なので大吾の腹からごぽごぽと何度も鳴らす。
「ん、ん、ぅ、ぷはぁ! はぁ、あ、ア! おれ、イく、イくからぁ! ひゃ、ぁア!」
二人の唇が離れてしまうと、大吾が大きく酸素を求める。なので峯が舌を伸ばしてから、大吾の唇を舐める。唾液が垂れているので、それを吸う形になった。
すると峯の肉棒が大きく膨れてから、大吾の腹の奥に精液を放出した。その刺激で大吾は絶頂を迎えたらしく、下半身から無色透明の液体を数回噴出させている。
精液はもう出せないらしく、峯の肉棒がどんどん萎えていく。大吾の肉の蕾の隙間から、濃い精液がどろどろと流れ出た。しかしそれでも、峯は萎えた肉棒を抜くつもりはない。もっと、大吾とこうしていたいからだ。
「んぅ……はぁ、おれ、もう、みねのちんこがないとだめだ……」
「それは光栄です」
二人は激しい息切れをしながら短い会話を交わし終えると、互いの唇を重ねた。そしてねっとりと舌を絡め合うと、何度も何度も唾液を交換しあっていたのであった。