峯は秘密裏に、とあるプロジェクトに着手していた。これは秘書にも、当然のように大吾にも言えないものだ。これは大吾に出会った時から構想を描いており、金庫番と呼ばれたときからプロジェクトを開始していた。これは峯自身としても禁忌だと思うのだが、それでもプロジェクトを断念するという思考は無い。
忙しい仕事の合間でもプロジェクトを手掛けてから半年が経過し、ようやく成果が実った。
とある満月の晩に都内某所にある小さな研究室で、白衣姿の者にとある小さな小瓶を渡される。瓶こそは普通のものだが、中身はそうはいかない。紫のような、濃い桃色のような怪しい色の液体が少量入っていた。人が見れば、不気味な色合いをしているだろう。峯でも、最初は何だこれはと言いたくなっていた。
しかし峯は瓶を動かしながら、液体が揺れる様を見た。その時の目つきは、真剣そのものだ。まるで、この液体に命でも懸けているかのように。
「ようやくだ……!」
大きな達成感を噛みしめると、小瓶をスーツのポケットに入れる。そして後に白衣姿の者から説明を受けていた。だが簡単なものであり、約五分程度で終わった。
峯は研究室から出るなり、峯は素早く携帯端末を取り出す。電話帳を開いた後に、すぐに目当ての名前を見つけると通話を始める。その相手とは、堂島大吾であった。
興奮により携帯端末を持つ手が震えるので、しっかりと握る。普段は出ない手汗に少し悩まされた。
「……もしもし、六代目」
通話にすぐ出てくれた大吾に、峯は「用事があるがすぐに終わる、自宅に向かってもいいか」というような内容を伝える。すると運良く大吾は現在は自宅に居るらしい。なので早口で「今から伺う」と返事をすると、通話を終えた。急いで自身の車に乗り、大吾の自宅へと向かって行った。
大吾の自宅へと到着したのは、それから三十分が経った頃であった。帰宅ラッシュなどで、道路が渋滞していた為だ。峯は運転中に何度も盛大な舌打ちをした後に、スーツのポケットの中にある小瓶の存在を思い出す。すぐに腹が立つ感情が収まったが、少し経過していくうちに再び盛大な舌打ちをしていた。
ようやく大吾の自宅マンションに到着をすると、駐車場にタイヤの音を大きく響かせながら駐車する。よもや跡が着いているのかもしれない。だが峯はそのようなことを気にする余裕などない。そして建物に入り、走って大吾の部屋へと向かう。向かう先は、このマンションの最上階だ。
大吾の部屋のインターフォンを押すと、数秒後に解錠音が聞こえる。入ってもいいということらしい。扉を開く。
「……六代目、突然押しかけてしまい、申し訳ありません」
迎え入れてくれた大吾は既に入浴を済ませており、東城会六代目という肩書きがふさわしい格好ではなくなっていた。普段は撫で上げている髪は今は下りており、どう見てもカタギのように見える。その姿を見ると、峯の中で何かがこみ上げた気がした。しかしスーツのポケットの中にある小瓶の存在を何度も思い出す。どうにか自身を律することができた。
「いや、いいが……お前としては珍しい……いや、初めてのことだ、
どうした? 何かトラブルでもあったのか? 重要な事だろう」
大吾がそう聞いてくれるが、峯は首を横に振った。そして素早くスーツのポケットから先程の小瓶を取り出すと、大吾にそれを見せる。不思議そうな顔をしていた。
「ん? なんだそれ?」
首を傾げる大吾を見ながら、峯は突然に笑い出してしまう。あまりの喜びに、喜びの感情を出さずにはいられないからだ。機嫌を損ねるのではなく、大吾は不思議そうな顔をしている。
「大吾さん聞いてください。これは、一時的に女のような体になれる薬です」
「……は?」
少しの沈黙の後に大吾がそう返すが、当たり前の反応だろう。最新の科学的には、有り得ない現象が起きる薬だと言うのだから。
「つまりこれはですね……」
詳しく説明しようとしたところで、優しい目をした大吾が肩をポンと軽く叩く。そして何度も頷いた後に、優しい顔をしてくれた。勝手に慰めてくれているのだろうか。
「峯、お前は疲れているんだ。俺の部屋でもいいから、今日はもう寝ろ。大丈夫だ。さっきの言葉は聞かなかったことにするから……」
峯はショックであった。大吾が信じてくれないうえに、求めていない優しさを与えてきたからだ。次第に腹に弱い怒りが溜まると、小瓶を開封してから大吾に向ける。
「……では、これを飲んで頂けますか?」
「ん? あぁ? 本当はそんな薬じゃないんだろ? 何かの酒だろ? 飲んでやるよ。きっと何も起こらねぇから。さて、どんな味がするかな……」
大吾までも怒りを見せ、小瓶を素早く奪い取る。そして中にあるピンク色の液体を口の中に入れ、どんどん喉に通していく。喉仏が、上下に数回動く。
飲み切った後に、大吾が空になった小瓶を見せてきた。
「ほら」
「……どうですか?」
「何がだ?」
効果が現れたのか聞きたい峯だが、そうする為には大吾に服を脱いで貰わなければならない。
峯は大吾のことが前から好きであったが、想いを伝えられずに今に至る。もしも大吾と結ばれてしまえば、今の関係が崩れると考え恐れているからだ。人を何度か口説いたことはあるのだが、さすがに同性はない。なので想いについて何も言えなかったのだ。
「……女の体に、なりましたか?」
「なってる訳がねぇだろ。だったら見てみるか?」
挑発をするように大吾が服を脱ぎ散らしていく。床に衣服がどんどん落ちていくと、遂には下着のみになった。しかし見れば勃起など当然のようにしていない。これが済んだらエンコを詰めよう、峯はそう思った。諦めようとしたのだ、
「だから、何も……ん……? なんか、股間のあたりがむずむずするような……ん……? 股間が濡れてる……?」
首を傾げながら大吾が下着をずらすが、見ての通りにやはり勃起をしていない。だが下着が粘液で濡れていることが分かる。濃い染みを作っていた。そうとなると濡れているという原因は他に考えるが、理由もなく尻が濡れることなど有り得ないだろう。
そう思っていると、峯はとある可能性に気付いた。
「あの、もしや……」
直接言ってしまおうか悩んでいると、大吾が垂れている股間を持ち上げた。するとくちゅりと粘液に触れた音は立ち、大吾は驚きながらこちらを見る。やはりあの薬の効果は本当であった。本当に、大吾の体が女のようになったのだ。しかし男性器が未だに残っているが、それはあっても峯としては構わない。
そして大吾が顔を青ざめさせながら口を開く。
「え、あれ……俺……ここ……」
「やはり、大吾さん」
肩をがしりと掴むと、大吾の体は簡単に床の上に崩れた。そうすると、放心状態になっている。冗談とでも思ったのだろうが、峯は本当に開発をしたのだ。なので現実を突きつけるべく、大吾の股間に手を伸ばし、粘液のある所を触れた。そこには女性器のような厚い肉唇があり、粘液が指先によく付着する。峯は口角を大きく上げながら、大吾の耳元に唇を寄せる。
「大吾さん、試してみますか?」
熱でも加えるかのような甘い声で囁くと、大吾の顔が急激に赤くなっていった。これは興奮の為なのだろうか。嬉しさに峯は吸い込む息を多くした。
「ゃ……恥ずかしい……」
大吾が顔を伏せてからそう言うが、その様子が何とも可愛らしいと思えた。これは女にはないもので、どう呼べばいいのか分からない。
そう考えながら、大吾の顎を掬った。髭が皮膚に刺さり小さな痛みが走る。だが血が出る訳でもない。寧ろこの感触を楽しむように、ざらりと手を這わせていった。慰めるかのように、優しく。
「大丈夫ですよ。俺は、大吾さんのどんな姿でも笑いません。いえ……貴方の、乱れるところが見たい」
笑顔でそう述べるが、大吾の心はまだ動かないようだ。なのでこうなれば行動に出る方が早いと思えた。先程生成された穴に手を伸ばす。
「大吾さん、貴方の処女を俺に捧げてくれませんか? 大丈夫です。優しくしますから。なるべく、痛くはしませんから……」
「や、やだ……! やめろ……! 触るな! ッあ!? やめ、そこ、触るな……!」
指先で穴を探れば、簡単に見つけることができた。くちゅりと粘液に触れて音を鳴らせば、大吾が短い悲鳴を上げる。その様子が、峯からしたらかなりそそられた。
穴はまだ触れられることには慣れていないらしい。きゅうきゅうと穴が閉ざされていき、峯の指を拒む。しかし挿入してしまえば、この穴は自身の指などでも受け入れるだろう。そう考えながら、峯は指先で穴の縁をなぞる。
「ひッ!? あ、あぁ、ん……! そこ、やめろ! ぅ、あ、あ、はぁ……はぁ、は……」
「大吾さん、観念して下さいよ。ここ……良くなりますから、ね?」
耳元で再度話しかけた後に、耳たぶをぺろりと舐める。大吾の体が驚きによりびくびくと跳ねるが、この反応もまた可愛らしい。早く大吾を食ってしまいたいとも思える。
自身のネクタイを緩めたあとに、ジャケットのボタンを外した。
「大吾さん、ここ、良いですよね?」
穴に指を少しだけ挿入すれば、粘液が更に垂れてくる。余程興奮しているのが分かるが、峯に余裕が無くなってきている。先程から性器が勃起してしまっており、下着の中できつく閉じ込められているからだ。早く解放した後に、大吾の中に入れたいと思える。
「やだ……! 峯!」
大吾が頑なに首を振るが、そろそろ峯は耐えられなくなっていく。なので更に指を挿入すれば、大吾の喉からは悲鳴と嬌声が混じった声が鳴る。指が浅く入っただけで、気持ちがいいらしい。
中は熱い。峯は耳元から唇へと顔を移動させてから、キスをしようとした。だが顔を少しだけ逸らされるものの、強引に唇を重ねる。抵抗として歯を立てられたが、無理矢理に舌を突き出した。唇を割れば、すんなりと入ってしまう。
「ん、んっ! ん、んぅ、ん……!」
しかしこのまま指を進めては、処女膜が存在するならば自身の性器で貫いて破くことはできない。指の侵入を浅くした。
大吾の舌を捕らえることができる。そこで舌を絡ませた瞬間に、大吾の抵抗は失せていた。そうされるのが気持ちが良いのだろう。
「んぅ、ぅ、はぁ、はぁ……みね……」
キスを止めてみれば、大吾は砂糖よりも甘い声で自身の名を呼ぶ。それが嬉しい峯は、指を引き抜いた。粘液が指に付着しており、これが大吾の興奮の証となる。脳裏に、瞼の裏にしっかりと刻みつけるように凝視した。粘液の至る滴まで覚えていく。
「大吾さん、まんこの前に、しっかりと出しましょう。ほら、ちんこもきちんと可愛がらないと……」
粘液が滴る指で大吾の股間に触れる。ぬるぬると粘液が塗りたくられると、大吾は気持ち良さそうに足を開いていく。もはや今の大吾に、抵抗という文字はない。あるのはただ自身を受け入れるという言葉のみだ。抵抗心や理性は砕けてしまったらしい。
「あ、あぁ……峯、ちんこも、触って……」
大吾は遂には、恍惚の表情で腰を振って誘惑してくる。この光景をずっと待ちわびていた峯は、粘液に塗れた大吾の股間を見た。そして手の平で強く握りしめると、ぬるぬると扱いていく。大吾の喉からは、気持ち良さそうな喘ぎ声が聞こえてきた。
「っ、あ、ぁ! 峯! 峯……! ちんこ、気持ちいい! 峯! そこ、もっと触って!」
「えぇ、勿論です。ほら、気持ちいいでしょう?」
扱く速度を上げていけば、大吾が嬉しそうに笑みを浮かべてくれる。すると大吾の股間が膨らんだのだが、それに気付いた峯はぎゅっと握りしめた。射精を阻止する。
「ひゃぁ!? なんで、峯! 峯! イかせて!」
「なりません。大吾さん、まんこでイってください」
無慈悲にも手を離せば、大吾の股間は刺激を求めるように震えている。そして普段は女の中を貫いている股間は、無残にも射精できずにいた。それが峯にとっては何とも壮観である。
その股間をしばし見ていると、大吾が「見るな……」と恥ずかしがる。しかし峯はそれを無視した後に、スーツを全て脱いでいく。ワイシャツも、スラックスも全て取り払う。全裸になった。大吾と峯の二人は、一糸纏わぬ姿をしている。
すると興奮により勃起している性器を大吾に見せつけた。それは人間のものではないように思える。色は赤黒く、血管が大きく浮いている。獣の生殖器を連想できてしまうだろう。
「ぁ……ちんこ、峯の、ちんこ……」
唾液でも垂らすかのように大吾がそう言えば、峯は頷く。そして性器を大吾の穴にそっとあてがう。
「いれますよ」
「ん……峯、きて……」
大吾からそう返ってきた。なので腰を進めると、性器が粘液に包まれていく。そして次第に粘膜へと変わっていったと思うと強く締め付けられた。これは今まで経験した中で一番の締め付けだと思ったのだが、これは処女故のものだろうか。
ならば処女を奪うのは勿体無いと思ったのだが、峯の興奮は止まらない。どんどん性器を大吾の穴に埋めていった。
「あ、ぁ……! 峯のちんこが、入ってる……! ア、あ、峯、峯! キス、キスして……!」
「はい、喜んで」
大吾がキスを求めてきたので、峯が唇を合わせる。そうしながらも腰を進めていけば、何かにぶつかったような気がした。これが、処女膜なのだろうか。今の大吾の体に、処女膜が存在していたのか。峯は嬉しくなり大吾の唇を貪る。
厚い舌同士がすぐに絡まっていけば、大吾と一つになれた。そのような気がした。
「ん、んっ、ん……!? ッ、ん! ん! ん!」
腰を強く押し込んでいけば、破れた感覚があった。処女膜が破れたとしか思えないのだが、案外簡単に破れてしまう。峯は少し残念に思いながら結合部を見る。鮮やかな赤色をした血が微かに流れていた。
「っはぁ、はぁ、大吾さん、処女膜が破れましたよ。貴方の処女を奪いましたが、どうですか?」
「ん……嬉しい……!」
大吾の表情は火で溶けた蝋のようにどろりとしている。これは相当に悦んでいると見て、峯は腰を小さく動かした。二人の繋がっている部分からは、粘液が絡み合う卑猥な音が聞こえる。
そして大吾の口からは、性器を貫かれた幸福を表現したいらしい。半開きにしながら、ひたすらに喘いでいく。
「あ、ぁッ、ア、あ、ッ! は、ぁ、ん! ん、きもちいい、峯、峯! まんこが、きもちいい!」
「は、はっ……俺も、ちんこが気持ちいいです。大吾さん、貴方のまんこは最高だ……!」
腰の動きを早くしていけば、大吾は喜びにきゅうきゅうと中を締め付けた。女以上に抱く気持ち良さがある。もう、大吾以外に抱くことを考えられなくなりそうだ。峯はそう思いながら、律動を激しくしていく。
やがては射精感がこみ上げるので、腰の動きを止めた後に大吾の穴の中に精液を目一杯注ぎ込んだ。大吾は嬉しさのあまりに悲鳴を上げた後に、法悦から唾液を垂らす。この表情が堪らないと思い、峯はその唾液を舌で舐め取った。
「ん……峯との、ガキができちまう……」
「いいじゃないですか。俺との子どもを、孕んで下さい。俺はあと何回でもできますよ?」
腰を揺らせば、大吾がこくこくと頷いた。なので二人はセックスを、朝まで続けていたのであった。故に二人の体はあらゆる体液でどろどろと付着してしまっている。
なお大吾のあった肉唇は、シャワーを浴びた後には消えていた。大吾は唖然とし、峯は薬の再開発を決意したのであった。次は、効果が永遠に続くように。