三人で○○しないと出られない部屋
三人で○○しないと出られない部屋春風が心地良く吹き、雲一つ無い青い空が広がっている日のことだ。夏侯惇の隠れ処にて、于禁は逢引の約束をしていた。それも太陽が真上にある時間帯にも関わらず。だがそのような約束をするならば、太陽が沈んだ時間帯が最も…
于惇SS(三国)
無題
無題陽が沈み、夏侯惇が寝室の燭台に火を点けたところである。燭台は胸ほどの高さのものだが、腰が痛いのか手を添えながら。すると竹簡をたった一つ持った于禁が訪ねて来たのだが、持っている竹簡は夏侯惇に確認を求めなければならないものであった。それを、…
于惇SS(三国)
揺籃の夜
揺籃の夜穏やかな空気が流れる夜のことである。于禁は夏侯惇の寝室に訊ねていた。久しぶりに二人きりの時間ができていたが、まぐわいの為ではなくただ純粋に共に睡眠を取る為に。今の時期の夜は冷えるので、薄い着物姿の二人は寝台に乗るとすぐに布団に並んで…
于惇SS(三国)
夕餉
夕餉ある夜、于禁は夏侯惇の隠れ処に呼び出されていた。だが詳細を伝えられてはいないので、平服姿の于禁は恐る恐る隠れ処に向かう。そして扉をノックすると、夏侯惇から入るように促す返事が来た。于禁はまたしても恐る恐る扉を開く。外は暗いが、室内からは…
于惇SS(三国)
髪結い
髪結い「……傷んでしまいますが」夜が深まった頃、于禁の寝室にて体を重ねた後の二人は、体を清めてから眠りに就こうとしていた。寝台の上では夏侯惇が夜着を軽く羽織っている。そこで既に夜着をきっちりと纏い、髪を軽く結っている于禁はそう忠告した。夏侯…
于惇SS(三国)
円
円空に雲が一つも浮いていない夜が、深まったばかりのことである。数十分前に互いに肌を重ねた後に心身ともに落ち着かせた二人は、燭台の火が弱くなり、薄暗くなってしまった夏侯惇の寝室に居る。どうやら于禁は今は、肌寒いのか軽く結っていた髪を解いている…
于惇SS(三国)
火
火陽が登り切る直前に、夏侯惇は自分の寝室の寝台の上で目を覚ました。だが何も着ていないので、空気の冷えに体を震わせる。隣には于禁が仰向けになってすやすやと眠っていて、夏侯惇と同様に服など着ていない。だが寒そうな様子は微塵もなかった。試しに肌に…
于惇SS(三国)
香を纏う儀式
香を纏う儀式輝く夕陽が、もうじき沈んでいく時間のことである。朝から始めていた鍛錬を終えた于禁は身を清めてから、すぐに休もうと思っていた。だが最近の于禁は執務や鍛錬などの多忙の為、夏侯惇としばらく会えておらず精神的に不安定であった。なのでか、…
于惇SS(三国)
消えないものをもう一つ携えて
消えないものをもう一つ携えてある日の夕方、夏侯惇が城内で怪我をしたとの情報を夏侯淵から聞いた于禁は、急いで侍医の治療を受けている医務室へと駆け付けた。その情報を聞く前は、于禁は目的の竹簡があったのでとある書庫へと入ったところだった。たまたま…
于惇SS(三国)
せめて、もうあと一つの呼吸でも
せめて、もうあと一つの呼吸でもここ数日、夏侯惇は有り得ない程の多忙であった。机上では様々な文章が記されている竹簡に囲まれる日々と、それ以外では内政に追われる日々。なのでそのせいなのか、あまり休めない日が続く。それに睡眠時間も短くなっており、…
于惇SS(三国)
髪の約束
髪の約束「髪を結ってみても良いか? ……いや、やはり……」夜が明けたばかりの時間のことだ。于禁の寝室で共に夜を過ごしていた二人は、起床した後に身支度を始めていた。そのときに既に身支度を終えている夏侯惇は、身支度の途中である于禁の近くに寄る。…
于惇SS(三国)
約束の指
約束の指よく冷える夕暮れ時だった。朝から鍛錬も特に急いでいる執務も無い于禁は、平服姿で城内を歩いていた。時折、白い雲が見える黄色い空と、吐いた白い息を見ながら。すると近くで大きな叫び声が聞こえてきた。「どこだ! 孟徳!」曹操を字で呼ぶ人間と…
于惇SS(三国)