日常の話
日常の話ある平日。于禁はたまたま定時である一〇八時ちょうどに退社する。今日は会社に着くなり休む間もなく多忙であったが、それをなんとか必死にこなしていた。だが今はデスクから離れ、会社のエントランスから出てから地下鉄へと向かっている。いつもより…
于惇SS(現パロ)
沈んだ星は二度と輝かない
沈んだ星は二度と輝かない明けの明星が登っていく頃、夏侯惇は目を覚ました。部屋はまだ朝を迎えきっていないのか薄暗く、そして肌寒い。夏侯惇はそこで何も着ていないのに気付いた。肩までシーツがかかっていたが、この気温ではそこまで役に立たない。なので…
于惇SS(現パロ)
全ては酒と、それに桜にせいにして
全ては酒と、それに桜のせいにして少しでも目を離すと夕陽が一瞬で沈んでいく、そんな時間になる前のことであった。この日は週の半ばである平日であるのか、数分前に会社から帰宅した夏侯惇はスーツのジャケットのみを脱いだ姿である。その中でリビングにて、…
于惇SS(現パロ)
それが例え無駄であっても
それが例え無駄であってもある晴れた土曜日の朝のことであった。この日の于禁は休日出勤らしく、起床した時点から機嫌が悪いようだ。その原因はやはり夏侯惇と共に休日を過ごせないからか。昨夜の就寝前は夏侯惇と体を密着させ、機嫌が悪い片鱗も見せなかった…
于惇SS(現パロ)
閑話
閑話夏侯惇は夕食の後に風呂に入っていた。一通り洗い終えた後、湯船に浸かる。ここ数日、残業や曹操の無茶に応じていた。それを思い出した夏侯惇は舌打ちしながら「孟徳め……」と恨めしそうな声で呟く。「明日は休日出勤か。午後から出社だから、今夜はゆっ…
于惇SS(現パロ)
白を赤で染めて
白を赤で染めて外は赤い太陽が昇ってきた頃、二人はほぼ同じ時間に目が覚めた。昨夜の二人はベッドの上で愛し合っていたため、衣服も何も着ていない。それでも夏侯惇は、特に何も気にせず起き上がってあぐらをかく。腰を少しだけ庇いながらも。「おはよう………
于惇SS(現パロ)
黒に白を重ねても、灰色になるのみで
黒に白を重ねても、灰になるのみである晩のことだ。軽い睦事の後に二人は体を清め終えたが、独特の倦怠感などにより服を着るのが面倒になったらしい。なので互いに何も着ずにベッドへと入って横になるが、睡魔はまだ来ていなかった。微かに光を灯すサイドラン…
于惇SS(現パロ)
暑い寒さ
暑い寒さ春になる前の時期で、日付の変わった直後の時間のことである。二人は寝室に入ってから眠りにつこうとしていた。寝室のカーテンはきっちりと閉められており、照明は消えている。だがサイドランプは微かに点いているので、それを頼りに寝間着姿の二人は…
于惇SS(現パロ)
雨中の狸寝入り
雨中の狸寝入りよく雨が降っている、ある休日の朝のことだ。于禁は目を覚ますが、寝室のカーテンは閉まっているので薄暗い。今が朝ではなく、日の出や日没の直前のような時間と思える程に。今の時間は平日でもまだ少し、ベッドから出なくても良い時間である。…
于惇SS(現パロ)
明かさない夜
明かさない夜まだ薄暗い早朝前の時間帯に、深い眠りについていた于禁は肌寒さにふと目を覚ます。昨夜は夏侯惇との性行為が終わると、体を清めた後にそのまま二人で毛布に包まって眠りについていた。それも二人は、律儀に並んで仰向けに。隣の夏侯惇を見るとぐ…
于惇SS(現パロ)
雨音の中
雨音の中朝から少しの雨が降っていたが、夏侯惇が退勤する二〇時前には土砂降りであった。雨粒がアスファルトを叩き付ける音がかなりうるさいほどに。会社のエントランスの屋根の下に夏侯惇は出る。降っている雨を見ながら溜息をつくと、傘を開いてそこから歩…
于惇SS(現パロ)
隠れた甘え
隠れた甘えある日の定時前の時刻、于禁は社内での会議に出席していた。それの内容は更に会社の規模などについてで。その会議では縦長のテーブルが口の字に配置されていて、椅子も配置してある。約二〇人程の男女が会議に参加していて、于禁含めて全員が重役ば…
于惇SS(現パロ)