峯大

ふしぎな薬♡

 峯は秘密裏に、とあるプロジェクトに着手していた。これは秘書にも、当然のように大吾にも言えないものだ。これは大吾に出会った時から構想を描いており、金庫番と呼ばれたときからプロジェクトを開始していた。これは峯自身としても禁忌だと思うのだが、そ…

大吾さんがもう一人!?

 峯は驚愕の光景を目の当たりにしていた。大吾にいつものように、夜になって家に呼び出されたのは良いものの、広いリビングには大吾が二人居るのだ。あり得ない。夢なのだろうかと思える。「なぁ峯……!」「あ? 峯? 誰だ?」 まずは一人目の大吾は峯が…

専業主夫、峯の変わっていく日常

 ワイシャツにスラックス姿の男は部屋のパソコンの前で悩んでいた。画面には株取引の画面が写し出されており、真剣に買い時などを考えている。右手でトラックボールマウスを添えており、クリックの準備をしていた。 現在の時刻は昼の十二時を回ろうとしてい…

大吾さんに淫紋が付与された!?

 大吾が市場で妙な本を見つけたと言ったが、買ってしまったようだ。クエストの合間に街の市場を散策をしている際に、合流した大吾が峯に話してきた。「……で、これが妙な本なんだけどよ」 見せてくれたのは、桃色が表紙でとにかく分厚く古びた本であった。…

桜が散る頃に

 桜が散る京の街で、とある建物の前で呼び込みをしている男の声が土方の耳に入った。完全にこちらに向けて呼び込みをしているが、元気がとても良い。だがここは何の店なのかは分からないが、見るからに女物の着物を扱うところだということが分かる。店先には…

朱に染まりし、雪の肌

 新撰組が解散したのは、夏の頃である。遂に浅葱色の羽織を、土方は脱いだのだ。 それまでに土方が近藤勇や藤堂平助の葬送があったが勿論、他の者の葬送も行う。生前に世話になっていない訳などなく。恨む節もあったが、今は死人である。そのような感情を、…

Don’t ignition

 互いに喫煙者であるなら、誰もが憧れるシガーキス。峯はそれがやりたいと思っていた。 街中を歩けば、見かける本などにたまにそのような描写がある。喫煙の表現は最近は減っているので、見かける度に峯は珍しいなどと思っていた。 だが何度も見かけていく…

レイト・クリスマス

クリスマス当日の夜、峯は仕事をしている。本来ならばこの時間帯は大吾と共に過ごしている予定であった。勿論、高級ホテルの最上階のスイートルームをかなりの前から予約していた。夜の九時から朝までと、大吾の時間まで押さえているという徹底だってしている…

はじめての奥

とある夜に、峯は大吾に呼ばれていた。電話口で「今夜来い」と一方的に言われたものの、内容は分かっている。二人は体を重ねる関係にあるのだ。その誘いに違いない。峯はスーツジャケットのポケットにいつものようにコンドームを忍ばせ、左手に巻いている腕時…