より影を濃く
呉から帰国した後、于禁は夏侯惇には会いたがらなかった。なので夏侯惇から何回も直接、于禁の居る小さな館へと向かって会いに行こうとするも、そこに居る兵から「于禁将軍はずっと体調が悪い」と言われて毎回断念させられていた。
なので夏侯惇は于禁に対してモヤモヤし続けていたある昼間、街でとある物を偶然見つけて入手すると、日が沈んでから于禁の居る小さな館へと向かう。
建物へ入ると、ちょうど薄暗い廊下で于禁の夕食の乗った盆を運ぼうとしている兵を見つけた。それを夏侯惇は止める。
「待て、それは俺が運ぶ」
「于禁将軍の食事をあなたが運ばれるのですか?」
「あぁ。ずっと体調が優れないから見舞いも兼ねてだ。それとしばらくは于禁とゆっくり話がしたいから、誰もこの建物から近付かせるな。お前もこの館から離れろ」
夏侯惇はそう言って兵を下がらせた。兵は夏侯惇からのおかしな命令に首を傾げるも、それに反論せずに従う。
すると誰も居なくなった廊下で、夏侯惇は于禁の質素で少ない量の食事を見た。すると途端に胸が苦しくなる。この量では、恐らく于禁は相当弱っているのかと。
だが夏侯惇は首を横に振り、平服の懐から小さな陶器製の容器を取り出した。これは昼間手に入れた物だ。蓋を開けると見た目はごく普通の白い粉末が入っているので、それをひとつまみ于禁の少ない食事に混ぜる。その後は于禁がいる部屋に、夏侯惇は何食わぬ顔で施錠のされていない扉にノックも何もせずに入った。
「なっ……!?」
寝台に横になっていた于禁はいきなり開いた扉に一瞬目を見開い驚いた。その後上体を起こし、何も連絡も無しに入って来た夏侯惇を睨み付ける。
久しぶりに見た于禁は少しやつれていた。そして頭は白く、前は丁寧に結っていた長い髪は今は下りたまま。そのうえ、着ているものは白い着物なので、まるで別人のようだった。
「……お久しぶりです、夏侯惇殿。このような場所で、私に何か用ですか?」
于禁は威嚇するようにそう言う。
「食事を運びに来ただけだ」
夏侯惇は抑揚も何も無く、そう返すと于禁に食事の乗った盆を渡す。
「わざわざ食事を運んで頂き、ありがとうございます」
于禁は相変わらず睨み付けながら礼を言うと、夏侯惇はそれを気にせず部屋を見渡した。帰国後に自分に会おうともしなかった理由を問い詰めずに。
「何も無いところだな」
于禁の居る部屋は一人で横になるための寝台と、傍には何か置くための小さく粗末な机と小さな窓があり、あとは少しの空間があるだけの広さで、本当に質素な部屋だった。
于禁は渡された盆を机に置く。
「用はそれだけですか?見舞いはもう結構です。他に用が無いようでしたら、お引取りを願います」
「なんだ、冷たいな。……ずっと体調が優れないと兵から聞いた。見舞いのついでだ。俺がそれを食わせてやる」
すると夏侯惇は箸を持ち、食事の一口大の量を摘む。それを見た于禁は「止めて下さい」と拒むが夏侯惇は無視をした。すると夏侯惇は箸に食事を摘んで口元に運んできたので、仕方なくそれを口に入れてゆっくりと咀嚼をする。
「きちんと、飲み込めるか?」
咀嚼をしている様子を見た夏侯惇は、箸を盆の上に置きながら于禁にそう聞く。于禁は数秒後に咀嚼したものをのどに通すと、こくりと頷いた後に口を開く。
「……見ての通り、私はもう大丈夫ですので、もうお引取り下さい。夏侯惇殿にはご心配をおかけしました。また後日、改めて報告をします」
「本当か?」
「はい。ですので、お引取り下さい」
于禁は夏侯惇に再び帰るよう促していると、突然体に異変が起きた。体が熱くなってきたのだ。その中でも特に下半身が熱かった。
「……っ!?私に、何を、なさいましたか……!」
「俺か?食事を食わせただけだが?」
夏侯惇はわざと視線をどこかへと向ける。
「私の食事に……何か、盛りましたか……?」
于禁は息を切らせながら、下半身を見ると雄が膨らんでいた。それを見て顔を赤くして軽い悲鳴を上げてしまう。
「大丈夫か?看病してやろうか?」
夏侯惇は「看病」という言葉を強く言うと、ぎしりと寝台に乗る。そして于禁の顎を右手で掴んで顔を近付ける。
「……結構です」
「だが、辛いだろう?」
夏侯惇が不気味なくらいに笑うと、于禁は怖気づく。そして夏侯惇は于禁の首を左手でそっと触って撫でると、于禁は体をガクガクと震わせながら射精した。于禁は射精により息が上げるが、雄は萎えていない。
「ぁ、あ……どうして……」
「実はな、お前の食事に媚薬を盛った。それもかなり強い効果のものをな」
夏侯惇は次第に息を切らせながら、着物の下の膨らんだ股間を于禁の体にぐいぐいと押し付ける。硬い物を押し付けられ、于禁は無意識に腰を振った。それは前の癖である。かつては何回も何回も、夏侯惇に抱かれていた。
それを見た夏侯惇は、于禁の着物を即座に全て剥いだ。久しぶりに見た、于禁の体は痩せ細っていて肌は青白い。それでも夏侯惇はかなり興奮していた。
「やめっ……」
于禁は言葉だけは嫌がっているが、着物を全て剥がれたせいなのか再び射精をしている。
「お前の感じるところは忘れていないからな」
夏侯惇は于禁を乱暴に押し倒して雄を掴むと、しこしこと右手で扱き始めた。そこは既に精液でぬるついているので、それもあってかぬちゅぬちゅと卑猥な音が鳴る。
「や、あっ!ぁ、あ、やめ……」
「もっと精液を出せ。そうしないと後ろを解せないぞ」
于禁は久しぶりの性的な刺激に戸惑いながらまた射精する。夏侯惇はその精液を右手のひらで受け止めると、左手で于禁の脚をかぱりと開いた。そして指を精液でしっかりと絡ませると、人差し指で尻穴の入口をぷにぷにと撫でながら触る。于禁本人からは分からないが、何も挿れていないのに既に尻穴はくぱくぱと伸縮していた。それにそこだけはかなり血色が良い。夏侯惇はそれを見てニヤリと笑った。
「ふっ……ぁっ、もう、やめてください、私を、ひっ!?ぁ、んっ……」
すると人差し指が尻穴に入って来たのか、于禁は言葉を発している途中で喘ぐ。
「柔らかいな」
媚薬の効能なのかは分からないが、于禁の尻穴はとても柔らかい。すると夏侯惇は人差し指を曲げて今でもきちんと覚えている、于禁の前立腺を確実に何度も押す。
「ひぁっ!ぁ、あっ、あぁ、あっ!やめ……あ、んっ、あ、ぁ!」
「気持ちいいか?」
于禁はその時点で快楽に負けてしまったのか、蕩けた顔でこくこくと頷く。なので次は前立腺を押すのをやめて、挿れる指の数を増やした。まずは中指も挿れると、女の膣を刺激するかのようにぬこぬこと指を出し入れをした。
「あ、イく、イく、ぁ、ぁっ、ん、やめ、イく、ひっ、あぁ、あっ、あ」
于禁は薄くなった精液を撒き散らしながら喘ぎ続ける。だが夏侯惇はさらにもう一本指を増やした。そして再び指を出し入れをしながら「お前は綺麗だ」と言うと、于禁は腰をガクガクと揺らす。
「ッあ、あ、ぁ……ん……」
どうやら于禁は射精せずに絶頂を迎えたらしい。夏侯惇は挿れていた指を抜く。
その頃には青白かった于禁の体は、微かに火照っていた。
「……い……」
「ん?なんだ?」
于禁は口を開いたが、夏侯惇には聞こえなかったらしいので聞き直す。
「ここに、あなたのをいれてください……」
于禁は息を荒らげながら体を震わせて先程よりも両脚を開くと、右手の指でヒクヒクしている尻穴の奥を見せるように広げる。そして夏侯惇の方を見てそうねだると、夏侯惇は舌舐めずりをした。
「挿れるだけでいいのか?」
「いえ……挿れて、激しく突いてください。私をめちゃくちゃにしてください……」
于禁は少し恥ずかしげに言う。それを聞いた夏侯惇はすぐに自分も平服を脱いで雄を取り出す。そして于禁の物欲しそうな尻穴にあてがうと、ずぶりと突き刺した。
「はやく……ぅあ!?あっ、ぁ、ぁ、や、ん、あぁっ!」
雄はどんどん沈んでいく。于禁は涎を垂らしながら、腹に収まっていく夏侯惇の雄を喜びながらひたすら受け入れた。自分の腹に両手を当てる。
「あ、んぁ、ぁ、あ、あつい……」
「ぐっ……!緩いと思ったら、かなり締まるな……」
夏侯惇はあまりの締め付けに、顔を歪める。挿入したときはかなり緩かったが、どんどん奥まで行くとぎゅうぎゅうと締め付けられていき、根元まで入ると夏侯惇はそれだけで于禁の尻穴の中で射精をした。
「あぁっ……あつい、体があつい……」
于禁は中で射精をされて再び腰をガクガクと震わせる。だが夏侯惇は雄を引き抜こうとはせず、于禁の両腕を上げて寝台の上の頭の横に置いた。そして両膝の裏を持ち上げると、のし掛かるような体勢になり、そのまま腰をゆるゆると上下させる。中で出した自分の精液をまんべんなくかき混ぜるように。
「あっ、ぁ、あ、やめ、今は、らめ、うごかないで、やぁ、ぁ、あっ、そこきもちいい、あっ!あ、あ、あっ、ぁ!」
「ふっ……うっ……」
夏侯惇の体重によりぐっと奥まで入った。あまりの気持ちよさに、夏侯惇は声を漏らす。一方の于禁はあまりの快感に背中を反らせ、足のつま先は力がこもってピンと張る。于禁は無意識に夏侯惇の背中に両腕を回そうとするが、夏侯惇はそれを阻止すると自分の指と絡ませた。そこから、先程よりも腰を上下に激しく振った。于禁の腹からはずちゅずちゅ、と粘膜と粘液がぶつかり合う音が響く。
「ひぁ、あ、イく、イくらあっ、あ、あ、あ、ぁ!らめっ、イく、ち○ぽで頭おかしくなっちゃう、あん、あっ!あ、にんしんしちゃう、ち○ぽでにんしんしちゃう、こどもできちゃう、らめ、あっ、ち○ぽもうやめ、ぁ、しきゅうに、ち○ぽとどいてるから、あぁ、しきゅういじめちゃらめ、あっ、イく、ち○ぽでイく、んっ、あ、あぁっ……!」
「んっ、ぐ……!」
夏侯惇は次は長い射精をすると、于禁は恍惚そうな顔を浮かべた後に気を失った。夏侯惇は雄を引き抜くと、ごぽごぽと大量の精液が流れ出る。それを夏侯惇は舌打ちをしながら見た。
「次も薬を使って、確実に孕ませてやるからな……」
夏侯惇は激しく息切れしつつも薄く笑いながら、がくりと仰向けになっている于禁にそう言ったのであった。