服は汚すもの
ある日の夜。入浴を終えた于禁が浴室から出ると、既に入浴済みの夏侯惇が脱衣所で待ち構えていた。忘れ物でもしたのかと、于禁は思ったので服を着ようとする。
しかし夏侯惇はその服を取り上げた後に、とある物を手渡す。それは中身の見える透明で未開封のパッケージに入っているので、内容物を見た瞬間に于禁は顔をしかめる。
「あの……私に、これをですか?」
「そうだ」
入っているのは、いわゆるコスプレ用のチープな質感の青いチャイナドレス。綺麗に畳んであっても、そのような質感が一目で分かる。それも男性用と記載してあり、于禁は困惑していた。夏侯惇はどうということもないような顔をしており、寧ろ于禁の方が歪に見える状況である。
だがまずはどうしてこれを渡そうとしたのか、于禁は動揺しながらもそれを聞こうとした。すると思考を読み取ったかのように、夏侯惇は簡単に話し始める。なので于禁は開きかけていた口を閉じ、話を聞くことにした。
「お前に着て欲しくてな」
「いえ、私はあなたに……」
「着ろ」
夏侯惇からとてつもない圧のようなものが感じられた。
いとも容易く屈した于禁は、素直にそれを受け取る。しかし下着くらいは履かせて欲しいと要求したが、夏侯惇にそれを断られてしまう。しゅん、と于禁は表情を落ち込ませた。
「……私に、これが入るのでしょうか」
「サイズは多分合っていると思うが」
パッケージを開封してから、于禁は同封してある説明書を流し読みした。次に夏侯惇がその説明書を読み始めると、于禁は不安げに畳まれていたチャイナドレスを広げる。
「一人で着れるか?」
「あ、当たり前です!」
さすがに手伝われることに関しては、謎の恥が込み上げてきたらしい。于禁は頬をかっと赤く染めながらチャイナドレスを睨む。
しかしそこで気付いたのだが、ドレスの丈がとてつもなく短い。于禁は思わず夏侯惇の方を見ると、目が笑っていた。
避けられない夏侯惇からの目線を受けながら、于禁はやけになってチャイナドレスを着ていく。着方は前のものとほぼ同様なのか、手際がかなり良い。なのですぐにチャイナドレスを着ることができた。
于禁の体格からして、このサイズでは快適とは言い難い感覚を覚えたらしい。少しだけ、サイズが小さかったようだ。裾は太腿よりも上で、もう少ししたら下半身が見えてしまいそうである。于禁は眉間の皺を深く刻みながら、夏侯惇に「これで良いでしょう」と聞く。
「似合ってるぞ」
そう言いながら、夏侯惇は于禁の体を触り始めた。チャイナドレス全体の、于禁の体格のせいでできた不自然な皺を手でなぞる。
「……やはり、小さいか」
「当然です」
すると夏侯惇はそれが面白いと思えてきたのか、至る部分の皺を触り始めた。
擽ったいと思った于禁は笑うが、次第にそうはいかなくなってきている。腹などを触られているだけであるのに、于禁は興奮してきたのだ。チャイナドレスなので下半身の膨らみなど、すぐに分かってしまう。なので夏侯惇はそれを見てから指摘した。
「どうして勃っている?」
「……そ、それは……」
言い訳を考えていた于禁だが、チャイナドレスの股間の部分は瞬く間に染みを作っていく。それはまだ小さなものであったが、于禁は逃げられなくなっていた。観念した于禁は、とても恥ずかしそうに「あなたのせいです……」と呟く。
「俺のせいか。すまんな」
そう言った夏侯惇は于禁に詰め寄ったかと思うと、そのまま自身の体と脱衣所の壁で挟んだ。身動きがあまり取れないからか、于禁は焦りながらここから出して欲しいと懇願する。だが夏侯惇はそれに聞く耳など持たなかった。
「俺のせいか」
楽しそうに笑いながら、夏侯惇は于禁の股間を撫で始めた。性的興奮が止まらないのか、于禁は小さな呻き声を上げる。そうしていくうちに射精感が込み上げたが、今の格好ではおかしいと脳が判断したらしい。自然と射精を我慢する。
「どうした?」
相変わらずの様子で于禁の股間を撫でていたが、次はやわやわと揉み始めた。そこで于禁に限界が来る。夏侯惇に揉まれながら射精をすると、ドレスの生地から薄い白色が浮かびあがった。そして太腿からは濃厚な精液が流れ出て。
それを見た夏侯惇は、ドレスの裾を捲った。まだ萎えていない怒張が出てくると、夏侯惇は口角をゆっくりと上げる。裾から手を離すと、怒張でそれを支えられたらしく捲られたままだ。
「ッ、はぁ……そろそろ、限界なのですが……」
辛そうな表情で于禁は訴える。すると夏侯惇はあっさりと手を引かせ、着たばかりの服を次々と脱ぎ始めていく。その様子を間近で見て、于禁は興奮が止まらない。
残りが下着のみになったところで、夏侯惇はわざとゆっくりと降ろしていった。少しずつ現れていくいやらしい体に、于禁は深い穴でも開くかと思う程に凝視する。于禁が荒い呼吸を数回行ったところで、ようやく夏侯惇は下着を取り払った。于禁同様に、竿は張り詰めている。
于禁の怒張の先端からは再び精液を垂らしていた。夏侯惇が自身の下着に手を掛けているところを見たからだろう。更に夏侯惇は笑うと、于禁の怒張に手を伸ばして垂れている雄臭い精液を指で掬い取った。数本の指でぬちゃぬちゃと絡めていくと、それを自身の尻へと向かわせる。
「ぁ……あん、ん! んぅ、あ、は、あっ!」
指を自身の尻穴に咥えさせると、そのままずぶずぶと侵入していく。どうやら、于禁が入浴している間に夏侯惇は自身の尻を解していたらしい。しかしより快感を拾ってしまうせいなのか、夏侯惇は自力で立てなくなってきている。なので于禁に体全体を縋らせた。
顔は肩の上に乗っているので、そのまま于禁の首に舌を伸ばした。這わせていくと、于禁は体を震わせながら夏侯惇の腰に手を回す。指が頻繁に出入りする音が数回聞こえたところで、前立腺を掠めたらしい。妖艶な嬌声を上げる為に一瞬だけ舌を引かせたが、再び于禁の首をざらざらと舐める。
またしても指を動かしたところで夏侯惇は指を引き抜いた。もう、充分と言っていい程に解したらしく。
夏侯惇は于禁に床に座れと指示をすると、それに従った于禁は床に座る。その直後に夏侯惇は于禁の方へ怒張目掛けて脚を開いて跨ると、自身の体をまるで固定するかのように腰を降ろしていった。于禁にその痴態をよく見られながら。
相当それが、気持ちが良いのだろう。半分まで入ったところで、夏侯惇は目尻を垂らしながら喘いだ。
于禁は息を荒げながら、何もせずに夏侯惇の竿を凝視している。
「ひ、ぁ! あ……おっきぃ……ァ、あっ、は、ん……アぁ、あ……」
まだ全て入ったと言う訳でもないのに夏侯惇は射精をして、自身の上半身や于禁が着ているチャイナドレスに白濁が勢いよく掛かる。夏侯惇は于禁や着ているものに撒き散らしてしまい、異様な興奮を覚えた。「もっと見ろ」と言わんばかりに腰を振ると、結合部からはいやらしい音が鳴り始める。
腰を更に落としていくと、もう少しで于禁の怒張が全て入りそうである。そこで于禁は我慢が抑えられなくなったのか、夏侯惇の腰を掴むと一気に腹の中にぐぽりとめり込ませた。
驚きと凄まじい快楽がごちゃ混ぜになってしまった夏侯惇は、体が大きく跳ねる。そしてその後は快楽が驚きを侵食してしまったらしい。竿から更に于禁の服に精液を吐きながら、閉じられなくなった口からは悦びの嬌声を吐く。
「ひゃ、ァああ! ぁ、や、あっ、あ、やめ、イく、ァ、あ! イく、イぐ! ひゃ、ぁ、アぁッ!?」
そして于禁は激しいピストンが始めると、結合部からはぱちゅんぱちゅんと肌と肌がぶつかり合う音が響いた。腹の奥へは容易く突き上げていくので、途中で粘液の音も聞こえてくる。ピストンをしていくうちに、于禁は夏侯惇の腹の中に精液を注いだからなのだろう。
夏侯惇は于禁に抱きつく形になると、チャイナドレスを皺を刻むくらいに強く掴んだ。対して于禁は腰から手を離すと、背中に両手を回していく。ピストンの激しさが増した。突き上げられる度に体が揺れ、夏侯惇は普段よりも高い声で喘ぐ。
「ぁ、ひゃ、あ! んぅ、んっ!」
だがそれを塞ぐように、于禁は夏侯惇と唇を合わせた。くぐもった声のみを少し出した後に、夏侯惇は唇の端から早くも唾液を垂らしていく。チャイナドレスを掴んでいた手の力が、少しずつ弱まっていった。
すると于禁は舌を侵入させた。口腔内を蹂躙していき、舌同士を絡めたり上顎をぬるぬると這わせる。大きなリップ音を鳴らしながら。そうしていくうちに夏侯惇は目を見開き、腰を震わせると射精を伴わない絶頂を迎えた。同時に于禁はピストンを一時的に停止して、二度目の射精をする。腹の中に留まる精液の量を増やしていった。
腹の中を強く締め付けながらも掴んでいた手はぶらりと落ちると、夏侯惇は瞳をとろりとふやけさせる。あまりの快楽に、もう何も考えられないのだろう。竿は既に萎えてはいるが、夏侯惇はまだ于禁に抱かれる気はある。
于禁はその様子をぼんやりと察した。なので合わせていた唇を離すと、今の服装にされた仕返しとして言葉で責めていく。
「……このような女性の格好をさせた私に、抱かれるのはどうですか? 気持ちが良いですか?」
そう言うが、夏侯惇は于禁の舌を追っていた。唾液がどろどろと垂れる舌を伸ばし、ここも先程よりも酷く蹂躙して欲しいと。拙く「ぶんそく……」と呟くと于禁の背中に手を回すが、腰のあたりへとすぐにずり落ちる。それでも于禁と顔を近付けた。しかし于禁はそれを中断させるように、ピストンを再開させる。夏侯惇は直後に腰を大きく痙攣させながら、快楽に溺れていった。
「ひァ、あ! きもちいい、ぁん!」
「ぐ、ぅ……はっ、あ……! なんと、破廉恥な……!」
またしても于禁に精液を腹に注がれると、夏侯惇は恍惚の笑みを浮かべ始めた。
少しでも夏侯惇が体を動かすと、腹の中にある精液がごぽごぽと鳴る。それを聞き、夏侯惇は自ら腰を振っていく。于禁の激し過ぎるピストンなど、物足りないと思わせる程に。
「は、ぁ、あっ! あ、ん、きもちい、ゃ、ア、あ」
熱く粗々しい息を吸っては吐くを繰り返した于禁はそれを見て、夏侯惇の胸元に唇を寄せる。片方のを口に含むと、甘い蜜を味わうように吸い始めた。空いている片方は、指先で弄っていく。
「……ゃあ!? らめ、そこをいじめないで、ひぁ、あ! ァん!」
ちゅぷちゅぷというリップ音を立てながら、こねこねと指先で粒を押したり摘まむ。夏侯惇の体が、がくがくと大きく震えた。とても気持ちが良かったのか、腹の奥の粘膜で于禁の怒張をきつく絞るように締め付ける。それにより、于禁は重い吐息を吐きながら射精をした。
すると夏侯惇は体全体をぐったりとさせるが、于禁の怒張は萎えていない。夏侯惇の腰を掴むと、ゆるゆると持ち上げ始める。結合部からは于禁が散々に流し込んだ精液が流れ出てくる。それを惜しそうに見ながら、最後にと思いっきり腰を降ろす。
「ッひ、ゃぁあ! あ……あァ!」
夏侯惇は悲鳴のような甲高い声を上げると、萎えた竿からは精液のような白色ではなく透明な液体が勢いよく噴出した。二人の胸にそれがかかるが、于禁はお構いなしに先程よりも激しくピストンしていく。互いの結合部周りの肌が、赤く腫れてしまう程に。すると夏侯惇の萎えた竿が不規則に揺れる中、于禁は腰ではなく背中に回して体を密着させた。体液に塗れ汚れたチャイナドレスのことなど、于禁は全く気にせずに。
「あ……ぁ! ア、イぐ! あぁ、ん! あ、ォ、いく、いぐ! はァ、あっ、いぐ!」
体は小さく痙攣しているが、于禁からの快楽に耐えるように夏侯惇は背中を必死に曲げたり伸ばしたりしている。それがとてつもなく愛しく思いながら、于禁は最後に薄くなった精液を夏侯惇の腹の奥深くに注いだ。その衝撃なのか夏侯惇は体を仰け反らせながら、竿から透明な液体の粒を垂らす。
腹の中が于禁の精液でしっかりと満たされた夏侯惇は「ぶんそく……」と、か弱い声で呼ぶと、そのまま気を失ったのであった。