白衣のなんとやら
連休前夜のことだ。
入浴を終えた于禁は、寝間着姿で冷えた飲料水を飲もうと脱衣所から出ていた。だが数秒も経たないうちに、リビングダイニングキッチンの空間へと辿り着く。そこで廊下へと繋がる扉が勢いよく開いた。
夏侯惇と共に住んでいるので、夏侯惇が扉を開けたのは分かっている于禁は、それを特に気にしていない様子だった。既に入浴を終えている夏侯惇は、リビングで何かしようとしているのだろうか、としか思っていない。
そのときには于禁は既に冷蔵庫の前に立っていて、開けたペットボトルの飲料水を持ち、リビングのスペースに背を向けて半分ほど飲みかけていたところだ。
「于禁、それを飲みながらでも見ろ」
夏侯惇が飲料水を飲んでいる最中に肩を叩いてそう声を掛けてきた。なので于禁は飲むのを中断し、何かと振り返る。
すると于禁はキャップで閉めていないペットボトルを斜めへと傾けてしまい、水が流れると自身の寝間着へ向けて落ちていった。
「な、な、なぜそれを!?」
于禁は寝間着を水で盛大に濡らしながらも、夏侯惇に震えた指を差す。それも顔を真っ赤にしながら。
「何か問題でもあるのか?」
夏侯惇は少し前に于禁から贈られた、スカートスタイルの薄桃色のナース服を着ていた。鎖骨の下までしかない襟に、膝まであるスカートの丈。それに太腿まで長さのある白いニーソックスを履いている。微妙に露出していたりしなかったりと、寧ろ謎の色っぽさがあった。
それを見た于禁は頭を抱えようと思っていた。あれは一時的な気の迷いから、それを贈ってしまったのだ。夏侯惇に最近、性行為に対してマンネリ感を抱かれているのではないかという理由で。その後に考えを払拭できているが。
どうしても迷った末に本人に聞こうか迷っていたところだったが、わざわざ聞くのはやはり抵抗があった。もしもマンネリ感を抱かれていたことが判明してしまったら、于禁自身の心に傷を負ってしまうことは間違いないと思っていて。
于禁はマンネリ感という考えを根底から排除した。自信を無くした状態で夏侯惇と肌を重ねるのは、とても失礼であるからだ。
だが于禁は次第にマンネリ感という考えを無視しても、そのような格好の夏侯惇を見たいと思い始める。なので大まかな寸法を性行為の際に抱き締めるなどをして測っていた。そして寝ている間にも、メジャーで測る。
結果的には、夏侯惇にサイズがぴったりであったが。
「恐らく、俺に着て欲しいから贈ったのだろう?」
夏侯惇はそう言うと、于禁はぎくりとした。思惑は筒抜けのようだった。
「……そうだ于禁、お前その寝間着は濡れてしまったから、洗濯をせねばならないだろう? だから、ほら」
するといつの間にか持っている、指先から肘まである大きさの茶色の封をしてある紙袋を于禁に渡した。外見の割にそれなりにずっしりとした重さのようで、于禁は思わぬ重量に驚く。
「これは……?」
「お前の着替えだ。必要だろう? 開けてみろ」
明らかに不敵な笑みを浮かべる夏侯惇に、かなり怪しいと思った于禁だが、開けなかったら機嫌を悪くしそうなので紙袋の封を開けた。
紙袋の中には白く少し硬めの布と、何か銀製のものが入っている。まずは白い布を取り出して開くと、かなり見覚えのあるものだった。そこまで身近なものではないのだが。
「白衣……?」
「そうだ。『ナニ』をするか、俺の格好を見たら分かるだろ?」
夏侯惇は于禁の濡れてしまった寝間着をたくし上げ、ズボンのゴムに手をかける。すぐにでも于禁を脱がせたいようだ。
だが于禁は首を横に振った。
「私は医師免許を持っていませんが……」
「……って、はぁ!? 違う! ナニと言ってるだろ! ナニと! 一言も本物になれとは言ってない! 早く白のワイシャツ着てネクタイ締めて、スラックス穿いて、ベルト締めて、それをさっさと羽織れ! 中にある道具も持ってこい! 今夜はそういうプレイをするぞ!」
額に青筋を浮かべた夏侯惇は怒りながら早口で于禁にそう言うと、ナース服を着ているのにも関わらず、大股でズカズカと寝室へと向かって行ったのであった。
一人残された于禁は夏侯惇の言葉をようやく詳細に理解したのか、顔を真っ赤に染める。
早速脱衣所へと行き寝間着を脱ぐと、それを洗濯機に放り込んだ。そして白衣を持ち、ウォークインクローゼットへと入ると夏侯惇の指示通りの服装へと着換え、白衣を羽織った。
「夏侯惇殿、着替えました……。それに、中に入っていた聴診器も……」
于禁は聴診器を持つが、恐らく本物ではなくレプリカだろう。本物の聴診器よりも形状がおかしいところが幾つもあった。正に、コスプレという用途のみで存在するものだからか。
明るい照明の点いている寝室へと静かに入ると、夏侯惇はナース姿のままでベッドの上で胡座をかいていた。
だがその体勢なのでスカートの中がよく見えていて、夏侯惇は女性用のショーツをスカートの下に穿いているのが視界に入る。それも于禁が贈っていた白いショーツで、全ての部分が透けているうえに、細かいレースが端にあしらわれていて。
「遅い!」
夏侯惇は機嫌が悪そうにしているので、于禁は謝罪をした後に夏侯惇へと近付く。すると夏侯惇に腕を突然引かれると膝からベッドへと乗り上げ、ひっくり返されて仰向けの体勢になった。
「聴診器はきちんと首にかけろ。手に持つな」
仰向けにさせられた于禁の上に馬乗りになった夏侯惇はそう言うと、聴診器を首にかけさせる。
そのときの于禁は、白衣に皺ができたのでそれを見て気にしていた。すると夏侯惇に顎を掴まれる。
「……お前、相当な変態だったのだな。見ろ。胸元が緩いせいで、四つん這いになると胸が丸見えではないか」
夏侯惇はそう言うと実際に四つん這いの体勢になって、その光景を見せた。襟の部分は夏侯惇にとってはかなり緩いようだ。布が重力で下に垂れて隙間ができると、豊満な胸と立っている両方の粒が丸見えであった。
于禁は恥ずかしげにしながら、視線のみを逸らす。
「そこは、サイズを間違っておりまして……」
「ふん、どの口が言うか……この状況でお前が勃っているのは分かっている」
夏侯惇の指摘を聞いてギクリとした于禁は、夏侯惇が座る位置をずらそうともぞもぞとし始めた。馬乗りになっている夏侯惇の尻の部分に、于禁の膨らませている雄が当たっているのだから。
「……先生、お疲れのようですね」
だが夏侯惇は掴んでいた于禁の顎を離すと、雄をスラックス越しに掴む。そして突然にわざとらしい敬語で話し始めた。そのときの表情はニヤニヤとしているが。
すると夏侯惇は何の躊躇もなく、于禁の穿いているスラックスのチャックを開ける。次に下着の前開きから、グロテスクな外見と大きさに変貌している雄をぶるんと取り出す。
夏侯惇はそれを見た途端に、はぁはぁと息を上がらせ、興奮し始めた。そして于禁の顔ではなく、そこに顔を近付けて凝視した。
「夏侯惇殿、少しお……うっ、は、ふ、ふっ……!」
すると雄を凝視するなり、夏侯惇はすぐに口に含むと、丹念に舌で舐め始めた。だが上目遣いなうえに、先程と同様に襟元が緩いせいで胸がよく見えている。
看護師が着るその服とは、一般的には『清潔』などの清らかなイメージが強いものだ。だが夏侯惇はそれを着ながらも男の雄をとても可愛がっている光景は、于禁にとってはかなりの背徳感や妖艶さを覚えさせられた。
それと同時に興奮が止まらないようで、于禁は勢いよく夏侯惇の口腔内に射精をしてしまったが。
「ん……ん……んっ……!? んぅ……ん……」
だが夏侯惇は口腔内に出された精液を飲み込まず、何やら口をモゴモゴとさせながら、芯を持ち続けている雄から唇を離した。唇の端からは若干漏れた精液を垂らしながら。
そして体勢を維持しながら口を開けて舌を出す。白く濃いうえ、粘性のある于禁の精液が夏侯惇の舌の上に乗っていた。夏侯惇はそれを于禁に厭らしく見せ付けた後、唇を閉じてごくりと喉を鳴らして飲みこんで感想を言った。
「お前のはうまいな」
「あの、これ以上は……」
于禁は息を切らせながらも、そうとしか言えなかった。まともな言葉を発する余裕が無いらしい。
次に夏侯惇は于禁の雄に顔を近付けて手で掴むと、しこしこと扱き始めた。自分の唾液が潤滑油になっているおかげなのか、にちゃにちゃと卑猥な音が鳴る。
「はっ、はぁ、ふ、はぁ……ん……あっ、く……」
「先生、気持ちいいですか?」
またもやわざとらしい敬語で夏侯惇はそう聞いた。そして次第に扱く速度を上げていくと、于禁はまた射精したようで、夏侯惇の顔全体に勢いよく濃い精液がかかった。
「夏侯惇殿!? ……申し訳ありません! 今お顔を拭くものを……」
于禁は焦りながら体を動かそうとしたが、夏侯惇は于禁の雄をグッと握ってそれを阻止した。于禁の体が大きく跳ねる。
夏侯惇は唇のあたりまで漏れた精液を舌で舐め取る。すると于禁のきつい雄の匂いにより、夏侯惇は完全に発情した。
「もう我慢できない……于禁……」
色欲に支配された顔と声音で、夏侯惇は于禁の雄にちゅっと唇を一瞬だけ付けた。
「夏侯惇殿……?」
「準備しておいてよかった……」
夏侯惇は顔に付着した精液を拭かないまま、四つん這いになると尻を于禁に向けた。
「……捲ってくれ」
尻を振りながら夏侯惇はそう指示した。
尻を向けられてから、我慢の限界がきていた于禁は「はい」と返事をすると、息を荒くしながら膝まで丈のあるスカートをびらりと捲った。
その下には穿いていないも同然のような、全体的に白く透けているショーツが出てきたが、尻穴の部分に何か違和感があった。何か硬いものがついているような気がしていたし、尻穴の部分が濡れそぼっていた。
なのでそこを少し触ると夏侯惇の体が大きく跳ねる。
「っあ! ぁ……ん……」
「夏侯惇殿、これは……?」
「っあ、は……それをずらせば、分かるだろう?」
于禁はごくりと喉を鳴らした後、先程よりも息を荒くしながら透けているショーツを太腿のあたりまでずらした。
すると尻穴には何かプラスチック製の、指先ほどの太さの球体の黒いものが入っているようだった。少しだけローションらしき粘液を小さな隙間から漏らし、ショーツに糸を引いたものを付着させながら。
「抜いて……くれ……」
夏侯惇は切なげな声で于禁にそう頼む。そして大きな尻を小さく振るが、その度に更に粘液を尻穴の隙間から漏らしていった。
「はい……」
尻穴へと手を伸ばし、プラスチックの球体の形状のものを掴むと、それをゆっくりと引く。
「ぅ、ひ、あ、あぁっ! あっ、はっ、あ、ん……ア……ぁ……!」
出てきたのは、幾つもの小さな球体がまっすぐに連なった、いわゆる玩具の類の物だった。
すると引いていくうちに尻穴の隙間からも同じ粘液が垂れてきていた。
「あなたも、相当な変態ではありませんか……」
するとようやく于禁にスイッチが入ったのか、その玩具を少し引いた時点で再びぐりっと元へ戻すように押し込む。
「ひっ!? や、あっ、あぁっ!」
夏侯惇は腰をガクガクさせながら射精をしたようだ。股の間から精液をシーツに落とす。それを見た于禁は少しだけ、ゆっくりと玩具を抜いた。
「ずっと、これを入れていたのですか?」
「や、違う……さっき風呂に入っている間に入れた……」
尻穴から出ている球体を于禁は爪で数回弾くと、夏侯惇は女のような喘ぎ声を出す。
「あ、あぁ、ん、ぁ……それ、らめ……」
「やめて欲しいのなら、なぜ嬉しそうに喘ぐのでしょうか」
于禁は玩具の抜き挿しを繰り返す。夏侯惇の尻穴からは、どんどん粘液が出てきては股の間に落ちていった。白のニーソックスの履き口を濡らしていく。
そうしていくうちに粘液が出てこなくなると、于禁は抜き挿しをしていた玩具をゆっくりと引き抜いた。連なる球体をわざと、前立腺にも当てながら。
「ぁあ、あ! ッ、ん……あ……ア、あぁ! や、アぁっ!」
角度を変えて球体の凹凸で前立腺をごりごりと刺激させると、またもや夏侯惇の股の間から精液が垂れた。
全体を現した玩具の長さは、于禁のものと同じくらいあった。そして引き抜いた後に粘液塗れになっているそれを、于禁はまじまじと見る。するとそれに対しての嫉妬心が湧いてきたようで、眉間の皺を深くした。
「こんな物の方が気持ちいいのですか?」
先程まで夏侯惇は四つん這いになっていたが、あまりの快楽に腰を抜かしたらしい。尻は突き出して、胸の部分はシーツに伏せている。
「随分とあなたのそこは、気持ちよさそうでしたが」
夏侯惇の尻穴は、于禁の方からよく見えた。部屋の照明が点いているので、粘液によりてらてらと光っている尻穴の周り。そして微かに赤く腫らす尻穴の縁は収縮を繰り返し、そこから頻繁に見える桃色の粘膜。
夏侯惇は息を切らしているので、何もリアクションができなかったらしい。ひたすら于禁に尻を厭らしく見せるしかできないでいる。
すると于禁は指で尻穴の微かに赤く腫らしている縁を触りだしたが、粘液が付着しているのでぐちゅぐちゅと音が鳴った。それに熟れている果物のように柔らかい。
「この看護師には、かなりの指導が必要なようですな」
于禁も今の服装でのシチュエーションにノリノリになってきたようだ。
尻を突き出していて伏せている体勢の夏侯惇をひっくり返し、支えながら対面に座らせると蕩けた顔をしていた。そしてまたもや于禁の顔ではなく、スラックスのチャックから出ている、芯を持った于禁の雄を物欲しそうに見ている。
「そこまでこれが好きなのですか?」
于禁は膝立ちになるとわざと雄を夏侯惇の顔に近付け、ゆらゆらと揺らした。
「すき……」
そうしていると夏侯惇は蕩けた表情で雄を口に咥え始め、じゅるじゅると音を立てながらしゃぶり始めた。
「ん、ぅ、んっ、んぅ……ん、ん……」
歯を立てず、舌でカリの部分の形を確かめるようになぞっていく。
「は、ッ……ん、ん……ぅ……」
ある程度形に沿って舌を巡らせた後に一旦唇を離す。そこから血管の浮いている竿に舌を這わせた。
「ッあ! は、はっ……!」
少し刺激により于禁の雄はすぐに精液を吐き出すと、夏侯惇はそれを即座に迎えるように口腔内に受け止めた。喉を鳴らして飲み込むと雄から口を離す。
すると于禁は息を荒くしながら、夏侯惇を乱暴に押し倒し、脚を四〇五度くらいに開かせる。側に置いてあったコンドームのパッケージから、一つ取り出すと封を開けた。
「せんせ、早く……せんせ……」
わざと煽るように夏侯惇はショーツを膝下まで下ろすと、自分の脚を更に開いて上に上げる。そこから見える尻穴は、未だに物欲しそうに伸縮を繰り返していた。
「はぁ……はぁ、はぁ……」
言葉を発さず代わりに荒い息のままの于禁は、ベルトを外すとスラックスのボタンを外し、下着と同時にずらした。そして今にもはち切れそうな自身の雄にコンドームを装着すると、すぐに夏侯惇の柔らかい尻穴へと宛てがった。
どちらも衣服を一切脱がずにそこまで至るのは初めてのようだ。動く度に布の擦れる音がよく聞こえる。
「欲しいですか?」
于禁は雄の先端で尻穴の縁をぬちゅぬちゅと触れる。柔らかいそこは、気を抜いただけでずるりと奥へと深く入りそうだった。
夏侯惇は腰をゆるゆると揺らすと、于禁の白衣の襟を力無く掴んで強請る。
「や、焦らさないで……はやく、いれて、早く」
「どう、入れて欲しいのですか?」
于禁は雄の先端で尻穴の縁を擦りながらそう言うと、夏侯惇は恍惚そうな表情で涎を垂らしながら答えた。
「おくに……根元まで……」
「仕方が、ありませんな」
尻穴の縁へと突き刺すよう、雄を入れる。
やはり奥へとどんどん入っていくようで、于禁は女の膣に挿入しているような気分に陥っていた。夏侯惇は確かに、外見はどう見ても男であるのに。
「んっ、ぁ……あ、あっ!」
すぐに于禁の雄が腹の中に収まると、根元まで完全に入った。
夏侯惇は于禁の白衣の襟を掴んでいた手を離すと、自分の衣服の上からへその下のあたりを優しく擦る。そこだけ、少しだけ膨れていた。
「ここに、文則のが……」
夏侯惇がそう呟くと、于禁の理性の糸は完全に切れた。
腹の中を掻き混ぜるよう、于禁は激しく腰を揺らして律動を始める。夏侯惇の腹の中からはぐぽぐぽと音が鳴った。既に結腸を突かれているのだろう。
すると夏侯惇に唐突に来る、強い快楽に戸惑う暇を于禁は与えてくれなかった。なので腹の中を突かれて啼くことしかできない。
だがそれでも、夏侯惇の腹の中は于禁の雄を嬉しそうにきつく締め付ける。
「ぁあ! あ、ぁ、ん、らめ、あ、あ! あっ、ぁ、アっ……! イく、ひっ、ぁ、あっ、らめ、あ、イく、あっ、ッあ!」
夏侯惇の背中が大きく反ると同時に、弱々とした勢いで射精した。それも精液は薄く濁っていて。
腰をガクガクと揺らす。腹の中にまだ于禁の雄が収まっているが、夏侯惇は無意識に逃げるように腰を引いた。しかし逃さないという目をしている于禁に、腰を強く掴まれる。
すると夏侯惇は抵抗する力もなく諦めたのか腰の力を抜き、覆い被さってきた于禁の白衣を握った。
「まだ、私は達していないのですが?」
いつもより低い声でそう言い、鋭く睨むと律動を再開させた。腰を掴んでいるので、腹の奥を強く打ち付けたようだ。夏侯惇は声にならない喘ぎ声を上げる。
「ッぁ……! ひ、ぁ……! んッ、あ……!」
「はっ、はっ、はぁ、元譲の降りてきた子宮が、また締め付けてきましたよ……!」
夏侯惇はもう快楽を受け入れたくないのか、イヤイヤと首を横に振る。しかし于禁は締め付ける夏侯惇の腹の中が気持ちよくてたまらないのか、それを無視して雄で夢中になって奥を打ち付けた。
更に律動を激しくしたところで、ようやく于禁は絶頂を迎えたのか、怖ろしい程の低い呻き声を上げる。
「ぐっ、うぅ……! はぁ、はぁはぁ……」
それと同時に夏侯惇も絶頂を迎えた。しかし于禁の出す呻き声が聞こえたのも相まって、さらに感度が上がっていたのか夏侯惇は精液ではなく潮を吹く。
「っぁ……ん、あぁ……」
潮が互いの衣服にかかりびしょ濡れになったところで、夏侯惇は掠れた声を出す。そして腕を震わせながら于禁の白衣を弱く握った。
「ぶんそく……すき……」
「私もです、元譲……」
于禁は夏侯惇の顔に未だについていた精液を白衣で拭くと、互いに唇を合わせた。そして于禁は自身の精液の味を微かに感じながら、夏侯惇と舌を絡めたのであった。